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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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『映画? どれ見る?』
 と、子供に尋ねるぐらいに、今春は『みんなで見たい映画』が多すぎる。 

 先週末はやっと子供らと『パシフィック・リム:アップライジング』を吹き替えで。必要な情報や関係性はすでに頭に入っているので二回目の方がより楽しめる。とにかくクライマックスの東京決戦の迫力に興奮するしかない。横並びの怪獣軍団に、迎え撃つスーパーロボット軍団! 最後の合体怪獣のくだりを見ると、ああ、これはハリウッド版『決戦!大海獣』なんだなあ、と。ちゃんとボスボロットもいるし。冬のマジンガー劇場版に続き、再び富士山でロボット対決が見れるとは思っていなかった。今年は何て年だ。

 そして先日は我慢できずに『レディプレイヤー1』へ。これも子供らと見る約束をしていたけど、日程が合わせにくいのと『どうしても見たい』という欲求が勝ってしまったため。

 でももしイマイチな出来だったらどうしよう。『二回目もういいや』と思ってしまったら子供らだけで行ってもらうか? 過去に前売り買って子供らと行く話はしてたけど、先に一人で行って『もう、いいかな』と思ったSF惑星アニメの例もあるし。


(以下、内容に触れますよ)
 と、『レディプレイヤー1』はそんな懸念を吹き飛ばすような映画でした。事前に聞かされていた細かすぎて伝わりにくい80年代ポップカルチャーネタを追いかけるだけでも大変だし、それ以上に普通にSF冒険ものとしても面白い。さすがスピルバーグである。目まぐるしいカーチェイスをはじめとするアクションのキレの良さ、ごちゃごちゃ言わんと映像で説明する演出、相変わらずである。見ているこちらに考える隙を与えず、映画の中にすっと入っていく感じ。年老いても全然若い。広大な仮想世界『オアシス』の創設者ハリデーの残した莫大なお宝をめぐる主人公ウェイドとその仲間の物語。謎ときの要素もふんだんに含まれていて、それだけでも楽しい。小ネタはトッピング程度。ただそのトッピングが多いし、でかい。

 『ジョーズ』や『未知との遭遇』でも最後に勝利したのはオタク(変わり者、というかリチャード・ドレイファス)だった。今回もオタクの勝利を描くんだけど。いつもと違うのは『仮想空間に入ってないで、たまには現実で飯でも食って彼女とチューでもしろよ』というメッセージが
込められていること。おじいちゃんになったスピルバーグから全世界の中学生に向けられたメッセージであるし、そのままハリデーとウェイドの関係でもある。現実は辛いけど、だから現実なのよ。たまに空想に浸ればいいのよ。
 
 仮想世界で主人公がたくましく成長して仲間を作り、悪者には消火器を……『オール怪獣大進撃』じゃないか! たぶん違うと思うけど。ゴジラじゃないけど、クライマックスではメカゴジラ登場、ガンダムと激突という『子供がおもちゃで遊んでいるのをハリウッドの大人が本気で作った』まさに夢のような展開に。そういやスピルバーグは子供がおもちゃで遊んでいるのを見て実写版トランスフォーマーを思いついたんだっけ。

 パシフィックリムに続いて日本リスペクトなロボ対決! 今回のメカゴジラは前傾姿勢とふわっとした青い熱線から察するにギャレス版ゴジラをメカにしたような感じ。日本版に似てないから、メカ怪獣を見て漠然と『メカゴジラ!』と叫んだのではなく、ちゃんとゴジラのテーマに乗って現れるからメカゴジラだ。あのスピルバーグがガンダムとメカゴジラとガンダムを演出するというの夢みたいな話だけど、劇中でデロリアンが出るたびに『バックトゥザフューチャー』のメロディを流すアランシルベストリがゴジラのテーマをアレンジしたというにも信じがたい。でも現実。嘘みたいな現実。

 他にもがっつり再現された『シャイニング』ネタ(AIでスピルバーグはキューブリックの原案を映画化したんだった)とか、主人公の仲間の日本人アバターの顔が三船敏郎だったり、知ってると余計楽しい。三船がガンダムに変身する! 

