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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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7月も終わるのに、まだ梅雨っぽく、雨が降ってるかどんよりした天気が続いています。
そんな中『後がないんじゃ』と、朝からバイク飛ばして京都へ。『仁義なき戦い』一挙上映の第一弾の最終日に何とか間に合いました。




 ロビーは新世界東映から借りてきた本物ポスターがずらり。場内ではあの津島サウンドが鳴り響き、何度も見た映画なんだけど、期待せざるを得ません。




 終戦後の広島ヤクザの抗争を描いたこのシリーズ、だれもが最初からヤクザではなかった。闇市で暴れまわっていた若者たちが狡猾な大人たちに束ねられ、そして捨て駒のように働かされ、しまいには仲間内で殺しあっていく。友情と裏切りと謀略が交錯する血にまみれた大河ドラマ。主演の菅原文太も最初は朴訥とした復員兵で、食堂で好きなレコードをまわすDJプレイを披露する若者だったのに、いつしか巨大な暴力の渦に飲まれていく。堅気だったころ、友人の敵討ちとはいえ躊躇なく殺人を犯せたのは、彼が戦場で数々の修羅場を潜り抜けてきたからだろうか。戦争で、生死の境をさまよったものにとっては、暴力団はうってつけの住処だったのかもしれない。デジタル復元された綺麗な画面に映える汚い人間群像。まじめな奴ほど損をして、大きくなればなるほど、己の欲望のために仲間を売ることも殺すことも厭わなくなっていく。



 鑑賞後、ここは本当は新世界東映なんじゃないか? と錯覚してしまった。そして鑑賞者にはもれなくスタンプカードがもらえる。こんなものもらったら、毎週京都に通うしかない。

 そして翌日。霧雨振る中、今度は難波で『ドラゴンへの道』を。これまた実録やくざ映画とともに人気を博した香港カンフー映画の傑作。もちろん4k。

 ブルースリー監督ということもあってか、全体的に明るいトーン、いつも以上にコミカルなリーさん。大げさなジェスチャーも健在。でもやるときはやる、ローマの中華料理屋を守るためにリーさんがマフィアと戦う! 店に嫌がらせにやってくるマフィアの数が増えれば、リーさんもカンフーからヌンチャク、そしてヌンチャクとレベルアップ。銃を持った相手に有効な手製ダーツも地味だけど、リーさんをきちんとアシストしてくれる。

 そしてこの映画では、リーさんを圧倒する強敵が登場するのもうれしい、敵は強ければ強いほど燃えるのです。リーさんの活躍に頭を痛めたマフィアが呼んだのは空手の達人たち! 日本人空手家長谷平、ボブにクーダ! アクションものは敵が強ければ強いほどいい、前2作の工場長や鈴木も強かった。でも今回は対リーさんとして呼ばれた手練れ中の手練れだ! ボブも強い、負けはするけど、リーさんをいいところまで追い込む。今回は英語版なので長谷平の『お前がタンロンか?』という珍妙な日本語はなくて残念。そしてクーダことチャックノリスとのコロシアムの決闘である。何度も見たけど、今見ても凄い。戦う前にお互い準備運動、そして野良猫の『ニャー!(4kでも人間の声に聞こえる)』で戦闘開始! 強者は目を見ただけでも相手の力量がわかる、まさに武人同士の激突。はじめは押され気味のリーさん、途中からボクシングのフットワークを生かした戦法で形勢逆転。ふらふらになり、右手を痙攣させながらも戦う意思を見せるかのようににやり、と笑うチャックノリス。それに対して『やめろ』と首を振るリーさん。それでも襲い掛かるチャックをフロントチョークスリーパーで仕留めるリーさん。もはやこれまでと悟った捨て身のチャックを介錯してあげたのだ、と解釈。遺体にそっと彼のカラテ着をかぶせ、切ない顔をするリーさん。まさに武人である。



 今回は日本初公開バージョンということで、日本語テロップ&主題歌が流れる、初めて見るバージョンでした。もっとリーさん演出のコミカルかつ熱い映画が見て見たい、でもドラゴン復活祭はあと一本。たぶんそれも見るでしょう、そしてまた京都にも……やくざ映画とカラテ映画、まるで70年代に戻ったようです、生まれてないけど。

