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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 珍しく連休に休みが取れた、ということで京都へ。



まだまだ続く仁義なき戦いデジタル上映、今回は第三弾『代理戦争』。前作『広島死闘編』が番外編的なニュアンスを持っていたので、今回が第一作からの正当な続編で、主人公広能のその後が描かれる。相変わらずくすぶり続ける広島極道社会、今回はそこに神戸の大手組織も介入して……ということで、談合に次ぐ談合、騙しあいと盃外交、広能たちも幹部、組長に出世したのでアクションは少なくひたすらヤクザ俳優顔芸大会。組織の動きに翻弄される菅原文太、成田三樹夫、山城新伍のズッコケ3人組、相変わらずの狸っぷりを発揮する金子信雄にいつも以上に顔が変形している腰ぎんちゃく田中邦衛、極道世界最弱ではないか? と思われる加藤武の打本組長等々、コワモテの男たちがひたすら誰につくかでもめあう。コメディ色多め。


そんな大人の事情に振り回される若いチンピラの姿もキチンと描かれる。戦争で命を落とすのは決まって若者である。成田三樹夫の世界一潔い身の引き方も素晴らしい。

 デジタルの次もまたデジタル。毎月恒例超大怪獣EX、今回は『ガメラ大怪獣空中決戦4kデジタル復元版』。ガメラ自体はすでにこの枠で2回上映されているが、デジタル版は初めて、ということで見た。クリア画質と、足裏から響いてくるような音響の良さ、まるで25年前の初見時に戻った時のような感覚。何度も見てるのに、この次どうなるのか期待しながら見ている。人を食らい巨大化するギャオスの皮膚感、富士で自衛隊に攻撃されるガメラ、フィルムでは暗くて不鮮明な部分がはっきりと見える。何度見ても東京タワー破壊からクライマックスの流れは興奮するものがある。これぞ怪獣映画、これが怪獣映画だ、という作り手の自信に満ちた絵作り。公開当時『見たかった怪獣映画』『理想の怪獣映画』等々絶賛されていたが、自分がこの映画に惹かれたのは個人的に『気持ちのいい画(え)』が連続しているからなんだ、と25年目に気づいた。それと思ったよりテンポよくストーリーが進んでいた。
 その翌日。野暮用が早く終わった。今なら間に合う、と再び京都へ。時間が合わずに諦めていたニュージーランド産のホラー映画『ブラックシープ』へ。



遺伝子操作された羊が人間を喰う! 羊に噛まれた人間もまた羊になる! 牧場を埋め尽くす凶悪羊軍団に立ち向かうのは羊恐怖症男と環境活動家の女に、肉料理好きのおばあさん。サメでも熊でもなく、ニュージーランド名物の、あのおとなしそうな羊がを襲うという意外性。かわいい羊も群れでやってくると恐怖に変わる、自分も昔六甲山牧場で同じ目に遭った。羊に囲まれて身動きが取れない、臭いし、毛が固い! 動物パニックものに感染系ゾンビもの、それにモンスター映画も混ぜ込んで、血と臓物で煮込んだ新西蘭羊鍋映画。そういえば、ニュージーランドの巨匠、ピータージャクソンの『ブレインデッド』も、馬鹿みたいに血が出る感染系ゾンビ映画だった。それを意識しているのか、ニュージーランドの映画人は血と臓物が好きなのか? ラストの小学生が考えたような決着のつけ方もくだらなくて素晴らしい。
 ヤクザ、亀、羊と、せわしなく動き回る動物たちを見た週末、連休でした。

そして来月、みなみ会館再開1周年もカメ!

