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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 9月は特にいそがし……かったような。
週末は奈良へ京都へ古都めぐり、友人たちと家飲みしながら傑作『ウルトラマンサーガ』の鑑賞会、と充実しておりました。

 そして月が替わり、次の仕事の仕込みもそこそこに珍SFの評判高い『アイアンスカイ』を見てまいりました。近年侵略者、宇宙人ものが復活の兆しを見せており、というか、流行しておりますな。『スカイライン』『ロサンゼルス世界侵略』『バトルシップ』、それに『トランスフォーマー』『アベンジャーズ』も宇宙からの侵略だし、、オマケに『宇宙人ポール』『第9地区』『スーパー8』もありました。
 地球、特にアメリカはそのために甚大な被害を被っている模様。
 最近はトランスフォーマー風の生態メカ型の侵略兵器が流行のようで。

 そんな中、やってきた今度の侵略者は『ナチス』! そう、あのナチスドイツ!

 1945年、密かに月の裏側に逃れたナチス残党が、軍力を蓄え、密かに地球への反撃を狙っていた……というお話。

 くだらねえ、ベリーベリーくだらねえ! でも大好きだ!

 昔から『UFO=ナチの秘密兵器』説や、『ヒットラー、UFOに乗って南極に逃亡』などのナチスとUFOの与太話は数限りなくありました。
 
 中でも傑作なのはアメリカかどこかの田舎町で、地元民がUFOから下りてきたナチの軍服姿の男に『飲み物と食い物かってこい』と、パシられそうになったコンタクト事件。どこで読んだのか、ネットを探しても出てこなかったので、与太話中の与太話ということで、誰も深く取り上げないんでしょう。

 ともかく、そんな与太を大真面目に作ったのがこの作品。

 人気取りのためだけに月に送られた黒人宇宙飛行士(実はモデル)を拉致し、最新コンピューター(iphone。月面ナチの科学技術は遅れているのだ)を奪いに地球にやってくる月面ナチ御一行。片や再選のため、でかい花火を打ち上げたい、アメリカ大統領。

 バカ映画の体裁をとりつつ、侵略者に対する各国の思惑と、世界のリーダーでありたいアメリカの滑稽さをなんとなく描いている。監督はフィンランドの人なので、外国から見たアメリカのバカっぽさを皮肉っているのだろう。

 フィンランドといえば『レニングラードカウボーイズ』で有名なカウリスマキ兄弟がいるが、この映画もばかばかしくもどこか微笑ましい感じがするのは,お国柄なのか、おれの気のせいなのか。
 
 国連の大会議室の様子や、ナチスに洗脳された黒人がなかなか『ハイル!』と右手を上げようとしないところなど政治風刺SFの先達『博士の異常な愛情』へのオマージュも見られる。

 ナチス風刺映画『チャップリンの独裁者』が、ネタに終らず、きちんと伏線になっているのもいい。

 とはいって『知っていないと笑えない』ネタばかりでない。鍵十字型の巨大要塞、月面を走る、ドイツ軍サイドカーや、フォルクスワーゲンなど、『目で見て分かる』ネタのほうが多い。

 月面ナチスは悪いことしている。でもそこで暮らす人々はナチスを信じる善良な人たちだ。片やアメリカ人は、マリファナ栽培をしたり、ファッションでナチスを気取ったり、チンピラだったりする、その対比が面白い。

 そして宇宙空間を進軍する巨大飛行船はばかばかしさを越え、カッコイイ。まさに松本零士の世界である。

 くだらなさを堂々とビジュアルに仕上げたその心意気やよし、アメリカでは作れそうにもない題材をよくやってくれたものである。

 くだらなさ過ぎて今年のベスト映画になりそうだ。

 A9i44.jpg
劇場でもらえる『アイアンスカイ』と『戦場のヴァルキュリア』のコラボカード。
しかし、ゲームやアニメ好きな人は劇場に来ないし、映画なんか見ないよ、これは無理のあるコラボだよ! 見てもすぐに理屈つけたがる設定廚ばかりだ(問題発言。でも大体合ってる)。
 
 まあ、だからこそ多くの人に見てもらって話題にしてもらいたいんですがね。

 でも大阪梅田では始まったばかりだというのに、一番小さい劇場でした。嗚呼。

追記:前述の『UFOから下りたナチス軍人が地元民をパしらせる』ネタ元は矢追純一氏の著作であったことがマイミクさんからの指摘で判明。厳密にいえばSS のオットースコルツェニーという実在の軍人さんでした。UFOからおりた彼はドイツ訛りの英語で、近くにいた農夫に『腹が減ったから何か食うものを買ってきてくれ』と10ドル渡したそうです。いずれにせよ、パしらせたわけです。1964年、アメリカ、ネバダ州の出来事でした。スコルツェニー自身はまだ存命中ですが、まさかねえ。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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