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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 とある大手シネコンが値上げをするというニュースがネット上で話題になった。しかし思い返せば、一部のミニシアターで見る以外は、普通に大人料金払ってみたことなんかほとんどない。何も非合法な手段を使ってる、という事ではない。金券屋や前売り、各シネコンのサービスデーを狙って安く見てきたから。だから、値上げされてもうまくすればお安く映画は見れるのである。ポイント溜まれば無料で見れるし。ただ、家の近所には件の値上げ予定のシネコンしかないので、近所で見る時はマメにチケット買った方がいいかな、とか思ったり。



 
 そんなシネコンのサービスデーを有効活用しないと、と昨日はMOVIXデーだったので、会議終わりに八尾で『スパイダーマン・スパイダーバース』を見る。前回に続き、アメコミ映画再び。



 ご存知スパイダーマンの映画をCGアニメに、平行世界のスパイダーマンがたくさん集合、スパイダー大戦か? でも東映スパイダーマンは出ない、ぐらいの情報しか仕入れずに見に行ったら、とんでもないことになっていた。CG、実写、アニメ、さらにはカトゥーンまで取り入れた一大動画博覧会! いったいこれ、どうやって撮ってるの? と思う間もなく目まぐるしくスピーディーにユーモアを交えつつもストーリーは進んで行く。



 ただ動画がすごいだけではない、ヒーロの死と再生、それぞれの世界で孤独に戦ってきたスパイダーマンたちが、お互い共感しあい『もう、一人じゃない』と手を取り合って立ち上がる様子を丁寧に描いている。ご存知ものとヒーロー誕生の瞬間を描いた、一本で二度おいしい構成。



 劇中何度も繰り返される『OK。じゃあもう一度説明しよう……』で始まるスパイダーマン誕生のいきさつが、単なる繰り返しギャグから徐々に深みを帯びて、新スパイダーマン誕生への橋渡しになるのはお見事! と思った。 



 あと、悪役キングピンは映画『デアデビル』でしか知らなかったから、別作品の悪者がラスボスという展開がちょっと嬉しかったり(『ウルトラ六兄弟VS怪獣軍団』にミラーマンの怪獣ダストパンが出てきたようなお得感、という分かりにくい例え)、ペニーパーカーはヒラメちゃんに似てるんじゃない? と思ったり。



 孤独だけどヒーローは一人じゃない、そして滅びない、そしてあなたも……動画の大洪水のようなにぎやかさの中からそんなメッセージを受け取った気がする。自分もまだ、何かできるやろか?


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 先日のこと。夜勤仕事終わりで帰宅すると、留守中に子供らが鍵をかけて出ていった。しかもそんなときに限って鍵を持って出なかったので、入れない。合い鍵を持ってる両親も外出中。困った、『ペリーヌ物語』でも見て一休みしたかったのに。それにトイレに行きたくなってきた。この上はトイレ借りにコンビニに行くついでに職場にとんぼ返りするか。しかしまだ仕事まで、映画一本ぐらい時間がある。なら映画に行こうと『キャプテン・マーベル』へ。



 昨年の『アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー』でその存在が明らかになり、来月公開の『エンドゲーム』で逆転のカギを握ってるとされるヒーローの誕生編である。



 1990年代。ある任務を受けて一人の宇宙人が地球に落ちてくる。しかしそれは……。油断できないストーリー展開。主人公のヴァース(キャロル・ダンヴァース)も、自分が誰かわからないまま、宇宙の平和のために働いてる。だが、地球に落ちてから次々と明らかになる真実。『私は誰?お前は誰?』な感じで、全編に於いて『人を見かけで信用してはいけない』というテーマがちらつく。敵かと思いきや、○○かと思いきや……。油断のできない構成、そしてクライマックスで、何もかもすっきりしたキャロルが大暴れ。



 仏頂面のキャロルがとにかくぶん殴る様がよく似合う。時に光線を出す、飛ぶ。お転婆、という言葉を久々に見たが、どちらかといえば宇宙スケバン、スペースズベ公である。


『アベンジャーズ』結成前、まだアイアンマンもいない、キャプテンアメリカは氷の中にいる頃のお話、アベンジャーズ創設者、ニックフューリーの秘密(あれのあれはしょうもない理由だった)や後の映画に繋がるネタもごろごろしてるし、見ていて『なるほど、そうか……』と頷くことも多い、アメコミ答え合わせ映画。