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今週も仕事明けにバイクで京都へ。『仁義なき戦い広島死闘編』である。シリーズ2作目にして最高傑作ともうたわれてますが、これ、ちゃんと見ると、主演の菅原文太がほとんど動かない、実質北大路欣也が主演の映画なんですな。一作目と同じく闇市から始まり、前作の主人公、広能と同じく諍いから組織に拾われ、義のため、女のために走る男、山中の物語。結局、彼らのやってきたことは大人(組織)の利益になることばかりで、彼もまたコマの一つに過ぎなかった。


 敵対する組織への私怨も含め淡々と殺人を重ねる山中、一方欲望を暴力で解決する異端のヤクザ、ヤクザ以外に仕事がなさそうな暴力大将、大友。この対照的な二人を軸に話はどんどん転がり、抗争が再び勃発する。

 本来の主人公、広能が登場するのは中盤近く、続編にして番外編的なポジション。広能も親分になってはいるけど、ヤクザ世界の理不尽さには苦そうな顔をしている、前回と変わらないスタンス。

 クライマックスで、雨の中警察に囲まれた山中が空き家に隠れ、自死を決意するまでをギリギリの光量で撮影しているのが、今回のデジタル化によって鮮明に。それでもざらざらした画質は変わらず、かえって生々しさが増していた。


 殺伐とした中に、いるだけでもおかしい千葉真一の大友、そして眼帯付けた山城新伍。梶芽衣子は世界一割烹着が似合う人だと思った。 

 今回は2階スクリーンでの鑑賞だったが、デン、と飾られた『頂上作戦』のB全ポスターが目を引いた。そして多分来週、というか今週中にまた京都に行くでしょう。

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7月も終わるのに、まだ梅雨っぽく、雨が降ってるかどんよりした天気が続いています。
そんな中『後がないんじゃ』と、朝からバイク飛ばして京都へ。『仁義なき戦い』一挙上映の第一弾の最終日に何とか間に合いました。




 ロビーは新世界東映から借りてきた本物ポスターがずらり。場内ではあの津島サウンドが鳴り響き、何度も見た映画なんだけど、期待せざるを得ません。




 終戦後の広島ヤクザの抗争を描いたこのシリーズ、だれもが最初からヤクザではなかった。闇市で暴れまわっていた若者たちが狡猾な大人たちに束ねられ、そして捨て駒のように働かされ、しまいには仲間内で殺しあっていく。友情と裏切りと謀略が交錯する血にまみれた大河ドラマ。主演の菅原文太も最初は朴訥とした復員兵で、食堂で好きなレコードをまわすDJプレイを披露する若者だったのに、いつしか巨大な暴力の渦に飲まれていく。堅気だったころ、友人の敵討ちとはいえ躊躇なく殺人を犯せたのは、彼が戦場で数々の修羅場を潜り抜けてきたからだろうか。戦争で、生死の境をさまよったものにとっては、暴力団はうってつけの住処だったのかもしれない。デジタル復元された綺麗な画面に映える汚い人間群像。まじめな奴ほど損をして、大きくなればなるほど、己の欲望のために仲間を売ることも殺すことも厭わなくなっていく。



 鑑賞後、ここは本当は新世界東映なんじゃないか? と錯覚してしまった。そして鑑賞者にはもれなくスタンプカードがもらえる。こんなものもらったら、毎週京都に通うしかない。

 そして翌日。霧雨振る中、今度は難波で『ドラゴンへの道』を。これまた実録やくざ映画とともに人気を博した香港カンフー映画の傑作。もちろん4k。

 ブルースリー監督ということもあってか、全体的に明るいトーン、いつも以上にコミカルなリーさん。大げさなジェスチャーも健在。でもやるときはやる、ローマの中華料理屋を守るためにリーさんがマフィアと戦う! 店に嫌がらせにやってくるマフィアの数が増えれば、リーさんもカンフーからヌンチャク、そしてヌンチャクとレベルアップ。銃を持った相手に有効な手製ダーツも地味だけど、リーさんをきちんとアシストしてくれる。