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月曜日に弟子の映画、木曜日に師匠の映画と来て、再び弟子の映画。あいにくの雨でしたが、何とか晴れ間を狙い、出勤前にバイクで難波へ。今回は『ドラゴン怒りの鉄拳』4k版です。20数年前、ブルースリーがファッション化し、ちょっとしたブームが起こった際、彼の作品も続々とリバイバル公開されたけど、これはやってなかったはず。ということは劇場で見る初めての怒りの鉄拳、ということになる。



 20世紀初頭の上海、師匠を殺された青年が憎き日本道場へ復讐を果たす……というお話はよく知られているので割愛。今回は以前にもまして画面が綺麗、セットでライトをガンガン充てていたからか、くっきりはっきりと見える。でも音響はややノイジー、それがまたフィルム上映を思い出さしてくれる。

 続けて見たのでよくわかるけど、前作の大ヒットでリーさん自身もかなり自信がついたのではないか、と思った。芝居のぎこちなさも取れ、表情も豊か、ヒロインとのラブシーンも演じる。一方アクションもお馴染のヌンチャクと怪鳥音が登場。間合いを取っての素早い攻撃も切れ味が増してきた、ように思える。日本人武道家たちに対し、まさに怒りの鉄拳、狂気に近い感情を拳に込めて叩き込み、電柱に吊るす。狂気を秘めた復讐劇なんだけど、新聞売り、人力車夫、電話工事技師と、変装も披露してくれるので、どこか余裕があるのでは、と思う。その余裕というのはリーさん自身のもので、それが次回作での初監督作品にもつながるのだ、と勝手に思った。

 ロシア人柔道家ボブ・ベイカーという好敵手も登場。前作はいくら武術の達人とはいえ、工場の社長やったし。主人公と同格かそれ以上の実力の相手と戦うのはやっぱり盛り上がるものです。柔道の寝技も駆使して行われる、総合格闘技の先駆けのような攻防、そして宿敵鈴木にはみなみ会館でもお会いした橋本力さん。その眼力も4kでパワーアップ、大映仕込みの剣技でリーさんと戦います、刀を振り上げた姿はまさに大魔神逆襲。

 悪党は退治するものの前作に続き、後味の悪い結末。それがまたヒロイックに見えるのかもしれません。

 来週は『ドラゴンへの道』。そして京都で『仁義なき戦い』。70年代名画巡りはまだまだ続くのでした。

 

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昨日は京都みなみ会館で『イップ・マン完結』を。前回、雨の中『ドラゴン危機一発』を見て、今回も雨の中車を飛ばして京都へ。大阪は土砂降りだったけど、京都につくと、雨も止んでどんよりと曇っていました。しかし、弟子と師匠の映画が同時期に見れるってすごいことだなあ。ブルースリーの師匠、詠春拳の使い手イップマンの人生と活躍を描くこのシリーズのいよいよ完結。


 今回は子供の留学話が持ち上がったので現地視察と、弟子のリーに誘われてサンフランシスコへ。留学にはチャイナタウンにある中華総会の許可状が必要。しかし、居並ぶ師匠連中はリーガ外国人にカンフーを教えているのを快く思っていない。そこで拳と拳、心と心の対話が生まれるのだ! このシリーズ、毎回武術で決着をつけるだけでなく、相手のバックボーンも丁寧に描かれているのでドラマとしても秀逸なんですな。武術は抜群でも子育てはぎこちないイップさんと息子の交流も描かれます。 

 そしてシリーズ恒例の外国人枠、とにかく偉そうで強い白人にはスコット・アドキンス。極天空手を使い、カンフーマスターたちを撲滅せんとするいやな奴ですが、とにかく強い。イップさんはいつも『ここぞ』とばかりに登場するからそう快感が倍増するんです、今回も『ここぞ』という場面で登場、待ってました、と心の中で拍手を送ってしまうのです。


 手わざが多く、まず防御から入り、敵の懐に入る詠春拳、華麗な手さばきの合間に時折エグイ技をぶち込んでくるのが特徴。そしておなじみのポコポコと繰り出される速射砲パンチも健在。あれは見ていてとても心地よいものがあります。

