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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 信じた! ずっと信じてきた。
 ウルトラマンを、そして数百もの怪獣たちを。
 
 物心ついたとき、ウルトラの新作はありませんでした。それでもケイブンシャの大百科と、朝日ソノラマのファンコレ、早朝夕方の再放送と駄菓子屋のミニカード、遅れてポピーのキングザウルスシリーズ等々で、その魅力は充分に理解していました。
 それから……。新作のないいわゆる『冬の時代』もありました。『エェ、こういうことやっていいのかよ!』みたいな作品もありました。そのムーブメントはあがったり下がったりを繰り返しながらも、東映の戦隊やライダーとともに、未就学児を中心とする子供のヒーローブランドであり続けてきました。
 
 そしてテレビでの完全な新作はないものの、今年もウルトラ映画の新作がやってきたのです。
『ウルトラマンサーガ』!



 初めそのデザインを見た時は『エェ、こういうのありかよ!』でした。不動明王のような、クリスタルでできた縄文土器のようなデザイン。まるで今までのイメージではないウルトラマン。それでも公開を待ちました。そして徐々に明らかになるその内容。
 主演のウルトラマンゼロに変身するのは竹下元首相の孫、ロックシンガーのDAIGO! マジかよ? しかし、よく考えてみれば、ウルトラマンキングの声を小泉元首相が当てたこともあるので、ウルトラと政界はどこかで細ーい繋がりがあるのかと思えば納得。

 そして競演にはウルトラマンダイナことつるの剛士に、ウルトラマンコスモスこと杉浦太陽という、『コレってお茶の間で人気者になったウルトラ俳優をキャスティングしただけなんじゃね? 客集めも大変だぜ』と邪推してしまいました。
 それにとどめは地球防衛隊約にAKB48からの選抜メンバーが! 

 日々増殖を繰り返し、各種メディアに侵入するAKB、ついにウルトラの世界にもやってきたのか? しかし、コレも今に始まったことではなく、仮面ライダーWにもメンバーが準レギュラー出演していたし、『真マジンガー』のエンディングはSKEのデビュー曲だった。俺の好きな作品に徐々に侵食するAKB! しかし、思い出せば『ゴジラ・モスラ・キングギドラ・大怪獣総攻撃』の併映はモーニング娘。がゲスト出演した『とっとこハム太郎』だった。アイドルと、特撮怪獣ものの結びつきなんて、昭和36年の『モスラ』で人気絶頂アイドルだったザ・ピーナッツが小美人役で出た時からあるし、それも気にはならなくなってきた。それらがいかに結びつき、どういう結果をもたらしてくれるのか、吉と出るのか、凶とでるのか。
 予告とメイキングをネットで少々見る以外は、情報をシャットダウンして、今日に望んだ。 
 
 傑作! だって、見終わってからずっとこの映画のことが頭から離れない。それはなぜだ? 色々な理由はある。個人的にはこれがヒーロー映画でありながらも純然とした『怪獣映画』だったからだ。
 今までの『大人数対大人数、ラストは巨大な敵にみんなで立ち向かう』、ウルトラ映画の様式を覆し、ウルトラマンも三人なら、怪獣も五匹と数を絞り、その結果、それぞれの見せ場をじっくりと見せることに成功している。

 それに、懸念していたAKBの起用も画面に違和感なく溶け込んでおり、逆に彼女たちでないとこれは成り立たなかったのでは? と思えるほど。特にリーダー役の秋元才加さんは、実に『かっこいいお姉さん』を演じておられた。終盤なんてまるで武士の風貌だ。褒めてるのか? 褒めてるよ。

 客寄せパンダ(失礼)と思っていたダイナ、コスモスもそれぞれの後日談としてしっかりと作られていた。それぞれのファンも納得し、かつウルトラ兄弟を出さずにあえて彼らをチョイスした意味が映画ではっきりと分かるつくりになっている。

 そしてシリーズ中最大の異形ともいえるウルトラマンサーガがとてつもなく強く、カッコイイ! ついでにハイパーゼットンは憎いほどに強く、極悪なラスボス怪獣の貫禄充分である!

