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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 祇園祭、大文字の送り火に並びすっかり京都の夏の風物詩となりつつある、京都みなみ会館・京都怪奇映画祭ナイト。今回で4(死)回目となります。



 毎回、古今の怪奇映画を上映するこのイベント、今回は『学校の怪談』『東海道四谷怪談』『魔界転生』の3本+α。個人的にはフェイバリット時代劇『魔界転生』が入ってるのが嬉しい限り。いつものうろ覚え新聞も魔界転生率を多めに書いてしまった。




 
 ゲストには『学校の怪談』の平山秀幸監督。怪奇、ホラーの監督というよりも『エベレスト』『愛を乞う人』等々、一般映画の方で知られる大ベテラン監督である。そんな監督にトークの司会が務まるか? いつものように緊張していたが、実際にお会いすると平山監督は実に気さくで、打ち合わせも実にスムーズ。いや打ち合わせというか『東海道四谷怪談』がいかに怖いか、で盛り上がる。監督『こんなのあるんだ!』とうろ覚え新聞を手に取られましたが、すみません。ほんとしょうもない事ばかりかいてすみません。



 トークでは色々と楽しいお話、撮影秘話を聞けた……はず。司会はいつものようにアップアップだったのです。何とかトークも終わり、サイン会へ。公開当時少年少女だったファンが目を輝かせながら列に並んでいる。あの時、平成ゴジラ、モスラシリーズに並んで『学校の怪談』は子供たちにとってちょっとしたイベントだったんだな。


  
 そして監督と一緒に『学校の怪談』上映。エンドタイトルで巻き起こる大拍手。そして全員参加の記念撮影。この時、一つ目小僧の恰好をしていたのですが、他に誰もホラーな仮装をしていなかったので、こっそりと。今回も失敗した。



 
 休憩をはさんで今回のオマケ『白獅子仮面』上映。去年に続きまたかよ! そうだよ!京都が作ったあの不思議な変身ヒーローをまたやるんだよ! 平山監督をホテルに送り届け、戻ってみると、白獅子仮面が半裸の一つ目小僧軍団と戦っていた。チャンバラには慣れた京都のスタッフも変身ヒーローの殺陣というものに苦心している、そんな感じがした。しかし、そこがまた魅力でもある。そしてそのまま『東海道四谷怪談』へ。同じ江戸時代の物語でもこんなに違う。

 
 冒頭の伊右衛門が婚約者の父を斬り捨てる長いワンカットで、心つかまれる。そして真夏の江戸を舞台に展開される人間の業と怨みの世界。やはり、怖い。今まで見た数少ない怪奇映画の中でも最も怖い。気を許すと、そこにいる恐怖。そして迎える美しい結末。これを短期間で作り上げることができたのは中川信夫監督の手腕もさることながら、時代劇、プログラムピクチャーを大量生産していた時代だからこそなりえたのだろうな、とぼんやり思った。

 
 そして最後に『魔界転生』。80年代、時代劇の制作本数が少なくなっていた時代、だからこそ生まれた傑作。時代劇の東映と、映画界に新風をまきこ起こしていた角川映画ががっちり手を組んだ伝奇時代劇。千葉真一の柳生十兵衛に沢田研二の天草四郎というキャスティングでこの映画は成功した、と言っても過言ではない。幕府転覆を目論む魔界衆対隻眼の剣豪、という胸躍る内容。十兵衛対宮本武蔵、柳生但馬という夢の対決。柳生但馬を演じる若山富三郎の炎の中でも衰えることのないキレッキレの殺陣。すべてが素晴らしい、とかなんとか新聞にも書いたのですが、実際見直すと中盤がちょっとダレ気味。真田広之の青年忍者、いらないんじゃない? あれがなければもっとスピーディーに話が進んだのでは? と思わなくもない。とはいえ、クライマックスの江戸城大炎上の大チャンバラは圧巻なのであります。よくあんな無茶苦茶をしたもんだ。


 映画が終わると外はすっかり青空が。オールナイト明けの体を引きずり帰宅すると、仮眠もそこそこに娘とプールへ。曇天ではあったけど、体のあちこちがひりひりしていた。おそるべしはオバケや怨みよりも紫外線だった、というオチ。それでいいのか?
 

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 昨日『ローガン』を見たのは会員割引の日だったからなんですが、行ってみると今週いっぱいまで会員割引ウィークとのこと。なんでそういうことをもっと大々的に言ってくれない! じゃあ、今日も格安で映画見るよ、今日も休みだからな、まるで無職の人みたいだよ!