 見終わった後、好きなことに対しては饒舌になるオタクがさらに喋りまくるか、あるいはネタの多さを整理するのに無口になってしまうか、ありえないことだらけの映画でした。今度は吹き替えで見よう。と言ってるうちに今度は超人大集合映画がやってくる。本当にこの春はどうかしてる。

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あれは5年前の夏。ええーもう5年前かよ! 時間の経つものは早いもので、あの夏、我々を熱狂させてくれたハリウッド怪獣映画『パシフィック・リム』が帰ってきた! あれから色々ありました。アメリカと日本で作られるゴジラの新作、そしてアニメ化。キングコングの復活と、それに合わせるようにぞくぞくやってくるアメリカン怪獣映画たち。遂には怪獣映画? 『シェイプ・オブ・ウォーター』がアカデミー賞を獲ってしまった。怪獣映画を取り巻く環境がずいぶん変わってしまった。だから『パシフィックリム』の続編は待っていたけど、かなり怪獣成分は満たされていた。でも、見たい。そしてそれは満を持してやってきた。

 『パシフィック・リム:アップライジング』の舞台は前作から10年後。怪獣戦争は終結し、人々は平和に暮らしていた……。
 このあと、本編に触れる部分がかなりあるので、未見の方はご容赦いただきたい。と、個人の日記にまで注釈を入れないといけないネット社会の世知辛さ。


 怪獣はいなくなってもイエーガーとそれを所有する軍隊はいまだ継続中の世界。こりゃイエーガー対イエーガーの対決になるんじゃないの? それって『トランスフォーマー』になりはしないか? という一抹の不安はあった。

 こちらとしてはいつ怪獣が復活するのか、それだけが楽しみだった。しかし、最近はチャイナマネーが幅を利かせているのか、やたらと中国が舞台だったり、中国人キャスティングが目だったりするね。


 色々あって軍に復帰した主人公と、若いイエーガー乗りの物語。怪獣出るの? 中国は大量生産で無人イエーガーの建造に着手。いけ好かない女社長はスポンサーでもあるから文句言えない。こういうやつはだいたい怪獣に踏みつぶされるんだ。で、怪獣でないの? 

 無人イエーガーなんて便利そうなものはだいたい実験段階で暴走してしまうんだよ、というのはこの世界(特撮とかアニメの世界)のお約束。ほら、言わんこっちゃない。無人イエーガーの殻を破って現れる生物感あふれる四肢、胸からビーム! 前作で倒したはずの異次元人は生き残っていたのか? そして謎のイエーガー。これまた異次元人の操る怪獣イエーガー。怪獣イエーガーの目的は海底の割れ目をこじ開けて怪獣を蘇らせること。物語中盤で、やっと怪獣が出た! 怪獣の目的は東京の富士山(大阪の甲子園みたいなニュアンス)だ! 怪獣イエーガーに基地をメタメタにされたけど、残ったイエーガーで怪獣をやっつけるぞ! 

 イエーガー対イエーガーの『ああ、もう同士討ちとかいいよ。こっちは最近のライダーとかウルトラで散々見てんだよ』という展開も『実は中身が怪獣でした』というヒネりをきかせて、こっちの機体を軽く裏切ってくれる。異次元人の意思はとある地球人に……というのもなんだか異次元人ヤプールを思わせる。怪獣の暴れっぷりよりも、イエーガーの華麗なるアクションを見せてくれるという点で、ひょっとしたらAやタロウの『第二期ウルトラシリーズ』のテイストなんじゃないかな、と思えてきた。だから前作と印象が違うのは仕方ないことだし、これはこれで面白い。前作が夜間や海底という、暗い場所での戦闘だったことに対し、今回は白昼堂々の戦闘。東京のビル街を踏み潰す怪獣軍団もかっこいいし、迎え撃つイエーガーたちもそれぞれ個性的。