 女性への偏見がまだ残っていた時代、宇宙に出れば『そんなこと関係ねえ』と飛びまわり、光線をぶっぱなすキャロル。来月の活躍も楽しみであります。まるで大金をつぎ込んだ連続活劇のテイストが味わえます。





 前売りでもらったカードにあった猫の謎もばっちりわかりました。あいつ、無茶苦茶重要なキャラでした。お茶の間に宇宙人がいて、宇宙人の船に地球のアイテムがごろごろする、どこか藤子不二雄のSF漫画のテイストもかすかに感じ取りました。



 ワンダーウーマンも、キャプテン・マーベルもとりあえず、ぶん殴る。いいぞぉ。しかし、マーベル社のキャプテン・マーベルって日本でいえば少年マガジンの『マガジン隊長』みたいなもんなんですかね。原作・梶原一騎あたり。



 宇宙ではヘルメットに鬣をつけるのが流行なんですかね。金星のヘルさんもやってた。


ちょっぴり下膨れ気味のキャロルがヘルメット被ると、ガンバロンに見えますな。

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 働いていない時は、家で映画か、外で映画を見る毎日。昨日はメンズデーだったので、MOVIX堺で『運び屋』を見る。最近は監督業に専念しておりましたが、クリント・イーストウッド久々の映画出演。中学の時、父の持ってた『夕陽のガンマン』のシングルレコードからマカロニ、そしてダーティハリーはじめ数々のアクション映画に触れた身としては、見ないわけにはいかない。



 お話は実在した90歳の麻薬の運び屋をモデルにしており、最近のイーストウッドさんは実話の映画化が多いなあ、一人でアンビリーバボーやってるなぁ、と思う。




 映画が始まり、すぐにその姿を見せるイーストさん。『うわ、ジジィ!』当たり前だ、もう88歳だ。しかし、こんなに老けていたっけと思うぐらいにシワシワでよぼよぼ。大丈夫なのか、と見ていて心配になってきた。




 ディリリーという珍しい種類の百合を栽培して業界でも有名、みんなからもちやほやされるイーストさんでしたが、時代の波には逆らえず、ネット販売に敗北し、屋敷を差し押さえられてしまう。途方に暮れたイーストさんに、ある筋から『車を運転するだけで稼げる』仕事の話を持ち掛けられる。ただ車を転がすだけでかなりのギャラがもらえる美味しい仕事、しかしそれがヤクの運び屋だと、彼は途中で気づいてしまう。



 暗く重い、犯罪ドラマかと思いきや、イーストさんは実に飄々と、楽しげに役の運び屋を演じている。長距離ドライブで、時に歌ったり、寄り道したり、困ってる人を助けたり。高齢者で無事故無違反というのが組織としても都合がよかった。実にナチュラルな運転で、逆に警察からも疑われない。そんなイーストさんを、お目付け役も快くなく思ってはいたが、若造の忠告、脅しも何のその、イーストさんのマイペースっぷりに、巻き込まれてしまうことになる。




 初めはよぼよぼだったイーストさんも仕事が順調になってからはツヤツヤ、いきいきとし始める。最初は時事だとなめてかかっていた組織のチンピラたちも次第にその実力に敬意を示すようになる。




 ところが一方では麻薬取締局が麻薬組織の一斉摘発に動き出していた。果たしてイーストさんはうまく逃げ切れるのか?