 アーストロン、ゴメスといったどことなくゴジラを思わせる正統派デザインの怪獣(実際ゴメスは元々ゴジラの着ぐるみの改造、アーストロンの造形担当の安丸氏は後に84ゴジラを手がける)に、グビラという、とんでもデザインの怪獣、それにゼットンとかつては不細工なゼットン二代目でやって来た不細工なバット星人が、かっこよくなって復活。おかひでき監督(16ミリ作品『ひとけたの夏』以来の劇場作品?)の怪獣愛、特撮愛が伺える演出。
 あらゆる場面で『掟破り』な映画だと思う。しかし、これがまた心地のいい『掟破り』だったし、ウルトラシリーズはいつもそうやって既存の殻を割って成長してきたよなあ、といまさら思った。

(これより以下、箇条書きにネタばれ)




















 ゴメスの登場シーンはもろ『モスラ対ゴジラ』のゴジラ出現シーンのオマージュで嬉しくなってしまった。
 アーストロン対ダイナ戦は『キングコング対ゴジラ』以来恒例の、尻尾をつかんでのジャイアントスイングが炸裂! ウルトラ映画で、東宝怪獣映画のオマージュが見れるとは思ってもいなかった。
 
 ゼロと主人公タイガとの関係もいい。通常だと、人間がウルトラマンと一心同体になると、人間としての意識は無くなってしまう。しかし今回はタイガにゼロが憑依したものの、お互いの意識は独立しており、通常ゼロはブレスレットの中に封じ込まれた形になり、タイガと会話するという画期的なパターンをとっている。最近のライダーシリーズではよくある『自我を持つ変身アイテム』の変則的な、ウルトラ的な解釈か。
 そのタイガも、史上初の『変身するチャラ男』であり、軽妙な演技が、前半のコミカルなシーンを盛り上げている。そして彼が納得しないと、ゼロは変身しても普段の大きさにはなれないという設定も面白い。
 タイガが変身を拒否したため、身長10メートルほどにしかなれず、子供たちにからかわれながら戦いに挑み、苦戦するゼロ。初期の『キン肉マン』のようだ。

 チャラ男のタイガも、女だらけの防衛組織も実は裏があった。人には言えない暗い裏を取り払い、初めて彼らは前に進める。
 ウルトラマンと人間が手をとり、打倒バット星人、打倒ゼットンのみに絞られていくシンプルかつ熱い後半の構成。
『なぜ人間の味方を?』と尋ねるバット星人に『んなこと知るかよ、昔からやってるからだよ!』とヒーローらしくない返答のゼロ。

 そして、ゼロ、ダイナ、コスモスの三人が合体したウルトラマンサーガ!
三人が合体するという設定は『トリプルファイター』のオマージュかと思ったが、絶体絶命の危機にたりないところを補い合い、強大な力を身につけるというのは永井豪の『魔王ダンテ』を思わせる。そう、この映画はウルトラ映画でありながら、アイドル映画でもあるし怪獣映画でもある。そしてさらにはダイナミックプロな映画でもあった。腕のギザギザはゲッターロボか? と勘ぐってしまう。そういや、ゲッターも三つのマシンが合体するロボだった。
 
 今までは超がつくぐらいの巨大な怪獣がラスボスで、ビジュアル的な強さを出していたのに対し、今回はその逆で、巨大な幼虫からウルトラマンたちと同サイズのゼットンが孵化するという形をとっている。それがとんでもなく強い。怪獣の強さに思わず身震いしたのはいつからだろうか。

 ゼットンが『ゼットーン』と自分の名を鳴き声にするのに倣ってか『サーガ!』と叫び、防衛軍のサポートを受けつつも圧倒的な強さでゼットンを討つ! 超能力も光線技も五分五分なら後は拳で解決するしかねえ! という原始的な攻撃方法。だてに縄文土器を模したデザインをしていないぜ。
 まさかのグーパンチで勝利! アカン、ソフビほしなった!

 そして、エンドタイトルが流れ、それぞれのその後が映し出され……最後は地球から見た日本の姿が。さらにカメラは寄って東北地方に。最後のこれだけは蛇足だと思った。確かに昨年の震災のことを考慮してのことだと思う。分かるのだが、この映画は見てもらえること自体で被災地へのエールになっていると思うので、要らなかったかなあ、と思う。 あと、アーストロンのソフビを出してほしかった……。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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