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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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二年前の冬、深夜の旧京都みなみ会館。オールナイトではない。まばらに座席に座る人たち。自分の前には一際かわいい制服の女の子、後ろにはテレビで見たことある人、そう、いつも若手漫才師にひどい目にあわされて怒鳴り散らしている人がいた。照明がたかれ、デジタルで小型化されたカメラが持ったキャメラマンが客席の間をすり抜ける。映画の撮影だった。場所がみなみ会館ということで人生初のエキストラ参加をしたのだ。撮影は2時間もかからなかったと思う。そしてその映画は、二度の休館を挟んで、ようやく新みなみ会館で上映されることになった。

 『POST入ル』京都を舞台に、女子高生と突然死したもののおっさんの姿になって甦った幼馴染との、最後のひと時を描く、こじんまりとしたファンタジーだ。当時元NMB48(現吉本坂46)の高野祐衣のナチュラルな演技、観光地ではない京都の風景がそれにマッチして生々しい。生き返った幼馴染お~い久馬!のおどおどしたおっさんぶりに、彼を監視するおいでやす小田の、テレビとは違った押さえた演技。押さえているからおそ、ところどころおかしさがにじみ出てくる。まさかこの人が、あの時自分の後ろにいた人が去年のM1グランプリのファイナリストになるとは思わなかった。

 ファンタジーといえばそうだが、派手さはなく、淡々と物語は進む。幼馴染が最後にやりたかったこと、伝えたいことをヒロインの残す。そして、最後の高野祐衣のダンスが、全てを昇華させてくれる、ような気がした。言葉ではなく行動で見せたのだ、踊ることで、今はなき幼馴染に応えたのだ。清々しいラスト。

 で、みなみ会館のシーン。赤い床、防音壁、ロビーの本棚。ちらちらと見える懐かしい風景。そして、映っていたよ、ピント合ってなかったけど、ぼんやりと映ってた! 映画のスクリーンに映る自分を客席で見るという不思議な体験。そしてエンドロールに名前が出ていた! まさか出るとは思っていなかったので、びっくりした。いや、エキストラで出たことよりも、今はなきみなみ会館が映っていた事の方が嬉しかったりもした。もうあの頃のみなみでこの映画を見ることはかなわない、そう思と少し寂しい気もしましたが。そんな、地域初のちょっといい映画でした。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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