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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 そうです、引っ越ししたのです。色々あって(何があったのかはどこかで発表したいぐらいに色々ありました)、一戸建てから団地へ。家財道具はほとんどないけど、あふれるばかりの本&DVD&おもちゃたち! 選別しても尋常ではない量である。これが果たして3DKに入るのか? 引っ越し予定日から逆算し、コツコツと荷造りし、その間超大R『怪談雪女郎』『白夫人の妖恋』へ。日中の民話、昔話をベースに特撮で彩られたドラマ二本立て。



『雪女郎』はご存じ『雪女』のお話をストレートに映像化。同じ題材では小林正樹監督の『怪談』もあるけど、こちらは大映のスタッフが作り上げたファンタジー時代劇。大映時代劇特有の空気感、セットの重厚さはそのままに、怪談というより悲恋物語。滑るように雪山を移動する雪女の妖怪演出が怖い。


 『白夫人』は白蛇の化身が人間に恋をして……こちらも人とと人ならざる者の悲恋を描いた作品。クライマックスで展開される円谷特撮がもちろん、このプログラム的にはキモなんですが、カラッとしたイーストマンカラーで描かれる宋時代のセットの絢爛っぷりやクズな池部良、おきゃんな八千草薫が見ていて楽しい。


 

 そして引っ越し当日。屈強な運送業のお兄さんのプロフェッショナルな仕事ぶりに作業は予定より早く終了。そしてそのあとはひたすら本を本棚に詰め、おもちゃを押し入れに詰める作業が待っていた。自宅に実家、そして物置小屋にあったあれこれが一堂に会するのはやっていて楽しかった。もちろん、失ったもの多いし、あとで気づいて『しまった!』となったものも多い。
 すっかり片付いた新居はとても居心地がいい。自分のすべてがギュッと縮まった感じがする。本当はじっくり時間をかけて整理するはずだったが、そんなことするとすぐにだらけてしまうのが目に見えてわかっていたので、やれるうちにさっさとやってしまった。団地で生まれた自分がまた団地に帰ってきた。団地も悪くない、駅から近いし、何かと便利なのだ。今のところは。
 ひと段落したので、引っ越し準備中は鳴りを潜めていた物欲がむくむくと起き上がってきた。まずは映画だ。今週いっぱいで終わる『コマンドー』を見ないと。中学時代、『バタリアン』と二本立てで、若者でごった返す中で見て以来、33年ぶりに映画館で見るコマンドーである。しかも4k日本語吹き替え版だ。



 派手なアクションが売りだがベトナム帰還兵の苦悩やアメリカの抱える闇を少なからず描いた『ランボー』から『筋肉がドンパチやる』という面白い部分だけを抜き取って作ったような映画だ。それはアメリカの西部劇と、マカロニウエスタンの関係にも似ている。4k画像で画面いっぱいに映し出される大胸筋、そしてその産毛! テレビ吹替が秀逸すぎて再ブーム、ネタ映画化してしまったが、その荒唐無稽さは変わらない。どんな些細な台詞も明言に聞こえてしまうのも、ネット社会の弊害だともいえるが、もともとおもろい映画なのだ。しかし、公開時のアリッサ・ミラノ人気や今回の吹き替え版上映等々、『コマンドー』は日本限定で異様な人気を持つ映画だ。




 そしてその翌日、新作映画を見ようと『シティーハンターTHE MOVIE史上最香のミッション』を。あの日本の漫画をまさかのフランスで実写映画化! とはいえこれも原作は80年代だった。アニメ版も原作版もろくに見ておらず、がっつり見たのはあのジャッキーチェン版だけ、というシティーハンターには全く疎いのだが、自ら映画化権を獲得した主演兼監督のフィリップラショーの原作愛は見ていてひしひしと伝わってくる。冒頭の『チンポの上にコルトパイソン』これでこの映画は大丈夫だと確信した。フランスのコメディはぬるく、そしてエロい。コンプライアンスうるさいアメリカではやれないことをいまだにできる、と勝手に思っている。そのぬるさとエロさが、スケベで腕の立つ始末屋が活躍するシティーハンターにぴったりはまっていた。しかしドストレートに映像化すると冴羽獠がただの銃持った色情狂になってしまうかもしれない、そこをうまく捻りをきかせた構成が見事。アクションも派手だし、多分おそらく、細かいところまで原作リスペクトしているのが読んでもなくてもわかるぐらいに愛に溢れている一本だった。


