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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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『年末年始、まあいいっすよ、予定ないし』と言ったら普通のシフトになっていたので、だいたい二日に一回の割合で夜勤に行くことになってしまった、仕方ない。今年は職場で紅白を見なくて済むのがせめてもの救いか。しかし、こんな時に母親が胆石で入院してしまったからちょっとバタバタ。子供らの食事を用意しないと、今更有休をお願いしたけど、元の木阿弥でございました。

 そんな中、気になる映画が一本。まあ、年明けに見に行けばいいかと思ったら、なんと年内いっぱいの上映、たった2週間のロードショー。こりゃいかん、とクリスマスの日に近所のシネコンに飛び込んだのです。

『ビルとテッドの時空旅行・音楽で世界を救え!』はあの『ビルとテッド』の30年ぶりの続編。主演のキアヌリーブスなんて、ヒョロヒョロのバカだったのに、スピード、マトリックス、ジョン・ウィックを経て大スターになってしまった。そんな彼が再びバカを演じられるのか? できました。50近くにもなって無職で、いまだに売れないロックバカ。しかも妻子のある身というクズなキャラ。両手を広げ半身を開けるポージングは何時でも『わーお』と言ったりエアギターできるための構え。そんな彼らが文字通り世界を救う究極の一曲を作るために、再びのび太的発想で時空を旅行する。

 今回は彼らの娘たちもキーマンになっていて、以前の彼らの役割を担ってるのが目新しい。人間年を取ると自然と若手にその立場を譲っていくものなのだ。バカでおもろい映画だけど、音楽が世界中を、全時空を一つにまとめるクライマックスは感動的である。まるでマクロスか、いやみんなが手に手に楽器を取って演奏し、その絶頂感が涙を誘うのは『ジャズ大名』に近いかも。
年の瀬のバタバタ、いらいらした感情を吹き飛ばす、最高にハッピーな作品でした。


 そして恒例みなみ会館京都怪獣映画祭。今年はオールナイトができないので、年末年始に分けてのデイ・イベント。まず年末の前半戦は『長編怪獣映画ウルトラマン』『ガス人間第一号』の変身する人間特集。



『ウルトラマン』は来年の55周年、そして『シン・ウルトラマン』を控えての上映。冒頭にウルトラシリーズダイジェストと、特撮のDNA展の紹介ビデオありでお腹いっぱい。そういや、朝にウルトラマンZをやっていたので、最新作とその原点を同じ日に見たことになる。『キングコングの逆襲』と同時上映だった作品で、ベムラー、レッドキング、ゴモラの前後編と4つのエピソードを75分に収めるウルトラ編集っぷりがテンポよく話が進み、心地よい。改めて見ると、多々良島とジョンスン島でスフランが連投していたな、とか怪獣殿下はうざいな、とか、阪神大学の中谷教授は真顔でおかしなことを言う人だな、とか。そして劇場映画に引けを取らない大特撮。レッドキングの怪獣バトルも迫力満点。ゴモラの大阪蹂躙シーンは先月見た『ゴジラの逆襲』にも負けていないはず。しかし、尻尾切られて、鼻と頭部の角おられて殺されるゴモラはかわいそうだ。この後剥製にされて万博に展示されるそうだけど、一体どこの業者が請け負って、内臓をどう処分したのかが気になる。大阪湾に不法投棄されるゴモラのはらわた、とか、そっちも気になり、二次創作的意欲がほんの少し頭を出す。




 『ガス人間第一号』はSF映画、というよりもメロドラマの傑作。『美女と野獣』的なものだと思って新聞の記事を書いてしまったけど、相手がガス人間だろう銀行強盗だろうと、ヒロインの心は揺るがない両想いの状態だった。冒頭、ガス人間を追う警官たちが踏み込んだ、日本舞踊の家元、藤千代の屋敷。そこにちらちらとまう光の玉。何かと思えば蛍だった。まるでこれから起こる悲劇を誘うともしびのような演出。

 昔は変身人間ものって怪獣じゃないからと敬遠がちだったけど、大人になってわかるその渋さと情愛の深さ、そして藤千代役の八千草薫の美しさ。変身しても変心はしないのだ、彼女自身も零落した身であり、大きな屋敷に爺やと二人暮らしというどこか浮世離れした美人である。既に彼女も異形の者であり、クライマックスで彼女が鬼となって舞うのはその心をも表していたのかもしれない。ガス人間をも凌駕する鬼なのだ。異形の者同士が結ばれるのはこの世では難しい。鬼の舞う背景に藤の花、やはり鬼はあの花が苦手だったのか、とふととある漫画を思い出した。

 ガス人間がいる以上、自分の罪を彼に擦り付ける便乗被害者が続出、彼を殺すことで二次被害を食い止める手はないという警察の非情な判断。ガス人間に便乗するもの、それを殺すもの、みんな鬼なのだ。



 前回の『ブルークリスマス』同様、どよんとした気持ちで映画館を後にする。そして来週、年明けは新年にふさわしい『キングコング対ゴジラ』『小さき勇者たちガメラ』のゴジラ&ガメラ
の二本立てなのです。
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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