忍者ブログ
 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
[13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 
 働いていない時は、家で映画か、外で映画を見る毎日。昨日はメンズデーだったので、MOVIX堺で『運び屋』を見る。最近は監督業に専念しておりましたが、クリント・イーストウッド久々の映画出演。中学の時、父の持ってた『夕陽のガンマン』のシングルレコードからマカロニ、そしてダーティハリーはじめ数々のアクション映画に触れた身としては、見ないわけにはいかない。



 お話は実在した90歳の麻薬の運び屋をモデルにしており、最近のイーストウッドさんは実話の映画化が多いなあ、一人でアンビリーバボーやってるなぁ、と思う。




 映画が始まり、すぐにその姿を見せるイーストさん。『うわ、ジジィ!』当たり前だ、もう88歳だ。しかし、こんなに老けていたっけと思うぐらいにシワシワでよぼよぼ。大丈夫なのか、と見ていて心配になってきた。




 ディリリーという珍しい種類の百合を栽培して業界でも有名、みんなからもちやほやされるイーストさんでしたが、時代の波には逆らえず、ネット販売に敗北し、屋敷を差し押さえられてしまう。途方に暮れたイーストさんに、ある筋から『車を運転するだけで稼げる』仕事の話を持ち掛けられる。ただ車を転がすだけでかなりのギャラがもらえる美味しい仕事、しかしそれがヤクの運び屋だと、彼は途中で気づいてしまう。



 暗く重い、犯罪ドラマかと思いきや、イーストさんは実に飄々と、楽しげに役の運び屋を演じている。長距離ドライブで、時に歌ったり、寄り道したり、困ってる人を助けたり。高齢者で無事故無違反というのが組織としても都合がよかった。実にナチュラルな運転で、逆に警察からも疑われない。そんなイーストさんを、お目付け役も快くなく思ってはいたが、若造の忠告、脅しも何のその、イーストさんのマイペースっぷりに、巻き込まれてしまうことになる。




 初めはよぼよぼだったイーストさんも仕事が順調になってからはツヤツヤ、いきいきとし始める。最初は時事だとなめてかかっていた組織のチンピラたちも次第にその実力に敬意を示すようになる。




 ところが一方では麻薬取締局が麻薬組織の一斉摘発に動き出していた。果たしてイーストさんはうまく逃げ切れるのか?




 おかしなことに、アカンこととはわかっていても人間、お金を持つと自信が見る見るついてくるもので、今まで仕事一筋でないがしろにしてきた家族に向き合ったりするようになったり、ついでにコールガール2人を相手にするなど、あっち方面もお盛んになる。
ほぼ絶縁状態になっていた娘役に、実子をキャスティングするところは、イーストさんは主人公に自分自身をだぶらせているのでは、と思う。前回の『岬の兄妹』もそうだけど、アカンことに手を染めた人間がイキイキとし始めると、こっちも応援したくなってくるのですな。




 見ていて愉快な高齢者の違法ドライブ、戦争帰りのタフネスさからなのか、生来のものなのか、相手がチンピラだろうと組織のボスだろうとフランクに語り掛けるフレンドリーな性質。彼は罪ではなく、これまでの家族を放ったらかしにした人生を償いたかったのではないか? そんなことを思うラスト。そしていつものようにカメラがクレーンアップし、ジャジーな曲が流れだす、ああ、イーストウッドだなあ。昔だったらチンピラに鉄拳制裁だな、ヘリを撃ち落としてたな、とか、かつてのイーストウッド映画を思わせる箇所もちらほら。そもそも流れ者役が多かったのだ、馬から車になっても彼は今も家族を持たずにさすらっていた。



 先日見た『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』から続く、レオーネからイーストウッドの旅。世間がどう言おうがこの人の出発点はマカロニなのだ。そんな彼の作品を扱ったドキュメンタリー『サッドヒルを掘り返せ』が近日公開予定。これをもって、この旅も終わる。

 そんな、コカインの運び屋の映画を見た夜、とある俳優がコカイン所持で逮捕というニュースを見る、そんな白い粉の一日。

拍手[0回]