 以上、引っ越し準備から今日までのあれこれを駆け足で。今はすっきりと片付いた新居でダラダラしたい。

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なんでその日に限って、高速道路が混むのか? 朝早くから京都に向かったものの、渋滞に捕まってしまった。朝一の映画に間に合わない、焦るけど、安全運転を心がける。後で知ったことだけど、ちょうど紅葉のシーズンで、観光客が多かったとのこと。なんとかようやくたどり着いた京都みなみ会館。もう映画はあきらめようかな。でも、冒頭ちょっとだけ遅れただけだし……気になるものは見ておけ! と『武蔵』を見た。




 ご存じ宮本武蔵のお話。時代劇というジャンルが、映画からもテレビからも少なくなってきた今だからこそ、新規のお客様にこの剣豪のことを知ってもらいたい、と思ったのかどうかは不明だけど、武蔵の生い立ちぎゅっと二時間に凝縮してわかりやすく、そして丁寧に描いた作品。有名な巌流島の対決にスポットを当てるのかと思いきや、吉岡一門から宍戸梅軒、宝蔵院そして佐々木小次郎と、見せ場の数珠繋ぎ、さながら宮本武蔵ファイト! 




 佐々木小次郎に時代劇のベテラン松平健を配し、武蔵よりも年長者にしたのは珍しい、この二人がいかに仕合うことになったのか? という部分が新解釈で描かれる。そして舟島での対決も一工夫。小次郎は単なる美形剣士ではなくなっていた。時代劇が講じて自主製作で『蠢動』を作った監督の二作目。所作や言葉遣いが嘘っぽくなく、かなり研究して脚本を書かれたと思われる。ちょっと説明台詞が多いですけど。調べ上げた上でホラを吹く『それっぽさ』が時代劇には大事な要素と思っているので、数々の新解釈も違和感がない。そして立ち回りはダイナミック。まさにチャンバラ、という感じ。滑り込みで見た甲斐があった。





 チャンバラの後は同じく和風な題材、大仏の映画。大仏が立ち上がり諸国を回る怪獣映画の元祖のリブート『大仏廻国』である。仏像でもなんでも大きなものが動いたら怪獣なんだ! 劇場前には超大Rでおなじみの面々が。この日は舞台挨拶もあるとのこと、平成ガメラシリーズでおなじみの蛍雪次郎さん、主役の米山冬馬さん、横川寛人監督、そしてオリジナル版の聚楽園大仏建設者の子孫守隨亨延さんが登壇。蛍さんは以前京都怪獣映画祭ナイトでみなみ会館を訪れたときの話から、特撮物への熱い思いを語ってくださりました。


 果たして80年前の大仏廻国はフィクションなのか、現実の出来事だったのか、虚実入り混じる内容で、特撮映画ゆかりの俳優さんたちも続々ゲスト出演。そして動き出した大仏は……本当に歩いてるだけだった! 全編読経が流れる奇妙な味わいの映画。でも大仏が歩き回る姿は異様であり、神々しい。先の『武蔵』と合わせ、これまたゴージャスな自主映画なのでした。





 渋滞から始まった長い週末の一日。でもそれだけでは終わらない、実はここからが本題だったのです。




 恒例、超大R、今回は『太平洋の翼』『青島要塞爆撃命令』の戦記特撮二本立て。そして翌日には両作品に出演されたナイスガイ佐藤允さんのご子息であり、学生時代心ときめかせた裕木奈江さん主演『
曖・昧Me』の佐藤闘介監督をゲストに招いてのトークイベントもありで、これは10月の小高恵美映画祭、ゴジラ誕生祭に続く『佐藤允映画祭』といってもいいぐらいのイベント。