 そしてこの映画では、リーさんを圧倒する強敵が登場するのもうれしい、敵は強ければ強いほど燃えるのです。リーさんの活躍に頭を痛めたマフィアが呼んだのは空手の達人たち! 日本人空手家長谷平、ボブにクーダ! アクションものは敵が強ければ強いほどいい、前2作の工場長や鈴木も強かった。でも今回は対リーさんとして呼ばれた手練れ中の手練れだ! ボブも強い、負けはするけど、リーさんをいいところまで追い込む。今回は英語版なので長谷平の『お前がタンロンか?』という珍妙な日本語はなくて残念。そしてクーダことチャックノリスとのコロシアムの決闘である。何度も見たけど、今見ても凄い。戦う前にお互い準備運動、そして野良猫の『ニャー!(4kでも人間の声に聞こえる)』で戦闘開始! 強者は目を見ただけでも相手の力量がわかる、まさに武人同士の激突。はじめは押され気味のリーさん、途中からボクシングのフットワークを生かした戦法で形勢逆転。ふらふらになり、右手を痙攣させながらも戦う意思を見せるかのようににやり、と笑うチャックノリス。それに対して『やめろ』と首を振るリーさん。それでも襲い掛かるチャックをフロントチョークスリーパーで仕留めるリーさん。もはやこれまでと悟った捨て身のチャックを介錯してあげたのだ、と解釈。遺体にそっと彼のカラテ着をかぶせ、切ない顔をするリーさん。まさに武人である。



 今回は日本初公開バージョンということで、日本語テロップ&主題歌が流れる、初めて見るバージョンでした。もっとリーさん演出のコミカルかつ熱い映画が見て見たい、でもドラゴン復活祭はあと一本。たぶんそれも見るでしょう、そしてまた京都にも……やくざ映画とカラテ映画、まるで70年代に戻ったようです、生まれてないけど。

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月曜日に弟子の映画、木曜日に師匠の映画と来て、再び弟子の映画。あいにくの雨でしたが、何とか晴れ間を狙い、出勤前にバイクで難波へ。今回は『ドラゴン怒りの鉄拳』4k版です。20数年前、ブルースリーがファッション化し、ちょっとしたブームが起こった際、彼の作品も続々とリバイバル公開されたけど、これはやってなかったはず。ということは劇場で見る初めての怒りの鉄拳、ということになる。



 20世紀初頭の上海、師匠を殺された青年が憎き日本道場へ復讐を果たす……というお話はよく知られているので割愛。今回は以前にもまして画面が綺麗、セットでライトをガンガン充てていたからか、くっきりはっきりと見える。でも音響はややノイジー、それがまたフィルム上映を思い出さしてくれる。

 続けて見たのでよくわかるけど、前作の大ヒットでリーさん自身もかなり自信がついたのではないか、と思った。芝居のぎこちなさも取れ、表情も豊か、ヒロインとのラブシーンも演じる。一方アクションもお馴染のヌンチャクと怪鳥音が登場。間合いを取っての素早い攻撃も切れ味が増してきた、ように思える。日本人武道家たちに対し、まさに怒りの鉄拳、狂気に近い感情を拳に込めて叩き込み、電柱に吊るす。狂気を秘めた復讐劇なんだけど、新聞売り、人力車夫、電話工事技師と、変装も披露してくれるので、どこか余裕があるのでは、と思う。その余裕というのはリーさん自身のもので、それが次回作での初監督作品にもつながるのだ、と勝手に思った。

 ロシア人柔道家ボブ・ベイカーという好敵手も登場。前作はいくら武術の達人とはいえ、工場の社長やったし。主人公と同格かそれ以上の実力の相手と戦うのはやっぱり盛り上がるものです。柔道の寝技も駆使して行われる、総合格闘技の先駆けのような攻防、そして宿敵鈴木にはみなみ会館でもお会いした橋本力さん。その眼力も4kでパワーアップ、大映仕込みの剣技でリーさんと戦います、刀を振り上げた姿はまさに大魔神逆襲。

 悪党は退治するものの前作に続き、後味の悪い結末。それがまたヒロイックに見えるのかもしれません。

 来週は『ドラゴンへの道』。そして京都で『仁義なき戦い』。70年代名画巡りはまだまだ続くのでした。

 

