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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 それはバルタン星人がアカデミー助演男優賞を取ったぐらいの快挙、かもしれない。『ジョーカー』がベネチアで金獅子賞受賞! グランプリです、アメコミの悪役が。狂気をはらんだそのキャラクターは掘り下げれば掘り下げるほどに面白くなる。実際『ダークナイト』のジョーカーを演じたヒースレジャースもアカデミー候補にノミネート。あれ、受賞したっけ。 



 漫画のキャラクターは映画賞を取るという前代未聞の出来事。これは見たい、アメコミ映画好きの次男も見たがってる、でもR15指定だ。あ、でもギリギリ行けるじゃないか。



 道化師の仕事をしながら置いた母の介護もするアーサー。見た目にも決して若くない。母とコメディ番組を見るのが楽しみ、ああ、自分もあの舞台に立ってみたいな、と思いつつも日々を過ごす。笑って過ごせればいいや、持病もあって笑いが止まらないこともある。それが、とあるきっかけで静かに爆発していく。もう、自分の生きる世界は喜劇なのだ、この世をコメディにしてやろう。



 内容に触れますが、シンプルに『アーサーがジョーカーになるまで』を描いた作品で、ジョーカーになって云々という話ではない。不平不満、怒りが一人の男を化け物に変えていく様を静かに描いている。のちに戦うことになるバットマンの要素はほんの少し、言われないとわからない程度に挿入。



 一緒に見た次男が『かわいそうな人がおかしくなって人を殺す映画』といっていたが、その通り。それ以上でもなくそれ以下でもない。アーサーが憧れるコメディアンにロバート・デニーロを配し『キング・オブ・コメディ』のテイストも。これも狂気につかれた男のお話だったなぁ。そしてごみごみした町の描写、薬に依存するアーサーの姿は『タクシードライバー』か。アメコミ原作なのに、なぜかデニーロをベースに。時代背景を考えると、アメコミよりもあの時の映画を参考にしたほうが、リアリティが出るのかもしれない。




 見終わってから、おかしくもないのにニヤニヤしてしまう。つらいことも悲しいことも笑いに転じれば何とかなる。そんなことをこの映画から勝手に感じ取った。でも暴力はいかんよ、暴力は。



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 先週も来た、そして今週も来た新世界東映。




 カタコトVS棒読み、そしてアドリブが乱れ咲く『ザ・カラテ』シリーズの奇妙な魅力につかれてしまったのだ。ブルースリーに追い付け追い越せ、で始まったと思われる東映カラテシリーズは、独自の路線を歩み、それぞれが個性的で、香港映画のそれとはまた違った魅力を醸し出している、ように思える。




 今週はそんな東映カラテから『ザ・カラテ3』と『女必殺五段拳』の二本立て! 見ないというわけにはいかない。






『ザ・カラテ3』はいつの間にか目が治った山下さん、ようやく運送会社の職を見つけ、九州へ。しかし、山下さんを狙う世界の強豪は後を絶たず、さらには九州制覇を狙う悪の武道集団と九州ヤクザが手を組んだ! 東映カラテにヤクザはつきもの、珍妙な海外からの刺客を相手に山下さん、どう戦う? まあ、だいたい前2作と同じフォーマットで山下さんの片言も全く変化なし、逆にそのぎこちなさが心地よくなってくるから不思議である。もちろん、一緒に九州までやってきた山城新伍のハヒーハヒーなアドリブも健在。今回はヒロインに早川絵美、ベルスターである。ベルスターを前にぎこちなく照れる山下さん、そして日本正武会の鈴木館長も出演。
『女必殺五段拳』は志穂美悦子の女必殺拳シリーズ第四弾。今回は京都、呉服屋の娘がカラテで麻薬組織を叩き潰すお話。特殊な職業の人でもなく、空手をたしなむ呉服屋の娘である。もちろん、道場は日本正武館。しかし、今回の鈴木館長は悦ちゃんの父親役、東北弁がきつい呉服屋の主人である。そう、鈴木館長はカラテの道場主ではなく純粋に俳優としての出演。
 
 悦ちゃんの妹分にジャッカー電撃隊・ハートクイーンことミッチーラブ。冒頭に組み手のシーンがあったり、本編でも悦ちゃんに負けじとアクションを披露。そして麻薬Gメンにいつもイラついた顔でネクタイがひん曲がっている渡瀬恒彦。
 麻薬組織は撮影所の中、しかもそこで働いているほとんどが組織の人間! 撮影所に秘密の部屋があったから、一部の人間だと思っていたらスタッフもキャストも麻薬組織! 黒い噂に事欠かない東映ならではの開き直った設定。クライマックスは撮影所でのアクションになるのでロケ行かなくて予算も安く上がるということなのか?