  
 と、いう事で『レイルロード・タイガー』を。ジャッキー映画なのに、2週間で上映終了という理不尽。先日はサモ・ハンの元気な姿を見れたから、今度はジャッキー・チェンであります。




 日中戦争真っただ中の中国、日本軍の物資を奪う、ジャッキー率いるゲリラ部隊。フィジカルなアクションは控えめだけど、戦車、列車アクションは盛りだくさん。横暴な日本軍に一矢報いるために、流通の要である橋を爆破するジャッキーたち。



 広大な中国大陸を走る機関車、ゲリラ、八路軍、とくればば『独立愚連隊』をはじめとする東宝の戦争アクションを思い出します。今回の映画はそれの裏焼き版ともいうべき作品。日本が悪者なのは仕方ないけど、将校を演じる池内博之のコミカルな演技もあって、それほど憎々しげには思えない。とはいえ、日本軍はボコボコ殺されますけど。
 助けた八路軍への義のため、自分の過去のため、日本軍に立ち向かうジャッキーと仲間たち、それに賛同し、陰ながら応援する民衆たち。機関車をはじめ、バイク、戦車ととにかく乗り物アクションが満載。ジャッキーの新作はどうにも足が遠のいていましたが、いまでもまだまだ動ける、それに待機作が目白押し。いつの間にか日本はアジアンアクション後進国になってしまった。そ上伊庭、先日の宍戸開さんとの打ち合わせでも『少林寺木人拳』の話で盛り上がった。昔のジャッキーはすごいけど、今もそのすごさは変わらない、と改めて思い知らされる。




 日本軍に、刺青の女将校というのは映画ならではの大ウソなので目くじら立てて怒ることでもない。ひょっとしたら『緋牡丹博徒』あたりのイメージなのかもしれない。とにかく、強く美しいからいいのだ。
 


 橋の大爆破にゲリラ戦法、『夕陽のギャングたち』のような、西部劇のようなテイストも嬉しい限り。とにかく、秋のジャッキー新作にも足を運びたい。いなくくなってからでは遅いのだ、とテレビでカンフー映画を見まくった世代としては思うのです。

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 最近、仕事の都合で週の真ん中がポカンと空くことが多い、というのは前にも書いた話。そんな時は家で映画見るか、映画館に行くしかない。映画ばっかりだよ。




 火曜日はシネコンの会員サービスデーなので、『ローガン』を見ることに。
X-MENシリーズ最新作であり、ウルヴァリンスピンオフ映画第三弾、ではあるけど、今までの流れをぶっちぎり、老いた男の物語を描く、切ない暴力映画になっていた。




 ミュータントはほとんど死滅した未来の世界。ウルヴァリンことローガンも、かつての勢いはどこへやら、で、ぜえぜえ言いながら、足を引きずり、リムジンの運転手稼業に身をやつしていた。でも、自動車泥棒は容赦なく鉄の爪で殺す。以前のキレがないから、たたきつけるように何度もアダマンチウム合金の爪を叩きこむ。そしてよろよろと車を転がす。そんなローガンにとある少女を送り届けてほしいという依頼が。幼い少女は人工的に作られたミュータントで、ローガンと同様の能力を備えていた。うなり、叫び、標的を切り刻む少女という異様なビジュアル。しかし、強い。そんな少女とローガンの逃避行がお話の中心。そこにすっかり認知症が入って、能力が制御できないプロフェッサーXも同行。あの冷静沈着なプロフェッサーもすっかりボケ爺。老いたローガンは彼の下の世話もしないといけない。老々介護はつらいよ。一行はミュータントの楽園を目指す。でも本当にあるのかどうか。コミックでかっこよく描かれてるXメンなんて本当はいない、楽園だって……。



 全体を覆う、重く、やるせない空気。ミッキーロークの『レスラー』を思わせる、わびしい雰囲気。アメコミ映画のヒーローも老いさらばえ、かつてのように活躍できない。果たして少女を無事送り届けることができるのか? 




