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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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ここ最近見た映画のこと。

 「スタント・ウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」。



 タイトル通り、ハリウッドで活躍するスタントウーマンの姿をサイレント時代から追うドキュメント。性別、人種との壁にも負けずに戦ってきた彼女たちは美しくかっこいい。映画の見方がまた変わりそうな一本。一口にスタントといってもアクションだけじゃない、代役を務める俳優の動き、癖、体格をも真似ないといけない。影武者も大変である。顔が見えないスターたち。でも彼女たちはその仕事に自信をもって挑み、飛んで跳ねて、火だるまになる。事故で亡くなった仲間を思い、涙し、スタントがうまくいけばガハハハと笑う。個人的には1933年「キング・コング」の1シーンがちらりと映っただけでも大収穫である。令和3年、シネコンのスクリーンに映ったオブライエン特撮。

 そんな彼女たちの奮闘をよそに「ロボコップの女性スタントはうまくなかったねー。男のアクション監督使ったよー」と言い切るバーホーベンもまた、彼らしい。
 
 その日ポイント鑑賞したのだが、よく見れば、ポイントの失効日が間近だった。どうするよ? このままポイントパーにするか、いっそギリギリにポイント鑑賞してしまおおうか? その間に有料で鑑賞すると失効期限が半年延びる。さて……。で、その翌々日、夜勤明けの朝イチ、ぎりぎり、まさに失効日その日に飛び込んだMOVIX堺。メンズデイ料金で「劇場版鬼滅の刃・無限列車編」を見る。ポイントを生かすために現金を投入するという、どこか矛盾したやり方。 



 
 興収300億、日本映画ナンバー1「鬼滅の刃」である、これまでアニメ版を見てきたので、なんとなく内容は理解できる。が、本当にテレビ版の続きで始まり、後々のアニメに続きそうな終わり方だった。劇場版だからといって特別何かをするでもない、原作に忠実にアニメにしただけ。これが大ヒットしたのは、元々の人気もあるだろうけど、コロナ禍のこの状況が後押ししたのではないかな、とも思う。

 列車に乗り込んだ乗客を食らいつくす鬼VS竈門炭次郎をはじめとする鬼殺隊の攻防。そこ飲み、一点に絞って描かれるシンプルな構成、テレビ版同様アクションシーンのクオリティ、実写を取り込んだ美術はスクリーンでも見ごたえあるものだった。そして今回のゲスト的ポジションの炎柱・煉獄杏寿郎がすべてをかっさらう。ぐるぐる目玉の眼力が、そのキャラクターがそうさせるのか、観客も炭次郎たちも彼に魅了されるのである。彼の活躍と最後を描くことで話は大きく銛があるが、列車を舞台に下作戦遂行物、モンスター物の要素もある、実に贅沢な内容。まっすぐな性格の炭次郎が家族との思いを断ち切って敵に挑む姿はついお応援してしまいそうになる。

 公開から4か月、それでも劇場にはすすり泣く声がした。


 その翌日。「スタント・ウーマン」で顔の見えないスター、そして「鬼滅の刃」でちゃんばらを見て、今度はその両方が混ざった「太秦ライムライト」を京都みなみ会館で。



 切られ続けて5万回、日本一の切られ役福本清三氏の唯一の主演作品であり、また今回は氏の追悼上映でもある。


 時代劇が衰退する中、役を失い、映画村でのチャンバラショーに転じたベテランの切られ役。そんな彼を慕う若手女優はその元で殺陣を習い、いつしか大女優へ。そしてまた、大型時代劇の現場へ。

 チャップリンの『ライムライト』を下敷きに、置いて去りゆくものと新しい時代を開いていくものの姿を京都太秦を舞台に描く。
 
 主演だけど台詞が少ない福本氏、その鋭い眼光と太刀さばきがすべてを物語っている。言葉はいらない。

 東映だけど東映じゃない撮影所、松方弘樹だけど、松方弘樹じゃない二世チャンバラスター。ちょっと混乱しそうになるけど、あくまでもフィクション、いやでも現在の時代劇が衰退した状を見ると、限りなく現実に近い。東京からやって来た分かってない監督に、チャラい若手人気俳優、ねじの緩んでそうな女優とステレオタイプなキャラを混ぜつつ、何とか時代劇の灯を消さないとするも、うまくいかず。古きものは去り、そして新たな時代劇の伊吹が芽生えそうな気配を感じさせ、映画は終わる。クライマックスは久々に大立ち回りに挑む松方弘樹VS福本清三、そして山本千尋。演出するのは中島貞夫監督。松方氏と中島監督ががっちり握手をするシーンで、あぁ、もうこの組み合わせは見れないのだな、と思うと寂しくなってきた。「ウルトラマンジード」でもおなじみ山本さんのアクションセンスは抜群であり、わざと下手くそに振舞う方が難しそうに見えた。


 古きものと新しきものの対比と悲哀、ということで「ライムライト」とともに、旧みなみ会館最後の上映作品「イリュージョニスト」も思い出す、時代劇、チャンバラの挽歌のような作品。また映画村行ってみよう。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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