 おかしなことに、アカンこととはわかっていても人間、お金を持つと自信が見る見るついてくるもので、今まで仕事一筋でないがしろにしてきた家族に向き合ったりするようになったり、ついでにコールガール2人を相手にするなど、あっち方面もお盛んになる。
ほぼ絶縁状態になっていた娘役に、実子をキャスティングするところは、イーストさんは主人公に自分自身をだぶらせているのでは、と思う。前回の『岬の兄妹』もそうだけど、アカンことに手を染めた人間がイキイキとし始めると、こっちも応援したくなってくるのですな。




 見ていて愉快な高齢者の違法ドライブ、戦争帰りのタフネスさからなのか、生来のものなのか、相手がチンピラだろうと組織のボスだろうとフランクに語り掛けるフレンドリーな性質。彼は罪ではなく、これまでの家族を放ったらかしにした人生を償いたかったのではないか? そんなことを思うラスト。そしていつものようにカメラがクレーンアップし、ジャジーな曲が流れだす、ああ、イーストウッドだなあ。昔だったらチンピラに鉄拳制裁だな、ヘリを撃ち落としてたな、とか、かつてのイーストウッド映画を思わせる箇所もちらほら。そもそも流れ者役が多かったのだ、馬から車になっても彼は今も家族を持たずにさすらっていた。



 先日見た『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』から続く、レオーネからイーストウッドの旅。世間がどう言おうがこの人の出発点はマカロニなのだ。そんな彼の作品を扱ったドキュメンタリー『サッドヒルを掘り返せ』が近日公開予定。これをもって、この旅も終わる。

 そんな、コカインの運び屋の映画を見た夜、とある俳優がコカイン所持で逮捕というニュースを見る、そんな白い粉の一日。

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 先日のこと。講師を務める専門学校の卒業式と謝恩会があった。卒業式はあれだけど、謝恩会はたくさん飲み食いできるから、それに今年の卒業生はよく頑張っていたから、という理由で出席。慣れないスーツでバイクにまたがり、会場のある梅田へ。ひょっとしたら一生かかっても泊まれないんじゃないか、という高級ホテルの宴会場でたくさん飲んで、食った。飲んだといってもジュースとお茶でしたが。


 その帰り、少し気になる映画があったので、見てみようかと思った。梅田なんてそうそう行く場所ではないし、ましてや映画館も普段いかないような場所なので、ここがチャンスと思ったのですが、上映まで時間がかなりあった、しスーツもさることながら、革靴がきつい。時間つぶしに大阪駅前ビルをウロウロしているだけで、疲れてしまったので断念。ミニシアター系の映画は全部みなみ会館で見てたからなあ、梅田行くよりも京都の方がはるかに遠いけど、そっちに慣れてしまっていた。しかし、この機会を逃すと次はいつ見る? 上映館の数も大阪だと梅田と茨木のみ。週末、いつものように寝屋川に行くのなら、茨木の方が近い、それについでだからハシゴしてやろう、と仕事上がりに茨木のイオンモールへ。
 
 まるで水と油のような2本。いや、どっちも兄妹の映画だ。


『岬の兄妹』は新聞等でその評判を聞いており、内容も何となくは知っていた。どうも障害者の施設で働いているせいなのか、そういった人にスポットが当たる映画は気になってしまう。仕事熱心? いやただの興味本位ですな。


 
 
 知的障害を持つ妹に、足の悪い兄、仕事はリストラされ、バラックのような家で二人暮らし。電気代も家賃も滞り、食べるものにも事欠く始末。そこで兄は妹に売春させることを思いつく。貧困、売春、障害……見たくないもののオンパレード、嫌悪感の宝箱のような映画である。でも見ていて苦しくはなく、時に笑ってしまうような場面に出くわす。アカン人はアカンやろうけど。売春という違法行為に手を染めていくうちに、この兄弟がどんどんとイキイキとしていく。アカンことをしてはじめてこの二人は、社会に入り込むことができるという矛盾。情けない人間の屑のような兄が徐々に頼もしく見えるから不思議だ。生きるために戦う姿には、爽快感すら覚え、二人の暮らしっぷりがよくなるにつれ『よかったねぇ』と思えてくる。



 
 やがて妹は心と体に変調をきたし、兄にも転機が訪れる。もういいや、と思ってあきらめてから好機がやってくるのはたまにある話で、そんな時『先に言えよ!』と叫びたくなる。これは決して異世界の話ではなく、たぶん日本のどこかで起こっている話かもしれないし、自分たちの話なのかもしれない。とにかく心に引っかかる超重喜劇。