 大五郎の方が強い子連れ狼か、あるいは座頭市血笑旅か、子供を連れた旅は何かと障害が降りかかるもの。プロフェッサーを交えた疑似家族の中で少女は人間らしさを身に着けていく。でも、邪魔者は切り刻むけどね。
 
 


 子供たちの中では、年老いたローガンもコミックのウルヴァリンなのだ。子供たちとヒーロー、逃避行の手助けというところで『マッドマックス・サンダードーム』をおもわせる。
 


 
 でも、この先もキャストを変えてXメンの映画は作られるんでしょうね。Xメン映画は、番外の方が面白い、という不思議。今度はコミック通りに、覆面被ったウルヴァリンも見てみたいものです。


 

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 昨日は、平日だけどお休み。なんだか世間に申し訳ないと思いつつも、これが俺の仕事だから仕方ないじゃん、と京都へ。何度目だ、京都。

 映画行くなら近所のシネコンでいいじゃない、でもみなみ会館でしか見れない映画もあるしさ、それに、ドラゴン食らわば皿まで、という事で、オールナイトから、キンフー、ドラゴン×マッハ、イップ・マン、デブゴンと来た京都ドラゴン祭(勝手に命名)、ひとまずの最終作『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』を。正直、予告見たときになんだか微妙だな、と思いました。だって『黒澤明とセルジオ・レオーネに捧ぐ』なんて言われたら期待しちゃうじゃないですか、でも今まで黒澤風味、レオーネ風味と言われたアクション映画が成功したためしがない。なんだかちょっと雰囲気足してみました、ぐらい。だからどうしようかな、と思いましたが、ここは行って、見てから文句言おう、それに月曜日はマンデイ割引、ドンパチとカンフーが盛り込まれた、マンデイにふさわしい映画じゃないの。




 20世紀初頭の中国は内戦の真っただ中。とある山村を襲う残虐非道な軍閥と、村を守る自警団と流れ者の攻防を描く、『七人の侍』っぽいけど、黒澤でもレオーネでもない、まったくの香港映画テイストに仕上がっている。20世紀だけど、どことなく武侠片を思わせる雰囲気。冒頭の流れ者エディ・ポンと盗賊のやり取りは、ソバが出てくるあたりも『残酷ドラゴン』を思い出させるし、エディ・ポンは黒澤映画の三船っぽいキャラだけど、義に厚く過去のある男を演じ、借り物では無い新たなキャラを作り上げている。もちろん強い。そう、香港映画だから、主要キャラはどいつもこいつも強い。虐殺から逃げてきた女教師と子供たち。そして、一緒について歩いてる犬。子供と犬が、殺伐とした物語の緩和剤となっており、ラストのかっちょいい決め台詞につながる。子供と犬、といえば『マッドマックス2』だ。黒澤とレオーネどころじゃない、この映画は欲張りにも古今東西のアクション映画のいいところを集め、それを模倣するだけでなく新たな香港アクション映画に作り変えてしまっている。



 カンフーをメインに置きつつも、鞭、刀、銃と多彩な武器による戦闘シーンがふんだんに盛り込まれており、時として台所道具のオタマやザルすらも人殺しの道具になる。バラエティに富んだ立ち回りは武術指導のサモハンのアイデアか。




 大軍勢に対する大逆転の大秘策、悪い奴は徹底して悪く、正義を貫く男たちがそれを叩く。単純明快、ドストレートに胸のすくアクションをこれでもかとばかり見せてくれる。おもろい! それに香港映画の女優さんはみんなキレイで強い。でもひどい目によくあいがち。古典に敬意を表しつつ、新たなアクションの世界を見せてくれた一本。またこんな映画を見てみたい。かつての香港映画だったら、便乗作品がわんさと出たけど、今はどうなんだろうか。




 胸のすくアクションを見た後は、もう一本『真白の恋』を見る。どうせ京都に来たなら、はしごして帰らないと。カンフーでも怪獣でもない、なんというか『ささやかな映画』。富山県のある町に住む軽度の知的障害者、真白と東京から来たカメラマンとの交流を淡々と描く。障害者とその家族、そして周りとの関わりをさらりと描いているのが実にうまい。ほとんど照明を用いず、ナチュラルに聞こえる会話の中で繰り広げられる物語は、ドキュメンタリーを思わせる。『障害って何?』『障害があるから、どうなの?』そんなテーマも内包しているけど、あまり前面に出さない。カメラを通じて真白が一人の男を好きになって、夢中になっていく様子を淡々と描いていく。人を好きになることで、彼女、そしてその家族に訪れる変化は何だろう、そんなことを考えながら、映画は終わる。ブツン、と終る。ひょっとして、そんなこと忘れてしまうかもしれない。それでもいいかもしれない。障害があるから何もできない、しちゃいけないの? だからといって好きなことをさせていいのか? 劇中でも語られる、障害者とそれを取り巻く問題は、答えの見つからないまま、これからも討論される問題なんだろう。でも、彼女は生きていく。普通であること、そうでないことってそんなに差はないんだよな。