 イップさんの弟子、ブルースリーも大活躍。動く名場面集とばかりに未来、スクリーンで見せるであろう技や動き、そしてヌンチャクを惜しげもなく披露。

 シリーズの締めくくりにふさわしいラストシーンには、思わずグッとくるものがあります。カンフー映画なのに、いやカンフー映画だからかも。


 そして、昼食をとって再びみなみへ。その日で上映終了の『ムルゲ・王宮の怪物』を。こちらは韓国製の王宮を舞台にしたサスペンス、と最初は思っていました。ポスターにクマみたいな怪獣の姿が映ってはいるけど、添え物的なものでしょ、と最初は思ってました。


 16世紀の韓国。王政がぐらつきだしたころ、山に怪獣が出る、との噂がでる。王に頼まれたかつての武人とその部下は討伐隊を率いて山に入るが……。『いなかった、でもいた!』であります。

 怪獣の正体は王位を狙う謀反一派の流したデマだった……と思ったら、谷底から本当に現れた! クマやヒヒが混ざった、黒い狛犬のような怪物ムルゲ! 前半で『本当にいるのかな?』と思わせて後半で『いました!』と怪物大暴れ! 迎え撃つ軍人たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、最後には怪獣らしくランドマーク(王城)に出現、城門のてっぺんで吠えたりと、怪獣映画のツボを外しておりません。民衆の不満を現政権にぶつけるクーデターのつもりが、本物怪獣の出現で無茶苦茶にされ……。いうなれば白土三平が描いた怪獣漫画、とでもいうか、大魔神にお父さん大活躍のGMKを足したような内容というか。


 怪獣の正体は珍獣好きの前国王が城の地下で作り上げた新生物という発想が面白い。モンスター博士が作ったジラースみたい。それが疫病患者を食べたために凶暴化したという設定。これだけキャラが立ってるんだからかっこいい名前でも付けてあげればよかったのに。ムルゲ(怪物の意味)だけだと何となく物足りない。

 百聞は一見に如かず、スルーしなくてよかった。チャンバラの見せ場もふんだんにある怪獣時代劇の快作でした。

 カンフーと怪獣、勝手にアジア映画祭な一日でした
 

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雨が降ると憂鬱になります。それは天気が崩れているからではなくって、バイクで移動できないからという単純なもの。その日は学校。渋滞と高い駐車場代出すぐらいなら電車でいこう、なら学校帰りに映画でも見て帰ろうと思ったのです。この『学校帰りに……』というプラスワンがあるとないとでは、生活も随分変わってきます。これのために一日頑張ろうと思えるからですな。


 その日は学校でリクエストに応えて『ゾンビ』を見て(平成生まれの学生さんにも好評。やっぱりしっかりと作ってるからかね)、難波へ。久しぶりのなんばパークスシネマ、雨に加え風も強くなってくる中『ブルース・リー4Kリマスター復活祭2020』へ。第一弾は『ドラゴン危機一発』。ちょうど20数年前に『燃えよドラゴン』はじめ、ブルース映画がリバイバルされちょっとしたブームになったことがあります。それ以来の劇場で見るドラゴン映画。映画秘宝『ブルースリーと101ドラゴン大行進』という素晴らしいサブテキストが出たのもその頃。もうあれから20年以上経つのか……と軽いめまいを覚えつつ、劇場へ。


 
 いわずと知れたブルースリー主演第一作(日本では二作目)、タイへ出稼ぎにきた青年が悪徳製氷工場に戦いを挑む、以上! 4Kにしなくてもブルースリーの超人的アクションは今もなお色あせず、美麗画像で映し出されるタイのごちゃごちゃした街並みに目が行ってしまう。久しぶりに見たけど、ブルースがもたもたしている間に事態が悪化し、製氷工場で働く仲間たちが次々と殺されていく。従業員を殺して経営が成り立つのか? 東映任侠映画に見られる『我慢劇』のシステムですが、ブルース我慢しすぎ。その分、クライマックスで大暴れ。そんなことより早く警察に行け、と思ってしまうのは、こちらがいいおっさんになったからか。 

 
 ナイフアクションで刺殺したり、漫画みたいに人型に壁が抜けたりとまだまだブルースアクションは試行錯誤中、といった感じ。朴訥とした雰囲気で分かりやすいアクションで演技するブルース。