PR
 先日のこと。講師を務める専門学校の卒業式と謝恩会があった。卒業式はあれだけど、謝恩会はたくさん飲み食いできるから、それに今年の卒業生はよく頑張っていたから、という理由で出席。慣れないスーツでバイクにまたがり、会場のある梅田へ。ひょっとしたら一生かかっても泊まれないんじゃないか、という高級ホテルの宴会場でたくさん飲んで、食った。飲んだといってもジュースとお茶でしたが。


 その帰り、少し気になる映画があったので、見てみようかと思った。梅田なんてそうそう行く場所ではないし、ましてや映画館も普段いかないような場所なので、ここがチャンスと思ったのですが、上映まで時間がかなりあった、しスーツもさることながら、革靴がきつい。時間つぶしに大阪駅前ビルをウロウロしているだけで、疲れてしまったので断念。ミニシアター系の映画は全部みなみ会館で見てたからなあ、梅田行くよりも京都の方がはるかに遠いけど、そっちに慣れてしまっていた。しかし、この機会を逃すと次はいつ見る? 上映館の数も大阪だと梅田と茨木のみ。週末、いつものように寝屋川に行くのなら、茨木の方が近い、それについでだからハシゴしてやろう、と仕事上がりに茨木のイオンモールへ。
 
 まるで水と油のような2本。いや、どっちも兄妹の映画だ。


『岬の兄妹』は新聞等でその評判を聞いており、内容も何となくは知っていた。どうも障害者の施設で働いているせいなのか、そういった人にスポットが当たる映画は気になってしまう。仕事熱心? いやただの興味本位ですな。


 
 
 知的障害を持つ妹に、足の悪い兄、仕事はリストラされ、バラックのような家で二人暮らし。電気代も家賃も滞り、食べるものにも事欠く始末。そこで兄は妹に売春させることを思いつく。貧困、売春、障害……見たくないもののオンパレード、嫌悪感の宝箱のような映画である。でも見ていて苦しくはなく、時に笑ってしまうような場面に出くわす。アカン人はアカンやろうけど。売春という違法行為に手を染めていくうちに、この兄弟がどんどんとイキイキとしていく。アカンことをしてはじめてこの二人は、社会に入り込むことができるという矛盾。情けない人間の屑のような兄が徐々に頼もしく見えるから不思議だ。生きるために戦う姿には、爽快感すら覚え、二人の暮らしっぷりがよくなるにつれ『よかったねぇ』と思えてくる。



 
 やがて妹は心と体に変調をきたし、兄にも転機が訪れる。もういいや、と思ってあきらめてから好機がやってくるのはたまにある話で、そんな時『先に言えよ!』と叫びたくなる。これは決して異世界の話ではなく、たぶん日本のどこかで起こっている話かもしれないし、自分たちの話なのかもしれない。とにかく心に引っかかる超重喜劇。



 
 知的障害者を演じる和田光沙さんが素晴らしい。見事になり切っている。障害者を演じる際は、バカになればいいというものではなく、言動にちょっとした『ズレ』がないといけない、と思う。そこに自分の世界を持って生きている感じ。それがよく出ていたし、客をとる時はそれにプラス快楽に溺れないといけない。それを見事に表現している。本物、ではないけど『それらしさ』が実によく出ていた。



 
 重くておもろい兄弟の映画を見終わってすぐに、次の映画。いったん劇場を出て、改めて入り口でチケットを見せて広い広いシネコンを走らないといけないのがしんどい。
 
『劇場場ウルトラマンR/B(ルーブ)セレクト!絆のクリスタル』さっきとはまるで世界の違う映画だ。『岬の兄妹』がリアルのウソなら次はウソのリアルだ。
 



 お話はテレビ版の後日談、というのはここ最近のウルトラ映画の定番。あれから一年、みんながそれぞれの道を進んで行くのに対し、何もできない自分は……と悩む湊カツミ(ウルトラマンロッソ)。



そこに謎の超人ウルトラマントレギアによって、ドロップアウトし引きこもりになっていた友人が怪獣スネークダークネスに変えられてしまい……。
 
 
 冒頭、逆立ち状態でビルに突き刺さるウルトラマンロッソ、というインパクトのある画で映画が始まる。一方弟のウルトラマンブルはウルトラマンジードとベムスター、ガンQ相手に交戦中。一体何がどうなった? というところから時間がさかのぼり、物語が進んで行く。