 佐藤監督は前日に京都入りし、その日の『太平洋の翼』上映前に軽くご挨拶、そして一緒に映画を鑑賞。思わぬサプライズにどよめく客席。



 太平洋戦争末期の敗戦濃厚な中、それでも紫電改で奮闘する飛行機乗りたちの姿を描く本作品。暗くなりがちな内容だけど、佐藤さんが独立愚連隊のテイストで豪快に活躍、渥美清さんとの軽妙なやり取りも楽しい。だから余計に佐藤さんの最期が悲しく見えてしまうのです。全盛期の円谷特撮によるミニチュア空中戦、爆撃機を俯瞰でとらえた斬新なショット、さらにマット画やアニメーションを積極的に取り入れており、大画面でも気づかないぐらいに細やか。プリントの状態も驚くほど奇麗でした。





 そして翌日。佐藤闘介監督とのトークショー。父、允さんのこと、映画のお話、初めて聞くことも多く、驚くばかり。最後に監督の最新作『地球の、長いお別れ』の特報も。来年公開とのことで、これもみなみ会館で見てみたい、その際はまた来館してほしいと思いました。




 渋滞に始まり、空中戦で終わる、そんな週末。 次回の超大Rまで時間はない、さてあれやこれやをどう乗り切るのか? 



 ロシアアニメーション特集の手書きポップがいい味を出してました。あれやこれやが終わったら見てみたい。

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 先週は誕生日で新世界東映へ。そして今週も新世界。最近の新世界東映は攻めたラインナップが多くて困ってしまうのですよ。



 今回は『忍者武芸帖百地三太夫』『殺人拳2』の千葉真一、真田広之師弟コンビの二本立て。いつからこうしたひねったラインナップを考えるようになったのか、ブレーンが変わったのかな、今までは『まだあるのかよ!』とばかりに任侠映画ばかりだったのに。



 『百地三太夫』は一族を殺された忍びの若者が、成長して秘術を身につけ敵を討つ、という時代劇。いわゆる仇討ちものなんてこの世にはごまんとあるわけですが、この作品の目玉は何と言っても真田広之、80年代のニュースターですよ。かっこいいし、アクションもできるし、歌もうまい。ヒロユキブームで、いつもはおっさんばかりの東映の直営館が女性ファンでいっぱいになったとか、ならないとか。




 『殺人拳』でもおなじみ極真カラテの石橋雅史と野際陽子夫婦に生まれた子供が成長すると真田広之になり、目指す敵は千葉真一というJACファミリー映画。




 とにかくこの頃の真田広之のアクションはキレッキレであり、後ろ回し蹴りが特に美しい。以降のアクションものでも大刀を持たず、小刀等短い得物で戦うのは、彼の体の動きの美しさを見せたいためなんだろうか。一族郎党を滅ぼされ、明国に渡ったという設定で、忍術に加えカンフーも披露するなど、ポストジャッキーチェンを狙った節もあり、のちに『ラッシュアワー3』で共演するとは思ってもみなかった。いやしかし、あの頃では遅かった。




 伏見城天守閣からのダイビングや、ワイヤーアクション、空中サーカスなどアクションも森ダックさん、義賊石川五右衛門が実は五名からなるユニット名だったとか、史実の隙間に大ボラを吹いて納得させる手腕はさすが東映、さすがトラック野郎の鈴木則文監督。時代劇映画が作りにくい状況でも『アイドル映画』という隠れ蓑を使えば、面白いものが作れたのですよ。時代劇アクションであると同時にこれは真田広之のアイドル映画、劇中では主題歌や、珍妙なダンスも披露するし、女性ファンへのサービスなのか、露出も多いよ。惜しむらくは、真田広之はアクション映画で『これ!』という作品がないんですよ、個人的な話ですが。何か一本、これぞ、というものを発表して演技派に転向してもらいたかったな、とは思います。