 怪獣も合体巨大化するとか、やっぱり第二期ウルトラのテイスト、かも。あと、前作以上にアニメのテイストが濃厚。これは好き嫌い出るかも、デルトロ。ロボの皮をかぶった怪獣ってパトレイバーの廃棄物13号だったり、暴走するエヴァンゲリオン3号機だったり。クライマックスで空を飛ぶイエーガーはスクランダークロスするマジンガーで、じゃあ東京決戦は『決戦!大海獣』なんじゃないの? とか思ってみたり。そういえば、一人乗りイエーガー、スクラッパーの立ち位置はボスボロットでしたよ。

 でもパイロットにいまいち個性がないから『どれに誰が乗っているのか』が分かりづらかった。クライマックスまで主に活躍するのはジプシーアベンジャーだけなので、もう少し、各イエーガーとパイロットの個性があればなあ。まあ、急造チームっぽいから仕方ないか。前作に続いて『絶望的な状況から逆転を図る』構成でした。

 先月見た『キングコング対ゴジラ』のゴジラのごとく、富士山を上る合体怪獣。果たしてぼろぼろのイエーガー軍団に勝機は?

 前作が初期ウルトラなら、今回は後期ウルトラ(昭和シリーズ)。あるいはトランスフォーマーになるギリギリまで踏ん張ったアニメテイスト満載のロボット映画。ちょっと怪獣の数と出番が少ないのが惜しいけど、『パシフィックリム』というシリーズの中ではありなんですよ、これも。イエーガーと怪獣、そして監督の個性と趣味が存分にぶつけられる場所だと思うのです。今回の出ないと監督も日本のアニメ、怪獣大好きだと公言してますが、やりたかったのは『俺のアニメ、怪獣もの』ではなく『俺のパシフィックリム』だったんじゃないかな、と思う。今度は吹き替え版で見てみよう。



   

 




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当たり前のことですが、みなみ会館が一時閉館しても新作映画の公開は止まることもなく、週末になれば続々とロードショーされるわけで。寂しいのは新作が見れても旧作はどこで見ればいいのか? という事であって、それもまあ、何とかなりそうかなと思ったり。そうやって人は徐々にみなみ会館を忘れていきそうになるんですが、ふとした時に思い出し、しゅんと切なくなったりするものです。

 それはさておき『ダンガル・きっと、つよくなる』が何かと話題だったので見に行ってきた。サブタイトルは大ヒットした『きっと、うまくいく』に引っ掛けてのものだろうが、ただ『ダンガル』だと何かわからない、ガンダムのパチモノに思われるかもしれない。ヒット作にあやかったフックを仕掛けることで『ああ、これもインド映画かな』と思わせる宣伝は悪くないと思う。

 で『ダンガル』とは? インド映画といえばいまだに続映中で熱狂的ファンもついた『バーフバリ』が最近では有名ですが、それとはまた毛色が違ったものらしい。なにせまだバーフバリも見ていないのであくまでも憶測でしかものを書けない。

 かつてメダルを目指してレスリングにすべてを捧げてきた男が、生活のためにレスリングを断念、その夢を自分の子らに託そうとするのだが……。なぜか生まれてくるのは女の子ばかり。しかし、娘たちのケンカの強さに目をつけたオヤジは彼女たちをレスリング選手に育てようと決意する。まず、頑固オヤジを絵に描いたようなオヤジ、アーミル・カーンがいい。ごつごつとした『肉の宮』ともいうべき筋肉質のボディから、ぼってとした中年時のボディへの肉体改造。それでいて鋭い眼光は衰えず、無言で娘たちに特訓を課す。スパルタとはいえ、ムチャなことはさせない。いや、したかも。はじめや嫌がっていた娘たちもオヤジの期待に応えるようにめきめきと上達。『女がレスリングなんて……』と笑っていた周囲をその実力で黙らせる。このトントントン、と駆け上がっていく様子はスポーツ映画の定石であり、見ていて心地よいものがある。そして物語は長女ギータに焦点があてられていく。オヤジとの確執、挫折といった定番を踏まえ、それらを乗り越えクライマックスの世界大会へ。わかってはいるけど、思わず身を乗り出すほどに熱い、本当にスポーツ観戦をしているかのような臨場感。そしてインド映画は音楽も熱い。爆音上映か? と思うぐらいに場内がずんずん響く。昔のアニメのように『ダンガルダンガル!』とタイトルを連呼するから、余計に盛り上がる。