 今回の敵は、怪獣を操ったり時空を移動したりできる謎の超人ウルトラマントレギア。トレギアの手によってカツミの友人も怪獣に変えられる! ダメ人間をモニター越しにそそのかす姿はグリッドマンを思い出させる。



 そしてなぜか別世界のウルトラマン、ジードも召喚、何がしたいのか最後の最後まで謎のままでした。新怪獣スネークダークネスは最初、その真っ白いボディと安直な名前にちょっとがっかりしたけど、劇中でその謎に触れていたので納得。



 怪獣出現、いざ変身、横を見ると知らない男も変身しようとしている、『あ、どうも』な感じで、場所を移動……ヒーロー競演ものの定番を崩した展開も面白い。


  
 ゲストながらも場面をさらうメカゴモラにピグモン軍団。ヒーローよりも怪獣に目が行く身としては、思わぬサプライズ出演な怪獣たちの登場にニヤニヤしてしまう。ピグモン、スーツ3体もあるのか! 


 


 今回の目玉、湊兄弟の末っ子アサヒの変身するウルトラウーマングリージョも、スーツなのに、仮面なのに女子っぽさがにじみ出る動き。ロッソ、ブル、グリージョの三人が合体するウルトラマングルーブの変身シーンは、トリプルファイターなのかな。これがまた、装飾過多なのにスタイルがいい。小顔なんですな。フルCGによる空中戦からの必殺技合戦、と例年通りなんですが、これをいかに変化をつけていくのかが見どころでもあり作り手側にすれば苦労の種かと思います。
 



 短い尺の中にぎっしりと怪獣とヒーロー、それに『ウルトラマンになった者の宿命と卒業』みたいなものが混ざり合って、破綻せずにまとまっている。
 



 入場者のプレゼントのウルトラ自由帳はグリージョでした、ハッピー。
 


 
 日本映画というだけで、全く毛色の違う二本でしたが、どっちも兄妹が体を張って頑張る(特に妹)話であるし、異変を前に絆が深まっていくのも一緒。ミサキとミナトの兄妹でした。
 
 
 それにしてもイオンモールはデカい、駐車場はもっとデカい。


 帰りにクレーンゲームでモササウルスを一発で取れてハッピー。
 

拍手[0回]

 見たいものは見れるうちに見ておけ。



 前回の『ロボコップ』に続いて、今回も80年代の映画。新作映画がバカバカ公開されているのに、後ろ向きである。しかし、見たいものは見れるうちに見ておけ、である。


 午前十時の映画祭『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ・ディレクターズカット版』である。まずタイトルが長い。それに上映時間4時間11分と、尺も長い。午前十時に始まったとしても、終わるのは14時過ぎである。その日は午後から仕事、間に合うのか? 間に合わせるさ、と家を出たら……雨だった。仕方ないので車で出発。映画は難波のTOHOシネマズ。近辺に止めるよりも新世界辺りに止めた方がうんと安いし、そこから歩いてもたかが知れてる。雨の中、新世界から日本橋を抜け、ひたすら歩く。




 


 何とか映画館にたどり着いて、時間も間に合った。ここから4時間強の昔々のアメリカのお話が始まる、果たして寝ずに見れるか?




『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』はマカロニウェスタンのパイオニア、セルジオ・レオーネの遺作である。これをスクリーンで見れる日が来ようとは! と最終日ギリギリに滑り込んだ。作品数は6本と少ないながら『荒野の用心棒』がヒットし、『夕陽のガンマン』でマカロニの金字塔を打ち立てたのち、『続夕陽のガンマン』辺りから『ウェスタン』『夕陽のギャングたち』と、徐々にスケールと上映時間がアップしていくレオーネ映画。『ワンス~』も最初見た時は3時間ぐらいだったのが、ソフトが出るたびに尺が伸び、今回は監督の当初の構想通りの編集で4時間11分になったらしい。上映前にその旨がテロップで出ていたが、散逸していたフッテージやテストフィルムを何とか4Kにリマスターしたとのこと。監督が死んでもフィルムは生きているのだ。