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昨日は京都みなみ会館で『イップ・マン完結』を。前回、雨の中『ドラゴン危機一発』を見て、今回も雨の中車を飛ばして京都へ。大阪は土砂降りだったけど、京都につくと、雨も止んでどんよりと曇っていました。しかし、弟子と師匠の映画が同時期に見れるってすごいことだなあ。ブルースリーの師匠、詠春拳の使い手イップマンの人生と活躍を描くこのシリーズのいよいよ完結。


 今回は子供の留学話が持ち上がったので現地視察と、弟子のリーに誘われてサンフランシスコへ。留学にはチャイナタウンにある中華総会の許可状が必要。しかし、居並ぶ師匠連中はリーガ外国人にカンフーを教えているのを快く思っていない。そこで拳と拳、心と心の対話が生まれるのだ! このシリーズ、毎回武術で決着をつけるだけでなく、相手のバックボーンも丁寧に描かれているのでドラマとしても秀逸なんですな。武術は抜群でも子育てはぎこちないイップさんと息子の交流も描かれます。 

 そしてシリーズ恒例の外国人枠、とにかく偉そうで強い白人にはスコット・アドキンス。極天空手を使い、カンフーマスターたちを撲滅せんとするいやな奴ですが、とにかく強い。イップさんはいつも『ここぞ』とばかりに登場するからそう快感が倍増するんです、今回も『ここぞ』という場面で登場、待ってました、と心の中で拍手を送ってしまうのです。


 手わざが多く、まず防御から入り、敵の懐に入る詠春拳、華麗な手さばきの合間に時折エグイ技をぶち込んでくるのが特徴。そしておなじみのポコポコと繰り出される速射砲パンチも健在。あれは見ていてとても心地よいものがあります。

 イップさんの弟子、ブルースリーも大活躍。動く名場面集とばかりに未来、スクリーンで見せるであろう技や動き、そしてヌンチャクを惜しげもなく披露。

 シリーズの締めくくりにふさわしいラストシーンには、思わずグッとくるものがあります。カンフー映画なのに、いやカンフー映画だからかも。


 そして、昼食をとって再びみなみへ。その日で上映終了の『ムルゲ・王宮の怪物』を。こちらは韓国製の王宮を舞台にしたサスペンス、と最初は思っていました。ポスターにクマみたいな怪獣の姿が映ってはいるけど、添え物的なものでしょ、と最初は思ってました。


 16世紀の韓国。王政がぐらつきだしたころ、山に怪獣が出る、との噂がでる。王に頼まれたかつての武人とその部下は討伐隊を率いて山に入るが……。『いなかった、でもいた!』であります。

 怪獣の正体は王位を狙う謀反一派の流したデマだった……と思ったら、谷底から本当に現れた! クマやヒヒが混ざった、黒い狛犬のような怪物ムルゲ! 前半で『本当にいるのかな?』と思わせて後半で『いました!』と怪物大暴れ! 迎え撃つ軍人たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、最後には怪獣らしくランドマーク(王城)に出現、城門のてっぺんで吠えたりと、怪獣映画のツボを外しておりません。民衆の不満を現政権にぶつけるクーデターのつもりが、本物怪獣の出現で無茶苦茶にされ……。いうなれば白土三平が描いた怪獣漫画、とでもいうか、大魔神にお父さん大活躍のGMKを足したような内容というか。


 怪獣の正体は珍獣好きの前国王が城の地下で作り上げた新生物という発想が面白い。モンスター博士が作ったジラースみたい。それが疫病患者を食べたために凶暴化したという設定。これだけキャラが立ってるんだからかっこいい名前でも付けてあげればよかったのに。ムルゲ(怪物の意味)だけだと何となく物足りない。

 百聞は一見に如かず、スルーしなくてよかった。チャンバラの見せ場もふんだんにある怪獣時代劇の快作でした。

 カンフーと怪獣、勝手にアジア映画祭な一日でした
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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