 世界各国で大ヒットしたのはスポーツ映画としてオーソドックスな構成ながらも個性のたったキャラ、それにこの音楽の力もあったのでは? と思える。スポーツ映画というか、格闘技を扱った映画だと『ロッキー』『どついたるねん』のボクシング、『カリフォルニア・ドールズ』『レスラー』のプロレスがあるが、どれも見ていて熱くなる。アマレスもまたしかり。よくわからないルールは、劇中できちんと説明してくれるし、土の上で行われるインド式レスリングと公式な試合との違いも何となくわかる。インド式は、関節の取り合いや投げを主体にして、それはそれで激しいものがある。スポーツ嫌いもスポーツ映画は好きなのだ。最後に酒場のケンカになる『ロッキー5』も、ボクシング映画と見せかけて最後は菅原文太対暴力集団との対決になる『鉄拳』も好きだ。

 こんな『巨人の星』の星一徹のようなオヤジが実在し、この映画は実話を基にした作品というのも驚きである。そういや『巨人の星』もインドでリメイクされたし、あの星一徹のようなオヤジはインドにごろごろしているのか、それともインド人の国民性にマッチしたキャラだったのか。やはりみんな同じことを考えていたのか、川崎のぼる先生もイラストを描いてた。

 久々に見たインド映画、スポーツ映画は予備知識ほとんどなしで見たこちらの予想を大きく超えた、熱く燃える映画だった。安易に使いたくないけど、心がジーンとしたのは『感動』したからなんでしょうな。

 『女がレスリングなんて(女が土俵に上がるな)……』とかコーチと選手の意見の相違から来る確執とか、なんだか最近のニュースで見たようなネタもちらほら見られて、実にタイムリー。タイムリー過ぎて、パンフレットは諸般の事情から発売中止! 何とももったいない。多分日本レスリング協会が協賛してるし、写真もコメントもチラシに載せてたあの人がラ身ではなかと思いますが、ぜひ出し直してほしい。それにあのコーチ、別に犯罪者でもないからいいじゃない。それと、ディズニー配給なのも驚き。ディズニーはインド映画にも手を伸ばすのか。

 パンフがないので、先日売り切れてたウルトラマンジードのパンフとパシフィックリムの前売りを買って帰る。人間対人間の次は、怪獣対ロボットだ。
 

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何事も、始まりがあれば、終わりはあるもので。でも終わりというものはいつもあっけなくやってくる。そりゃ誰も終わりが来るのを待ってはいないから。いつまでも続いていると思っているから。

 12月の衝撃的発表から3か月、いよいよ一時閉館の日が来てしまった京都みなみ会館。仕事を終えて、いつものように京都へ。ああ、油小路のブラコージを進むのも、チン診療所の角を曲がるのも、陶器のババア人形がすっかり占拠してしまったあの家(勝手な想像)の前を通るのもこれで最後かな。


 みなみ会館では粛々と最後の上映が行われ、毎回満員立ち見の中、一階ラスベガスではババジラジオさよならラスベガスSPを開催。こんな時に、いやこんな時だからこそ。最終日にこのイベントをすることで、オールナイトから8年続いた怪獣映画のお客様にも来ていただいて、みなみ会館の閉館を一緒に見送れるかも。二階の映画館にもお世話になりましたが、この元パチンコ屋跡にも随分お世話になりました。怪獣、ウルトラのレジェンドがどれだけ来たことか。ここで走馬灯のように過去の画像を挟んでみる。いろいろあったなあ、やせたなあ、俺。