 真白を演じる佐藤みゆきの演技が素晴らしい。障害者を演じるというのは奇妙な言動だけではない。ちょっと視線を外し、相手と微妙にかみ合っていない感じが必要だと思っている。彼女は見事にそれをやってのけていた。ひょっとしたら、本当にその街に行けば、自転車に乗った彼女に会えるかもしれない。そんなことを思わせるぐらいに、ナチュラルだった。でも真白の父親が長谷川初範だったので、頭の中にウルトラマン80のBGMが流れていたのも、事実。




 安易に感動した、とは言えないけど、なんだかじーんとくるものがあった。ラストで『え?』と思ってしまったけど、あれがないと終わらないか。障害者を扱う映画って作るのが難しいと思うけど、感動を押し付けない良作。ドンパチと感動、両極端な二本を見て、大阪に戻る。あ、週末また京都に行かないと。今度は大好物な怪獣ですので。



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 今更先週末の話をするのもどうかと思いますが、珍しくバタバタしていたし、ここには自分が見た映画のことは一行でも書き留めておこうと思って始めているので、ご容赦願いたい。そういや日常のことを書かなくなったな、たぶんSNSで事足りてるし、自分のことを世間に知らしめてなんになる? 食の写真載せて楽しいか? 自分の中に他人の子供の写真見て嬉しいか? というイヤな、どす黒い気持ちがあるからだと思う。




 さて先週末の事。『イップ・マン継承』を見た興奮冷めやらず、再び京都みなみ会館へ。怪獣はなくともみなみ会館通い、あのドラゴンオールナイトから、不定期に近年の香港アクション映画を上映してくれるから、どうしても見たくなってしまうのですな。毒食らわばドラゴンまで、であります。しかし京都は遠いし、一本だけ見て帰るのももったいない。できればハシゴしたい、見たい映画が重なるとき、それが京都へ行くサインなのですな。シネコンの超大作も見たいけど、まずは京都へ。




 先週末はそんな感じで『おじいちゃんはデブゴン』『I AM YOUR FATHER』の二本を見てきました。どちらもおじいちゃんが頑張る映画でした。







 『おじいちゃんはデブゴン』は、サモハンが久々に主演、監督を務める作品。というか、生まれて初めてスクリーンで見るデブゴン。ゴールデン洋画劇場で『燃えよデブゴン』を見て以来、サモハン主演映画は全てデブゴン扱いでした。今回もそれに倣って全く違う原題だけど、デブゴンに。デブゴンって日本でしか通用しないネーミングじゃないか。




 中国の要人警護の職に就いていた男、サモハンが引退し、ロシアと中国の国境の町で隠居生活を送っている。何も変わりのない、平凡な毎日。ただ、物忘れがひどくなってくる。家の鍵が分からず、針金で開けようとするけど、鍵は首にぶら下げていた、そんなこともしばしば。彼はかつて孫娘を見失った苦い過去があり、娘とは絶縁状態。孫娘を死なせたのではなく、見失った、というのがかえって辛い。もちろんいまだ孫娘は見つかっていない。そんな孫娘が描いたであろうサモハンの絵が壁に掛けられている。この絵をアニメにして今までの経歴をサラッと紹介する憎い演出。子供の描いた拙い絵だからこそ、逆につらい現実が胸に刺さる。








 そんなサモハンの生活が一変する。サモハンの隣人の娘が、ロクデナシ親父アンディ・ラウに愛想をつかし、サモハンの家に遊びに来るようになった。あまり表情には出さないけれど、一緒に釣りに行ったり、アイス食べたり、楽しそう。サモハンはそんな隣家の娘に自分の孫娘を重ねていたのかもしれない。でも、認知症は徐々に進んでいく。




 ところが、そんな隣家のロクデナシ親父が借金の方にロシアンマフィアの宝石を盗んだことから、事態は急変。ロクデナシ親父は殺され、サモハンはその娘を守るべく、老体に鞭打ち、ロシア、中国のマフィアに戦いを挑む……。




 ジョン・ウェインに『ラスト・シューティスト』、クリント・イーストウッドに『グラン・トリノ』があるように、老いたアクション俳優が、自分のアクション人生にサヨナラするような作品を残すことがたまにある。とはいえ、イーストウッドはまだまだ現役の映画監督で、サモハンも、監督、武術指導でまだまだ元気。一応、自分のキャリアに区切りをつけようという事なんだろうか。