 悦ちゃんは振袖、ヒッピー、小姓姿と七変化、そしてカラテ。渡瀬恒彦も日本刀で切りまくる、もうカラテじゃない! 逃げる悪党が乗った車を材木積んだ台車を突っ込ませて止めるシーンを見て、あぁ、これ前に見たことあるわ、と思った。でも面白い。この時期の東映京都作品は当時の京都の風景も見れて楽しい。




 70年代の京都はヤクザと世界の格闘家が集まる暴力地帯だったのだ、そして何かあれば琵琶湖に逃げる!



 いずれも女ドラゴンも活躍する強烈娯楽編で満足。




 そして11月は狼ヤクザ、殺人拳2、百地三太夫と、またまた目が離せない。悦ちゃんの後は千葉ちゃんが来るぞ!

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最近、60~80年代の映画ばかり見てないか? 最近の映画を見ておこう、とロバートレッドフォード引退作『さらば愛しのアウトロー』を京都みなみ会館へ。


今年公開の映画だけど、舞台は80年代。レッドフォードといえば、最近はヒドラ党幹部だったりするのですが、個人的には『明日に向かって撃て!』のサンダンス・キッドである。アメリカを股にかける老強盗とそれを追う刑事の姿を並行して描くが、その鮮やかな手口と紳士的な態度で、憎めない。最終的に刑事が強盗にシンパシーを感じていくようになる。しわくちゃでもかっこいいレッドフォード。ヒロインはシシ―スぺイシス。70年代に大活躍した二人だ。



  イーストウッドも今年公開の『運び屋』で、図らずも犯罪に手を染める老人を演じていたけど、大スターが犯罪者を演じるという偶然。





 そして超大Rは『妖星ゴラス』『鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)怪星人の魔城』『地球滅亡寸前』の人類SOSな三本。




『スーパージャイアンツ』はあの手この手で地球を攻めるカピア人VSジャイアンツのおじさん。アクションに舞踊を入れたり、魔女や変装等々、江戸川乱歩の少年探偵団のテイストも。



 四年ぶりの『妖星ゴラス』は、地球を移動させるまさにザ・空想科学特撮映画。決まってマグマ不要論が起きますが、自分はありやと思います


以上、手短に週末のあれこれでした

























































































































































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 懐かしさに包まれた週末。心斎橋のアメコミカフェ&バー・クロスオーバーにて『トークアバウトDJフクタケ』へ。レコード、アメコミ関連のトーク、コレクターあるあるに、自分も大学時代同じ事やってなぁ、とニヤニヤしみじみ。





 フクタケ氏のCD『トイキャラポップコレクション』、おもちゃタイアップ曲のコンピレーションで、あの『マシンザウラー』も収録。アナログ持ってるけど聞けなかったので、これは嬉しい。


 イベントが終わり、パークスシネマへ。


待ちに待った『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト(ウエスタン)』。レオーネ作品が劇場で見れるという幸せ。今年は『ワンス~アメリカ』も上映したし、レオーネ当たり年。アクションする静止画というべきか、クローズアップにどんと引いたロング、とにかく一つ一つのショットが決まりまくっている。そしてそれをモリコーネの楽曲が盛り上げる! 





 肝っ玉未亡人の細腕鉄道繁盛期&復讐のハーモニカに無法者の最期、とそりゃ3時間弱の長尺にもなるわな。何度も見てるのに長さを感じさせない。長いのに説明不足、いやそこは『絵で見て察しろ』というレオーネイズムか。これ見たり、マカロニレコードあさったなぁ、と再び学生時代を思い出し、しみじみ、にやにや。



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 70年代、日本は空前のカラテブームだったという。『燃えよドラゴン』の大ヒットで、カラテ、カンフー映画が大人気。しかし、ブルース・リーはこの世にいない。動ける奴を探せ、とにかく空手ができるやつを探せ! 世界中の映画界がポスト・ブルース・リーを求めた。だってカラテ映画はそれほど金かけなくていい、しかも当たればでかい。日本映画もご多分に漏れず、独自のカラテスターを探した。そこで白羽の矢が立ったのが、すでにアクションスターとして人気のあった千葉真一。あの『ょす! にぃよす!』という独特な掛け声から繰り出される空手は人気を博し『殺人拳』『地獄拳』等々、数多くの東映マーシャルアクション映画の主演を務めた。しかし、当たり前の話だが千葉真一は一人しかいない。


『もっと他におらへんのか!』



 カラテ映画という鉱脈を掘り当てた東映は、次なるカラテスターを探した。しかし、そうそう体が動く俳優がいるわけもない。そこで逆転の発想『そうや、空手できるやつに俳優やらせたらええやんけ!』が生まれた。そして、アメリカ在住の空手家、山下タダシに声がかかったのだった……。




 以上、妄想です。たぶん当時そんなことがあったんじゃないかな、と思ったので。洋泉社『ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進』を何度も読んだ身としては、その名を何度も目にした山下タダシとその主演作『ザ・カラテ』シリーズ。本物を使ったカラテ映画とは、いったいどんなものだろう? ソフト化もされておらず、いや、されていても見ようとは思わなかったかもしれない。