 
 知的障害者を演じる和田光沙さんが素晴らしい。見事になり切っている。障害者を演じる際は、バカになればいいというものではなく、言動にちょっとした『ズレ』がないといけない、と思う。そこに自分の世界を持って生きている感じ。それがよく出ていたし、客をとる時はそれにプラス快楽に溺れないといけない。それを見事に表現している。本物、ではないけど『それらしさ』が実によく出ていた。



 
 重くておもろい兄弟の映画を見終わってすぐに、次の映画。いったん劇場を出て、改めて入り口でチケットを見せて広い広いシネコンを走らないといけないのがしんどい。
 
『劇場場ウルトラマンR/B(ルーブ)セレクト!絆のクリスタル』さっきとはまるで世界の違う映画だ。『岬の兄妹』がリアルのウソなら次はウソのリアルだ。
 



 お話はテレビ版の後日談、というのはここ最近のウルトラ映画の定番。あれから一年、みんながそれぞれの道を進んで行くのに対し、何もできない自分は……と悩む湊カツミ(ウルトラマンロッソ)。



そこに謎の超人ウルトラマントレギアによって、ドロップアウトし引きこもりになっていた友人が怪獣スネークダークネスに変えられてしまい……。
 
 
 冒頭、逆立ち状態でビルに突き刺さるウルトラマンロッソ、というインパクトのある画で映画が始まる。一方弟のウルトラマンブルはウルトラマンジードとベムスター、ガンQ相手に交戦中。一体何がどうなった? というところから時間がさかのぼり、物語が進んで行く。



 今回の敵は、怪獣を操ったり時空を移動したりできる謎の超人ウルトラマントレギア。トレギアの手によってカツミの友人も怪獣に変えられる! ダメ人間をモニター越しにそそのかす姿はグリッドマンを思い出させる。



 そしてなぜか別世界のウルトラマン、ジードも召喚、何がしたいのか最後の最後まで謎のままでした。新怪獣スネークダークネスは最初、その真っ白いボディと安直な名前にちょっとがっかりしたけど、劇中でその謎に触れていたので納得。



 怪獣出現、いざ変身、横を見ると知らない男も変身しようとしている、『あ、どうも』な感じで、場所を移動……ヒーロー競演ものの定番を崩した展開も面白い。


  
 ゲストながらも場面をさらうメカゴモラにピグモン軍団。ヒーローよりも怪獣に目が行く身としては、思わぬサプライズ出演な怪獣たちの登場にニヤニヤしてしまう。ピグモン、スーツ3体もあるのか! 


 


 今回の目玉、湊兄弟の末っ子アサヒの変身するウルトラウーマングリージョも、スーツなのに、仮面なのに女子っぽさがにじみ出る動き。ロッソ、ブル、グリージョの三人が合体するウルトラマングルーブの変身シーンは、トリプルファイターなのかな。これがまた、装飾過多なのにスタイルがいい。小顔なんですな。フルCGによる空中戦からの必殺技合戦、と例年通りなんですが、これをいかに変化をつけていくのかが見どころでもあり作り手側にすれば苦労の種かと思います。
 



 短い尺の中にぎっしりと怪獣とヒーロー、それに『ウルトラマンになった者の宿命と卒業』みたいなものが混ざり合って、破綻せずにまとまっている。
 



 入場者のプレゼントのウルトラ自由帳はグリージョでした、ハッピー。
 


 
 日本映画というだけで、全く毛色の違う二本でしたが、どっちも兄妹が体を張って頑張る(特に妹)話であるし、異変を前に絆が深まっていくのも一緒。ミサキとミナトの兄妹でした。
 
 
 それにしてもイオンモールはデカい、駐車場はもっとデカい。


 帰りにクレーンゲームでモササウルスを一発で取れてハッピー。
 

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 見たいものは見れるうちに見ておけ。



 前回の『ロボコップ』に続いて、今回も80年代の映画。新作映画がバカバカ公開されているのに、後ろ向きである。しかし、見たいものは見れるうちに見ておけ、である。


 午前十時の映画祭『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ・ディレクターズカット版』である。まずタイトルが長い。それに上映時間4時間11分と、尺も長い。午前十時に始まったとしても、終わるのは14時過ぎである。その日は午後から仕事、間に合うのか? 間に合わせるさ、と家を出たら……雨だった。仕方ないので車で出発。映画は難波のTOHOシネマズ。近辺に止めるよりも新世界辺りに止めた方がうんと安いし、そこから歩いてもたかが知れてる。雨の中、新世界から日本橋を抜け、ひたすら歩く。




 


 何とか映画館にたどり着いて、時間も間に合った。ここから4時間強の昔々のアメリカのお話が始まる、果たして寝ずに見れるか?