 今まで西部開拓時代や南北戦争、メキシコ革命等々、イタリア映画だけどアメリカの歴史を描いたレオーネ監督がついにアメリカに上陸、1920年代から60年代、ニューヨークのユダヤ人の生き様をゆったりとしたテンポと、いつもながらの容赦ない暴力で綴っていく。禁酒法時代のニューヨークの様子を完全再現した美術の豪華さ、そこに生きる人々、エキストラの多さに目を見張る。そんな中に生きる少年たちがいつしかギャングとして成功していくまでをゆったりと描いていく。友情と裏切りというレオーネ節も健在。冒頭、ギャングが何かを探し回っており、それが主人公のことだと徐々に明らかになっていく見せ方も、『ウェスタン』や『続夕陽のガンマン』でも使われていた。なぜ追われているのか? ここで物語は主人公ヌードルスの過去へ、そのまた過去へとさかのぼっていく。





 長尺のギャングものという事で『ゴッドファーザー』と比較されがちだけど、あちらは組織、ファミリーの物語であるのに対し『ワンス~』は個人の物語である。一人のユダヤの悪童の成長と切ない別れ、である。禁酒法時代が終わり、アメリカが新たな一歩を踏み出した時、ギャングもまた過去のものになっていく。ヌードルスの、仲間を想う気持ち、友情から起こした裏切り行為、しかし彼自身もすでに裏切られていた。すべてが明らかになるのには、30年の時間が必要だった。
 

 しかし、長かった。途中で休憩が入るのが3時間を超えたあたり。そこから残りの一時間ちょっとですべて解決するのか? と見ていてハラハラしてしまった。レオーネ映画お約束の一対一の対決もラストにちゃんと用意されているが、派手さはなく、静かに決着がついていく。新たに追加されたシーンは元のフィルムの状態が悪かったせいか、明らかに画質が違うし、『これ、いらんのと違う?』と思うものばかりだった。肝心の部分はぼやかして、とにかく人間ドラマをゆったりと描くのがレオーネの意図だったのだろうか。
 


 4Kで甦る若きジェニファー・コネリーの美しさと、胡散臭いオヤジ世界チャンピオンバート・ヤングの意地汚さ。デニーロはよく腰を振り、体に悪そうなクリームたっぷりのケーキが食べたくなる、そんな映画。しかし長い。でも最後のなにもかもやり切ったデニーロの笑顔とモリコーネの美しい音楽に救われたような気がする。


 レオーネはこのあとスターリングラード攻防戦を描いた映画を製作したかったらしいけど、完成したら5時間越えの超大作ができたんじゃないか、と思う。編集とかそんなことよりもとにかく見たい絵を撮って繋げろ!




 上映が終わると、駆け足で駐車場に戻った。雨はもうやんでいた。昔々アメリカでは仲間のために裏切った男がいたけど、現在大阪の片隅では仕事に追われる男が一人、いたのだ。何とか、間に合いましたが。
  

拍手[0回]

 
 出会いのタイミングというのは大事なもので、どれだけ数を見ても十代のころに見た映画のインパクトは強烈なものでして。


 これは個人的な意見で、人によっては20代、30代の方が印象に残ってる方もいるでしょう。自分は十代、中高生の頃なんですな。それがまたちょうどいい具合にいい感じの映画がやってきた時期でもありました。80年代後半はいわゆるSFX映画がブームだったんですな。猫も杓子もSFX、あるいはスタローンとシュワルツェネッガーの筋肉路線、あるいはジャッキーチェンが限界を超えて死線を彷徨うほどのアクション、そんな中学生が見たらおかしくなりそうな、おかしい中学生が見そうな映画がどかどかとやっていた頃。



 それは世代によって違うのは当たり前のことで、人によっては70年代パニック映画だったり、60年代マカロニウェスタンだったり、ぐっと下るとアメコミ映画だったりするのだ。十代の映画との出会いは素敵な衝突事故なのです。