 そんな真田広之をサポートするのは明国からやってきて女必殺拳を披露する志穂美悦子に、ジャッキー映画の師匠ポジションのような丹波哲郎、そして、木々を渡り、するすると昇降する蜘蛛一族の佐藤允! ガハハと笑って頼もしいことこの上ない。ワイヤー一本で、まさに雲のように動き回るアクションは『スパイダーマン』で培ったノウハウが生かされているのでは、と思います。個人的には先週の『狼やくざ』に続き千葉真一、佐藤允特集なのです。そして週末のみなみ会館超大R『太平洋の翼』『青島要塞爆撃命令』の佐藤允映画祭へと続くのです。




 悪役に扮した千葉真一のふてぶてしくも出世欲に目がくらむ役どころも面白い。自ら作ったと称する凄腕の聾と唖の忍び二人を従え、人間タワー戦法や三位一体の攻撃を仕掛けてくるなど、ユニークなアイデアと戦術で愛弟子のデビュー作に花を添えています。




 そして『殺人拳2』。『カァアーーーコォオー、カッ』という、あの独特の息吹と構えで、千葉真一を全米の人気者に仕立て上げたストリートファイターシリーズ第二弾。相変わらず金次第でどんな汚い仕事を引き受ける空手殺し屋剣琢磨。今回もマフィアの依頼で裏切り者を消したのはいいけど、結局はマフィアと対立し、これを壊滅してしまう。




 東映カラテ映画に出てくる悪い武術家集団はヤクザと一緒で、マフィアはヤクザよりも非情で恐ろしく巨大な組織なのである。本物武術家と片言外国人の玉石混交もまた東映カラテ映画の魅力なのかもしれない。


 
 先月の『ザ・カラテ』シリーズに続き、正武館の鈴木館長も登場。千葉真一とは反目しつつもお互いを信頼しあう間柄、今回は鈴木館長がマフィアに狙われることになってしまい、千葉ちゃんの怒りに火が付いた。



 前回倒したはずの石橋雅史が再登場。千葉ちゃんを後一歩のところまで追い込みますが、千葉ちゃんはパートナーの看病とバナナ一本で見事復活。今回、うとうとしてしまい、『サウナで山城新伍のアドリブに本気で笑ってしまう紅白パンツの千葉ちゃん』を見逃したのは残念。



 ラスト、多分おそらくマフィアのボスだろうガイジンをタンクローリーの上に追い詰め、運転手もろとも爆破! 炎に照らされた千葉ちゃんの不敵な笑顔が印象的です。『やりすぎたかな』と思ってたかもしれませんが。


 
 個人的にはバタバタしている日が続いているのですが、映画館でいる時が一番心落ち着きますね、いやな現実を忘れてしまえるからです。何をそんなにバタバタしているのか、それはまたいずれ。熱い二本を見た後、映画館を出ると、やけに肌寒かった、もうすぐ冬ですな。


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映画『トゥルーロマンス』の主人公のクリスチャンスレイターは、誕生日に映画を見るという設定だった。その日彼は映画館で『殺人拳』1、2と『女必殺拳』という、実に脚本を担当したタランティーノらしい三本立てを見る。そこでとある女性と出会ったことが彼の運命を大きく狂わせていくのだが、それはまた別のお話。とにかく、この映画を見たおかげで、自分も誕生日にはできるだけ映画館で映画を見ようと努めてきた。とはいえ、誕生日以外でも映画見てるけど。





 そして、今年の誕生日はちょうど仕事明け。今日しかない、といつもの新世界東映へ。今回は『日本暴力団・組長』『狼やくざ・殺しは俺がやる』の二本立て。『狼やくざ』は千葉真一主演、ということでちょっとだけ『トゥルーロマンス』に近づいた。しかも来週は『殺人拳2』上映! ナイスタイミングである。
 



『日本暴力団』は東映やくざ路線が任侠から実録に変わっていく中で作られた一本、と思う。手元に資料がないのであくまでも憶測ですが。主演鶴田浩二、どちらかといえば着流しのイメージ、任侠の人である。関西から伸びてきた大勢力と関東勢の争いに巻き込まれる主人公。鶴田浩二は傍観者である。あの愁いを帯びた瞳で、成り行きを見守るしかない。やがて、仲間が、子分たちが敵の手にかかって散っていくのを見て、堪忍袋の緒が切れる。舞台は現代、実際の抗争事件をモデルにしつつも、任侠映画の香りが漂う内容。