 そんなラスベガス最後のババジラジオはゲストに中村哲キャスト社長と、漫画家の山本サトシ先生というWサトシ。途中で吉田由利香みなみ会館館長も飛び入り参加し、いつものように決して高尚とはいえない怪獣トークを。




 この地で行われる最後の物販。ゴジラ1962にみなみ会館キーホルダー。そして大特撮大怪獣うろ覚え大解説。3年間新聞に書いてきた資料性0の記事を一冊にまとめたもの。最後の最後についに発売! 思えばモノカキと名乗ってみなみ会館でキャスト社さんとであって、最後に本を出してもらえるのも何かの縁か。思えば4年前の出会いから、怪獣会話の片隅でちょこちょこお仕事をいただけるようになった。

 大みそかの年越し上映『ル・アーヴルの靴みがき』の際、みなみ会館からもらったお年玉は5円玉。ご縁がありますようにとの意味だけど、いままでもたくさんのご縁がここであった。そしてこれからもあるだろう、と思う。

 数々のサイン会が行われてきたラスベガス、最後のサイン会が自分だとは思ってもいなかった。
  


  

 怪獣トークも終わり、最後の時がゆっくりと、いや時間通りに進んで行く。最後の上映作品はシークレットながらも、満員御礼。時間からしてそれほど長い作品ではないし、意外な作品とのうわさがあったので、『コマンドー』か? と予想。そんなわけはない。いよいよ最後の上映。会場は左右はおろか中央の通路にまで人が座る超満員。
 
この光景を見るのもこれでお終いか。吉田館長からの最後のあいさつ。最後にいつもの上映前の案内を壇上から。そして始まった映画は……?


『コマンドー』! ではなかった。『イリュージョニスト』フランスのアニメ映画である。
老魔術師と少女の旅。魔術師を本物だと信じる少女。しかし、時代は変わり、魔術師たちの居場所もなくなってきた。台詞の少ないドラマに、美しく緻密な風景。

 テレビや映画に娯楽の主流を奪われ、仲間の芸人が次々と職を失う中、ついに主人公も『魔法使いはいない』と書置きを残し、少女の前から姿を消す。時代の移り変わりを描いた切ないエンディング。でもかすかに希望はある。田舎者だった少女はすっかり都会に染まり、新しい出会いを見つけた。魔術師だって絶望しているわけではない、いつかきっと……そんな含みが見られた。

 フィルム上映だったけど、CGが効果的に使われている。アナログとデジタルの融合、これもまた時代の移ろいか。居場所を追われるように去っていく者たちの姿はみなみ会館にオーバーラップするものがあるけど、それでも終わりではない。カウリスマキの映画じゃないけど『希望のかなた』である。

 もうこのトイレの張り紙を見るのも、この階段を下りるのも、あのネオンを見るのも最後。
空にはみなみ会館55年のさよならを見届けるように満月が輝いていた。

 人気のいない映画館はがらんとして一層寂しさが募る。でも終わりじゃない。また京都のどこかで会いましょう。その時はまたよろしくお願いします。素敵な出会いの場所を作ってくださった、京都みなみ会館に感謝。本当にありがとうございました。

  

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これを書いてる時点で残りあと二日となってしまった京都みなみ会館。今週からは『さよなら興業』と銘打ってみなみ会館ゆかりの作品、人気作品を連続上映。行けるのは今日しかない、と昨日、春の陽気もあって、バイクで京都へ。


 そういえば4年前、今に至るすべての源流となった『地球防衛軍』上映の際も軽い気持ちでバイクで向かったことを思い出した。高速を使わないならバイクの方がすいすいと京都に行ける。この道もあの道も、通いなれた道を通るのもこれが最後かもしれない。油小路通りを走り、いつもの某診療所の角を曲がる。すると裏道からみなみ会館へ。老婦人の陶器製人形を飾ってあったけど、いつの間にかなくなっており、それ以来『ババアの家』と勝手によび、勝手に怪談話をでっちあげていたあの家もこれで見納めか。