 そんな『ザ・カラテ』が三角マークの映画を積極的に上映する、大阪のオアシス、新世界東映で上映! 一仕事終えたので、見に行くことにした。


『ザ・カラテ』
世界武道大会に出場するため、アメリカから京都にやってきた山下さん。ラーメン屋のお手伝いしながら、武道大会の裏に潜むどす黒い陰謀を空手で解決する。
『ザ・カラテ2』
武道大会が終わったものの、まだ京都在住の山下さん。前回敵によって両目が見えなくなってしまったものの、空手の技は衰えず、世界中の武術家に狙われることに。今回は名刀を盗んだ武術集団と対決する。




 
 以上、ざっくりとした2作品の解説。主演の山下さんは、空手の腕前はすさまじい、鎌ヌンチャクもトンファー捌きも鮮やか。対する世界中から集められた武術家も胡散臭いものの、かなりの動きを見せて、山下さんと好勝負を見せる。武術大会、盗まれた名刀というメインの話に、やくざじみた武術集団という、いつかどこかで見たような東映カラテフォーマット。しかし、主演の山下さんは俳優ではない。ヒゲ面で西城秀樹を模したようなもわっとしたヘアースタイル。どう見ても、主演の顔ではない。しかも演技が棒読み、というかそこはアメリカ帰りということで片言。棒読みの片言という感情が全く見えない演技。しかしそれでも山下さんは一生懸命怒ったりものを食べたり、照れたり、笑ったりを演じる。カラテに真摯に向き合ってきたであろう山下さんは、演技に対しても真剣に向き合っている、棒読みだけど。


 対する世界中からやってきた、怪しげな流派の武術家たちももちろん外国人。よって台詞はもちろん片言の日本語。




『ヤマシタァ、オマエヲタオスー』
『ヨオシ、カカッテコイ!』



 そんなやり取りが続く。よって台詞のない、アクションシーンになるとなぜかほっとした。


 片言VS棒読み、さらに山下さんが身を寄せる日本正武館の、鈴木館長も出演作が多いものの、空手はプロでも芝居は素人。こなれているとはいえ、どこか微妙。さらには館長の娘役堀越陽子さん(常に和服、着物はだけてのパンチラキックもあり)も女優さんなんだけど空手の型がばっちり決まっていたので、この人も素人では? と錯覚してしまう。棒読みに見えてくる! 恐るべき片言棒読み地獄! 



 これが延々続くのか、もうずっと戦っていてくれ! あぁ、どっちにも福本清三が別の役で出ている、怖い! しかし心配無用。山下さんが下宿するラーメン屋。カンフー映画のポスターがそこら中に貼られている、マニアなら行ってみたいお店。でもラーメンは汁っ気が少なくてまずそう。そんなお店の厨房で働くのはあの男、主人の孫娘が帰ってくるなり『身体検査か?検便取ったか、虫おったか?』と、ティーン女子にずけずけと下ネタをぶつける男、山城新伍である。棒読みと片言の渦の中、どうせ誰もわかるまい、と思ったかいつも通りのマイペースなのか、限りなく出演シーンに笑いをハヒーハヒーとギャグをぶち込んでいく山城新伍。言葉でのコミュニケーションが不自由ならば、言葉の遊撃隊をぶち込んでおけ! という趣旨だったのかもしれない。



 このギャグ要員山城新伍とラーメン屋との交流が、殺伐とした『ザ・カラテ』シリーズをマイルドなものに仕上げ、片言の青年の協力者というポジションにうまく収まっていた。
 1、2作ともにクライマックスは鈴木館長親子も巻き込んでの乱闘になるのがパターン。しかし、2にはあのヤン・スエが出演。筋肉ムキムキの不愛想、こんな顔のおばちゃんいるよねと思わせるヤンスエが京都に! しかも山城新伍との夢の顔合わせも実現。誰が望んだ、この組み合わせ!  




1作目で両目を負傷した山下さんは、2作目では全編盲目という設定。なぜその設定? 『座頭市』テイストも盛り込みたかったのか、単なる気まぐれか? 素人俳優にさらに盲目の演技を強いるとは。ひょっとしたら、山下さんの目力が強すぎるので、その目を塞いだのか?



 日本人、少年たち、山城新伍の交流を経て山下さんは強くなる。棒だ、素人だという評判ばかり目にした『ザ・カラテ』シリーズ。慣れてくるとそのアットホームな雰囲気が心地よくなってくる。もちろん世界中から刺客もやってきて、血生臭さはぬぐえないけど。これは同じメンバーで作られた3作目も見ないといけない、そんな気がしてきた、というか見たい。3本も作ったんだから、それなりにヒットしたんだろうな。同時上映『女必殺五段拳』。ここにも鈴木館長出演、とのこと。ガンバレ山下さん!



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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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