 重く、しっとりと、そして鶴田浩二は困ったような、悲しそうな眼をしている。でも、時々、頬の辺りがひくひくと痙攣している。頬で芝居をするスターである。敵対する間柄でありながら、何度殴っても抵抗することなく立ち上がる鶴田の度胸に怖気を奮い、全身で恐怖を表し、やり場のない怒りを子文集にぶつける若山富三郎が見事。冒頭で抗争のあらましを写真とテロップ、ナレーションで説明、構想シーンは手持ちカメラで追いかけるなど、深作欣二監督はこの時すでに『仁義なき戦い』の下地を作っていた。



 続く『狼やくざ』は千葉真一のアクション路線の新展開を狙ったと思われる一本。まだカラテブームが来る前かも。家族を殺し、妹をさらったやくざ組織を追い、壊滅させる復讐鬼の殺し屋。千葉ちゃんのいでたちがジャンゴそっくりなのでマカロニ+やくざといった感じ。サイレンサーにスコープ、ライフルのようなストックをつけた不思議なカスタムガンをもって、やくざたちを始末していく千葉ちゃん。あるときは的に、または味方になるやくざの幹部に佐藤允。ポスターではこの二人がダブル主演となっている。しかし、これまたどこかしっとりとしているし、千葉ちゃんのライバルは他にもいるしで、ちょっとまとまりが悪い。せっかく探し出した妹の扱いもひどかったりする。

 

 ラスト、両手をつぶされ、自由にできない状態で銃をセットし敵を誘い出す千葉ちゃん。『続荒野の用心棒』のまんまでした。やくざだろうが、自動小銃を構える里王誠はかっこいい、さすが元独立愚連隊だけある。色々あって、千葉ちゃんと共闘する際はなぜか迷彩服で、ダンプを乗り回し、敵を追い詰める。来週上映の『忍者武芸帖百地三太夫』にも佐藤、千葉の両名が出演。そして来週末の京都みなみ会館超大R、佐藤允映画祭に繋がっていくのである。だから、見れるときに見ておかないと。そんなことを思いながら、映画を見終わって、ハンバーガーのセットを食べた。来年はどこで何を見るのか、そもそも、どんな生活を送っているのかわからないけど、この習慣はできる限り続けたい、と思う。



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 1985年に第一作公開だから、もう34年前! 期末テストを終えて、居残り授業を受けて、ギリギリ映画館に滑り込んで見た『ターミネーター』から34年(同時上映『ブレードランナー』)? 時間が経つのは早いものです。殺しても殺しても死なない殺し屋というアイデアが面白く、それがまたロボット&タイムスリップもののというSF要素を盛り込んだ傑作B級映画に中学生はすっかり魅了されてしまい、リバイバルがあると見に行き(同時上映『FX引き裂かれたトリック』)、ビデオソフトが出るとダビングして何度も見た。エンドスケルトンのほうが人気だったけど、生身ターミネーターのシュワルツェネッガーがかっこいいと思っていたし、その後『コマンドー』でブレイクしてからはハリウッド筋肉映画ばかりを追っかけていたような気がする。サントラも探しまくってやっと購入。それほど面白い映画だった『ターミネーター』。