 これはもうブルースありきの企画です、彼がいないとさらにもったりとした活劇になっていたはず。途中であっさり殺されるハンサムな従妹もヒロインも、少し前の美男美女といった感じ。さっぱりさえないスケベオヤジ風の工場社長がものすごく強いという意外性(武術指導の人だそうです)。


 見終わると雨は小降りに、さすがに『アチョー!』とブルース気分になって暴れることはありませんでしたが、ふつふつと心のタンスにしまっていたトラックスーツを、そっと心の中で着るのでした。


 そして帰宅中にエンニオ・モリコーネ氏の訃報を知りました。先週『ウエスタン』見たところなのに、なんというタイミング! ゾンビにはじまりドラゴン、そしてマカロニ音楽の父の逝去、とまるで昔の映画秘宝のような一日でした。

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 先週末からのことを。

 久しぶりに再会した京都みなみ会館超大怪獣大特撮大全集2020、今月のプログラムは4月上映がアナウンスされてながらも、コロナの影響で延期に次ぐ延期となっていた『極楽島物語』『クレージーの大冒険』の喜劇映画2本立て。特撮や怪獣物が常のこのプログラムで異色と思われるが、もちろん、純粋なコメディでありながらもどちらも効果的に特撮が使用されている。とある南海の孤島に漂着した日本軍兵士と地元民との交流を描く、喜劇オールスター出演『極楽島……』では船団のミニチュアや火山噴火が特撮で描かれ、島に住む謎の獣人も登場。『大冒険』はラストのミサイル攻撃で崩壊していく島のミニチュアが圧巻。久しぶりの超大怪獣、常連客の皆さんのお元気そうな姿を見れたのも収穫でした。


寝屋川キャスト社とみなみ会館のコラボ商品アマビエストラップを購入。

 そして7月に入り、ファーストデーだったので『ランボー・ラストブラッド』を。前作『最後の戦場』のラスト、数十年ぶりに故郷に帰ったランボーのその後を描く。牧場で馬の調教師として働きながら、災害時には馬を駆ってボランティアでレスキュー仕事をするランボー。知人とその孫娘と語らい、充実した日々を過ごす、人は10年でこんなにも変われるものか。いやでも牧場の地下にトンネルを掘り、その中で寝起きをするなど、戦いの後遺症は根強く残っていた。そんなランボーおじさんの平凡な日常を描く……わけもなく、今回も極悪非道な連中がランボーを待っていた。メキシコの人身売買組織VSランボー。ベトナム、アフガン、ミャンマーと今までは軍隊相手に戦ってきたランボーでしたが、今回はやや小ぶりな感じもする。でも悪い奴らは放っておけない、舐めてたランボーはやっぱりランボーだった! 自宅をトラップ満載の要塞に変え、迎え撃つランボー。トンネルや仕掛け罠に第一作の面影が見える。もちろん、弓矢にランボーナイフも健在、前作から顕著になった人体破壊描写も満載。いやでもそれぐらいしないとだめなのよ、と思うほどに悪いことしてるから仕方ない。一応、今回で最後と謳ってるけど、まだまだやれそうな幕引きでした。


 その翌日。またまたみなみ会館へ出向いて『ワンス・アポン・ア・アタイム・イン・ザ・ウエスト』へ。先日見たところだけど、最終日だったので、もう一度見たくなった。長尺である。もったりとした映画である。でもどこか惹かれる。それはレオーネ作品を劇場で見るという経験がしたいだけなのかもしれない。デジタルの力で蘇る大西部(ロケ地スペイン)、レオーネ得意のクローズアップ多用も鮮明な画像で堪能。そしてモリコーネ楽曲の激しさ、美しさ、腹にずんと来る銃撃音。昨年のデジタル化でさらにこの映画が好きになったような気がする続けて見るものではないけど。クライマックスの決闘のために、見ていられる。


その日は天気も良かったのでブロンソンに倣って馬で京都へ。久しぶりに2時間弱の道のりを走って京都へ。でも映画の冒頭、ブロンソンは馬ではなく汽車でやってくることをすっかり忘れていた。またどこかであのハーモニカの音色が聞きたい。

 そしてみなみ会館はイップマンと仁義なき戦いで、また来なくてはいけないだろうな、という予感もする。たぶん、いく。
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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