 昨日見たのは『太陽を盗んだ男』『黒蜥蜴』『江戸川乱歩全集恐怖奇形人間』の和製カルト映画。本当はそのあと『鉄男』『狂い咲きサンダーロード』と続き、まるでオールナイト興行のような濃いラインナップで、学生時代を思いだす。確か『奇形人間』を初めて見たのもみなみ会館だった。奇形人間で始まり、奇形人間で終わる、俺のみなみ会館。


『太陽を盗んだ男』は劇場で見るのは初めて。平凡な理科教師、ジュリーが原発からプルトニウムを奪い、原爆を製造、国家に脅迫を仕掛ける。今までの邦画になかったタイプのサスペンス超大作だが、主人公が原爆を作ってみたものの、特にこれと言った目的もなくいたずらレベルで脅迫を仕掛けるのが面白い。やるせない男と、それに同調する女の共犯関係。80年代に差し掛かる前年、大作映画の波に乗って生まれたような突然変異。ゲリラ撮影で都心部でのパニック描写、カーチェイス等やりたい放題。実直で真面目そうな刑事、菅原文太も終盤に進むにつれてヒートアップ。ラストの対決では完全に実録路線の顔に戻っておりました。『お前が殺していいのは、お前だけだ!』の言葉通り、無気力な青年はただ暇をつぶしたかっただけかもしれない。しかしその手段が原爆製造だから迷惑な話である。劇中で『ウルトラマンレオ』最終回が流れるのでみなみ会館でレオ最終回が流れるのはこれで2度目。みなみで菅原文太を見るのはこれが最初?

『黒蜥蜴』は20年ほど前のリバイバルで見て以来。己の欲望と美の追求のために犯罪を重ねる女賊黒蜥蜴と名探偵明智小五郎の対決。趣味と欲望のために他人が理解できない理論で犯罪を重ね、ユニークな部下を大勢持つ黒蜥蜴はバットマンの悪役みたい。そんな自分の唯一の理解者である明智とは心惹かれ合うものがあるものの、敵と味方であるという立場上、本音を言えないという関係。誘拐されまくる松岡きっこがキュートで、全裸の松岡を箱に詰め新幹線で輸送するという、日常の中に潜む異変は乱歩らしさがよく出ている気がする。ろくに乱歩読んでないけど。冨田勲の楽曲が一瞬キャプテンウルトラに聞こえそうになる、深作欣二の松竹映画。

『奇形人間』はそのカルト的人気から、学生時代は上映されれば必ず見ていたような珍妙な味わいの作品。それが今じゃ普通に販売されてるから世の中変わったね。これも乱歩。『パノラマ島奇譚』に乱歩作品の美味しい所をミックスした構成。自分そっくりの他人に成りすますのは『双生児』だったかな。ひょっとしたら真っ当な乱歩的倒錯サスペンスになりそうなところを、土方巽が全部ぶち壊し、グロというか、奇天烈な見世物が延々続く秘宝館のような映画。奇形人間の島に上陸し、珍妙なショーを散々見せつけられる主人公たちが『それ、どこがおもろいの?』とばかりに辛そうな顔をしているのが分かる。有名なラストの『おかーさーん』ではどこの上映でも爆笑が巻き起こるのだが、今回は起きず。初見の人が多くて、呆気にとられたのかも。今回は三本とも上映終了後に自然と拍手が巻き起こっていた。あの拍手は作品の面白さもあるけど、みなみ会館への感謝の証だったように思える。

 もうあの角を曲がることもない……いや、最終日には数々のイベントが行われたみなみ会館一階でババジラジオやります。みなみ会館はおやすみだけど、一階の元パチンコ屋ラスベガスとはこれでお別れ。いつも通りダラダラとやります。



 






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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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