 
 アニメや短いカットの積み重ねによるサモハン演出は実に若々しく、また音楽の使い方も絶妙。ロシアと中国の国境の町という、あまり見たことないロケーションも新鮮である。二つの国をつなぐような広大な鉄道の停車場が印象的。



 
 認知症は進んでるけど、戦う時には昔の血が騒ぐ! ただのデブジジイと思うなよ! カンフーパンダとは言いえて妙だけど、悪い奴らは許さない! とにかくサモハンは素早く手を動かして相手をつかみ、手足をへし折る。要人警護についていたという設定なので、従来の軽やかな動きではなく、相手を動けなくするために、とにかくへし折る。へし折った瞬間、その様子がレントゲンで描写されるのは昔の必殺シリーズのようでもあり、ジェット・リーの『ロミオ・マスト・ダイ』で試みられたX-RAYバイオレンスの復活を思わせた。



 切なくも幸せなラストもまた、いい。これから娘を守っていけるだろうか、とか自分と重ねると余計切ない。でもデブゴンは強い。



 サモハン久々の監督主演作という事で、かつての仕事仲間たちが駆け付けゲスト出演。え、ユン・ピョウ出てたの? ツイ・ハーク? 



 続く『I AM YOUR FATHER』はがらりと変わってドキュメンタリー。カンフー映画と並んで、世界中の少年を熱狂の渦に叩き込んだスターウォーズにまつわるお話。世界映画史上最高の悪役と言われたダース・ベイダー。そのベイダー卿を演じたデビッド・プラウス氏にスポットを当てた作品。スターウォーズは一通り見ているけど、それほど熱心なファンじゃない。だからエピソード6『ジェダイの復讐(ジェダイの帰還はしっくりこない。『帰ってきたウルトラマン』をウルトラマンジャックと呼ぶのには抵抗なないけど)』でダースベイダーがマスクを脱いだ時、特に何も思わなかった。ただ、当初は三船敏郎にオファーがいった、といううわさ話は聞いていた。本来ならばエピソ-ド4からベイダーを演じていたデビッド氏が素顔をさらすはずだった。でも些細な出来事がきっかけで、その素顔は別人に代えられた。映画はそんなデビッド氏の姿と、関係者の証言をまとめつつ、監督の野望『デビッド氏によるエピソード6ラストの再撮影』という野望、というかファンの夢を追っていく。








 この映画はスターウォーズのある側面(ダークサイド)を描くと同時に、ある一人のスーツアクターの物語としても作られている。仮面の下で彼らは何を思い、どう演じていたのか? 映画の冒頭は無声映画時代のフランケンシュタインから始まる。デビッド氏もまた、ハマー映画でフランケンシュタインの怪物を演じている。作られた怪物の悲しみ、これはダースベイダーを演じたデビット氏に降りかかった悲劇にも通じる。一体何がどう間違ってしまったのか? かつての映画のように怪物は殺すようなことはしない、真実を明かし、怪物に安住の地を提供するだけだ。 





 コンベンションでファンに囲まれ嬉しそうなデビット氏、そしてファンの夢、監督の野望がかなった瞬間の至福感。あいにく、ルーカスフィルムの許諾を得られないので撮影されたフィルムは見せられない。一般にも公開できない。でもやるんだよ! 世界中のスターウォーズを見て育ち、それぞれにスキルを持ち合わせたファンの力が、真の暗黒卿を復活させ、そして真の最期を作り上げた。




 デビッド氏はいまだルーカスフィルムとは断絶状態で正規のイベントには招待されないらしい。許してやったらどうや。ファンイベントで山のようなサイン用ブロマイドと大量のペンを前にニコニコし、ファンへのサービスも旺盛なデビット氏。隣には元祖ハルク、ルー・フェリグノもいるぞ。なんだかいつもみなみ会館で見てきた光景がそこにある。規模は全然違うけど、ファンの熱狂ぶりは万国共通だ。





 エンドクレジットはそんなスーツアクターたちに捧げるサプライズ。ここでもまたウルッとしてしまう。ウルっと、ウルト、ウルトラ……という事で今月も形は違えどそんなファンとゲストがやってくる。宣伝かよ。最強、最速の超人に大怪獣空中戦! ご家族そろって楽しめる怪獣大会。





 そして俺は、サモハンが武術指導している『コールオブヒーローズ』を見に行こうかどうか迷っている。大阪でもやってるはずなのに、なのにあなたは京都へ行くの? 何とハシゴしようか? そんなことばかり考えている。



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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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