 そんな中の一本に『ロボコップ』がありました。ある日、父親が映画館でもらったといって一枚の新聞をくれました。ロボコップと書かれたタイトルにアメコミ調の漫画、ロボコップ図解に使用銃器の解説……いっぺんに魅了されました。いやひょっとしたら映画の情報自体はすでに知っていたかもしれません。とにかく、アメリカからかっこいい正義のロボット映画がやってくる、デザインもメタリックで宇宙刑事ギャバンみたいでかっこいい! 実は仮面ヒーローに馴染んだ身としてはあの『口が出ているデザイン』というのはどうにも好きになれませんでした。ライダーマンとか。でもそんな考えを払拭してくれたのがこのロボコップと翌年公開のバットマンだったのです。それにロボット、人造人間の類はちょいちょい映画に出ていましたが、だいたいが悪役。その最たるものが『ブレードランナー』のレプリカントとターミネーターだと思うのです。アメコミ映画全盛の今ならまだしも、30年前は正義のロボットヒーロー映画というのも珍しかったのです。今でも珍しい? 
 映画館で前売りを買ってロボコップメモ帳をもらい、映画を見終わたらサントラCDを買い、ビデオが出れば……。ちなみに同時上映『サンタリア魔界怨霊』悪魔にとりつかれた子供とその父親を描いたホラーだったと思う。1988年の正月映画第二弾はロボコップと帝都物語という、特撮映画、アクション映画の新しい波がやってきた時期でもありました。これで世の中が変わる、と本気で思ってましたが、あまり変わりませんでした。

 無敵のボディに3点バーストのごっつい銃オートナイン、時折アイデンティティに悩む姿、コマ撮りで動くED-209、コブラ砲……とにかく中学生にとって『ロボコップ』は強烈なインパクトを残してくれたのです。もちろんバイオレンスとこま撮りが強化された2も、さらにアニメっぽくなってついに空を飛んだ3も大好きです。
 そんなロボコップが、劇場に帰ってくる! というわけで『サスペリア』と『ロボコップ』が並び、時空が歪んでいるような京都出町座へ。


 
 ビデオやDVD、ブルーレイで何度か見ているけど、劇場で見るのはひょっとしたら公開時以来かも。久しぶりに見たロボコップは……無敵のボディに3点バーストのごっつい銃オートナイン、時折アイデンティティに悩む姿、コマ撮りで動くED-209、コブラ砲……当たり前だけど中学生の時と一緒! ここが和歌山国際劇場だったら売店でチョコフレーク買ってもりもり食べながら見ていたはず! いい年こいたおっさんだが、見ている間は中学生に戻っていた、はず。場内にはそんな『元中学生』が他にもいた、はず!


 『思い出補正』というものは、実際よりもかなり上乗せして記憶されていることが多いが、この『ロボコップ』に関しては、血糊と火薬量が思い出補正を上回っていた。ドバドバ血が出て、ボカンボカン爆発していた。ガソリンスタンド一軒爆破させて、その中をロボコップが歩いてるなんてどうかしてる。

 
 ロビーには著名人によりロボコップポストカードの展示。このポストカードはランダムに入場者プレゼントにもなっていた。正義のロボット映画には入場者プレゼントは必須!

 帰宅時はもちろんサントラCDをかけながらロボ気分でロボ帰宅。序盤で盛り上げるだけ盛り上げて大爆発するあのテーマ曲は、まさにヒーローソングの趣。そして帰宅すれば、今度はブルーレイの吹き替えでロボコップを再見。

 出町座のある商店街には古本屋が二軒、それに館内にも古本コーナーがあり、上映までの時間つぶしにはちょうどいい。もしそこでロボコップのパンフレットと出会えたら、こんな素敵な偶然はない、と思って探したけど。

 東宝映画ばっかり発掘してしまった。これはこれで良し。

 結局ロボパンフはうちの物置から引き揚げてきました。

 もし今度、ターミネーターやランボーがリバイバルされたなら、その時は再び中学生に戻るだろう。あの時に戻って、映画を楽しむに違いない。そしてチョコフレークをもりもり食べる。で、持ち込み禁止で怒られる。

拍手[1回]

 先日、時間ができたので子供らと映画に行こうという話になった。中二の次男は『アクアマン』、小六の娘は『メリーポピンズ・リターンズ』だろう、父はどっちに行く? と迷っていたら、二人とも『ボヘミアン・ラプソディ』を見るという。さすがロングラン大ヒット、アカデミー賞候補だけある。テレビでもたびたび取り上げられていたから、いつの間にかクイーンは、うちの子供たちの興味もがっちりつかんでいたのだ!