 そして7年後、大学生の頃に『2』がやってきた! ジェームズキャメロン監督は『エイリアン2』『アビス』でメジャー監督へ。前作よりもふんだんに予算をつぎ込んだ続編に、期待しないわけがない。いったいどんな映画になるのか? 試写会で一足先に見た、すごかった! 何もかもスケールアップ! 『アビス』で使われた技術を発展させたような液体金属のCG! すごい、すごいぞT2は! キャメロンの『俺、ホンマはコレがやりたかってん』という思いがひしひしと伝わってきた。前作以上に機械と人間の関係性を描き、ラストはぐっとくるものがある。これできれいにターミネーターの物語は終わった。でも、心中では『金かけただけで前作と同じやんけ!』ともう一人の自分が叫んでいた。そう、結局は未来から来た殺し屋ロボットがひたすら追ってくる物語なのである。クライマックスも工場だし、乗り物変えて追っかけてくるし、一緒やんけ! 『1』のリメイク的な要素もあったと思うけど、じゃあどんなT2がよかったのか? しるかい、キャメロンちゃんとせえ! な気持でもあった。同じように『死霊のはらわた』も続編はリメイクの要素があったなぁ。







 すごいし、面白いけど、結局は……そうか、『ターミネーター』とは【鬼ごっこ】なのだ。いかに鬼から逃げるか、そして迎え撃つか、なのだ。だからT1は面白かったし『T2』は同じことしてるようにしか見えなかった






 そして、年月は経ち、忘れたころにターミネーター3が来たけど、劇場では見ず、そしてシュワ不在のT4はスルー。ただ、T3は後でビデオで見てすごく面白かった。次男は保育園から帰ってくると繰り返し見ていた。詰まるところは鬼ごっこである、しかもT2できれいに終わった物語をいかにつなげるのか? 同じ事やるけど、そのままなぞるのでは芸がない。いっそターミネーター誕生の起源まで描くのはどうか? そして、まるで70年代のようなバッドエンド。結局運命は変えられないのか? という後味の悪さがよかった。






 そして『ターミネーター新起動』へ、いわゆるリブート作品だったけど、うーん。結局手の内知ってる主人公たちが『審判の日』を食い止めるんだっけ? どうにもうろ覚え。そうだ、イチかバチか、命がけのタイムスリップが割と簡単にできるのも不満要素ではあった。







 そして……『2以降はなかったことにする!』とキャメロンが声高らかに宣言した、のかどうかはわからないけど、『ターミネーター・ニューフェイト』がやってきた。リンダ・ハミルトン扮するサラコナーの再登板が今回の目玉、もちろんシュワのターミネーターも健在。『審判の日』を回避したのに、何が起こるのか……。







 *以降、内容に触れます





 一緒やん! 鬼ごっこやん、それはええけど、冒頭で『はーい、これから新しい話するから、これはなかったことにします』という、見ているこっちが『え?』となるシーンが。それって『エイリアン3』でやってたこと? キャメロンは自分の『エイリアン2』で活躍させたキャラを続編であんな目に遭わせられて何も思わなかったんかい? 







 そして恒例未来からやってくる守護者と殺人者。長身で全裸で暴れてくれる女戦士に、ちょっとさえない顔の新型サイボーグ。今回のターゲットは誰だ、サラコナーは、シュワターミネーターはどんなタイミングで出るのか?






 『審判の日』は回避された。でも、新たな脅威がやってきた。要するにサラコナーの手によって未来は守られたが、同時に世界線が変わってしまい、スカイネットとはまた別の機械軍団が人間を襲う未来になった、らしい。ちょい待て。『2』の時点でシュワミネーターが複数送り込まれたって説明があり、今回のシュワはそのうちの一体ということらしいのだが、未来が変わったら、あんたいなくなるんじゃないの? ロボットなのに年取ってるのはなぜ? 『新起動』で『外皮はちゃんと老いる』とかいう説明あったけど、それでオーケーか。とか何とか、ぐちぐち思ったりもするのですが、とにかくターミネーターのキモは鬼ごっこなので、そこが面白く描けていたよかったのです、ちょっと中盤ダレますけど。ラストのあれを何して倒すのって、T3やし、『2以降はなし!』とは言っても、結構ネタ拾ってるんじゃないの? リブート使用がオリジナルキャスト、スタッフが入ろうが、結局同じことの繰り返しになるんですな、ターミネーターは。しかし、リンダハミルトンもシュワも年取ったなあ。老人が銃器ぶっ放す映画という新たな見方もできるわけで。無理して書いてるな。うん、『4』ぐらいでしたよ。




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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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