『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』はマカロニウェスタンのパイオニア、セルジオ・レオーネの遺作である。これをスクリーンで見れる日が来ようとは! と最終日ギリギリに滑り込んだ。作品数は6本と少ないながら『荒野の用心棒』がヒットし、『夕陽のガンマン』でマカロニの金字塔を打ち立てたのち、『続夕陽のガンマン』辺りから『ウェスタン』『夕陽のギャングたち』と、徐々にスケールと上映時間がアップしていくレオーネ映画。『ワンス~』も最初見た時は3時間ぐらいだったのが、ソフトが出るたびに尺が伸び、今回は監督の当初の構想通りの編集で4時間11分になったらしい。上映前にその旨がテロップで出ていたが、散逸していたフッテージやテストフィルムを何とか4Kにリマスターしたとのこと。監督が死んでもフィルムは生きているのだ。



 今まで西部開拓時代や南北戦争、メキシコ革命等々、イタリア映画だけどアメリカの歴史を描いたレオーネ監督がついにアメリカに上陸、1920年代から60年代、ニューヨークのユダヤ人の生き様をゆったりとしたテンポと、いつもながらの容赦ない暴力で綴っていく。禁酒法時代のニューヨークの様子を完全再現した美術の豪華さ、そこに生きる人々、エキストラの多さに目を見張る。そんな中に生きる少年たちがいつしかギャングとして成功していくまでをゆったりと描いていく。友情と裏切りというレオーネ節も健在。冒頭、ギャングが何かを探し回っており、それが主人公のことだと徐々に明らかになっていく見せ方も、『ウェスタン』や『続夕陽のガンマン』でも使われていた。なぜ追われているのか? ここで物語は主人公ヌードルスの過去へ、そのまた過去へとさかのぼっていく。





 長尺のギャングものという事で『ゴッドファーザー』と比較されがちだけど、あちらは組織、ファミリーの物語であるのに対し『ワンス~』は個人の物語である。一人のユダヤの悪童の成長と切ない別れ、である。禁酒法時代が終わり、アメリカが新たな一歩を踏み出した時、ギャングもまた過去のものになっていく。ヌードルスの、仲間を想う気持ち、友情から起こした裏切り行為、しかし彼自身もすでに裏切られていた。すべてが明らかになるのには、30年の時間が必要だった。
 

 しかし、長かった。途中で休憩が入るのが3時間を超えたあたり。そこから残りの一時間ちょっとですべて解決するのか? と見ていてハラハラしてしまった。レオーネ映画お約束の一対一の対決もラストにちゃんと用意されているが、派手さはなく、静かに決着がついていく。新たに追加されたシーンは元のフィルムの状態が悪かったせいか、明らかに画質が違うし、『これ、いらんのと違う?』と思うものばかりだった。肝心の部分はぼやかして、とにかく人間ドラマをゆったりと描くのがレオーネの意図だったのだろうか。
 


 4Kで甦る若きジェニファー・コネリーの美しさと、胡散臭いオヤジ世界チャンピオンバート・ヤングの意地汚さ。デニーロはよく腰を振り、体に悪そうなクリームたっぷりのケーキが食べたくなる、そんな映画。しかし長い。でも最後のなにもかもやり切ったデニーロの笑顔とモリコーネの美しい音楽に救われたような気がする。


 レオーネはこのあとスターリングラード攻防戦を描いた映画を製作したかったらしいけど、完成したら5時間越えの超大作ができたんじゃないか、と思う。編集とかそんなことよりもとにかく見たい絵を撮って繋げろ!




 上映が終わると、駆け足で駐車場に戻った。雨はもうやんでいた。昔々アメリカでは仲間のために裏切った男がいたけど、現在大阪の片隅では仕事に追われる男が一人、いたのだ。何とか、間に合いましたが。
  

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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