 思えばあのお下品熊映画『テッド』で、『フラッシュ・ゴードンのテーマ』が使われていたのがそもそものきっかけだった。ちなみに子供らはフラッシュ・ゴードンは、オリジナルの劇中劇、クレヨンしんちゃんにおけるアクション仮面のようなものと思っていたらしい。フラッシュゴードンが切っ掛けというのは自分と同じだ。そして中二の次男は部活中に流す音楽として、うちにあるクイーンのCDを持っていった。CMやテレビでもよく使われているからおなじみのメロディーになっているのだろう。あの次男が、洋楽を聞くとは! 



 という事で、父は二度目の『ボヘミアン・ラプソディ』。うちの子供らがアニメでも、アメコミでも、もちろん戦ったり爆発したり、怪獣が出たりする映画ではない、ミュージシャンの映画、しかも字幕版を見るのは初めてのことではないだろうか?




 お話は……やはり『まんがクイーン物語』といった感じで、その結成から栄光と挫折、復活までをぎゅうぎゅうに詰め込んであり、とても分かりやすく、そこに、みんな知ってる歌が流れるから、盛り上がらないわけがない。これで『フラッシュ・ゴードンのテーマ』があればなぁ。ようやくパンフを買えたので、フレディのあのカクカクした動きは幼少時に嗜んだゴルフとボクシングから来ているのでは? という説を読んで、なるほどーとなりました。



 俳優さんの再現ドラマでも十分なのに、ダメ押しにエンディングで本物映像が流れるのは『電人ザボーガー』と一緒だなあ、そりゃファンの涙腺を直撃しますわ。その内容に子供らも大満足、映画館の帰りの車中はもちろんクイーンでした。




 そしてその数日後。次男と行けなかった『アクアマン』を、父は一人で行きました。だって、映画サービスデーだったから。マーベルのアベンジャーズは超巨大な商業施設、イオンモールに対してDCのジャスティス・リーグは一流品ぞろいの商店街といった印象。その商店街の魚屋さん、アクアマンが『バットマンVSスーパーマン』の顔見せから『ジャスティス・リーグ』を経て、初の単独作品。


 
 正直、最近のアメコミヒーロー映画は『うん、まあこんな感じですな、かっこいい一話ですな』という感想を抱きがちで、今回もまあ……と思っていたのですが、違った、アカンこれは小中学生が見て興奮するタイプのやつや! アトランティスの王子アクアマンが、世継ぎ争い&海底人の地上攻撃を阻止するために立ち上がる。お話はそんな感じですが、もう魚介類がうじゃうじゃ出るので、映画館にいながら水族館気分も味わえる、一粒で二度おいしい映画、しかも巨大タツノオトシゴやモササウルスも不通に海底人の乗り物として登場するので、怪獣好きも楽しめる。




 アクアマンのライバル、ブラックマンタの強いけど、どこか不格好な容姿は、手下の戦闘員がスタイリッシュなのと対照的で、どこか日本のライダー怪人を思わせる。覚醒したアクアマンにカメラがグーンと近寄り、その体内に入り込むと、様々な魚介類のイメージがバシバシと現れるのは、なんだか戦隊っぽい(モチーフの動物なり、乗り物なりが変身時にインサートされるアレ)。





 海底人の恐れる巨大怪獣の頭部にすっくと立ち、アクアマンが現れる姿はウザーラに乗ったゲッタードラゴン、アクアマンの義弟(粗暴な兄に理知的で狡猾な弟という構図はアメコミの定番?)オーシャンマスターの兜もどこかダイナミックプロ! 海の大怪獣タコガニラ(勝手に命名)の暴れっぷり、カブトガニ型メカ、火山の爆発、海底洞窟と没ネタ込みで84ゴジラも思わせたりと、様々なフックが用意された映画で大満足でありました。アメコミ映画はヒーローが深刻ぶってるのよりも、コミカルな味付けの方が見ていて楽しい。まさに痛快を絵にしたような、ヒゲと筋肉とダイナミックプロな『海のトリトン』でした。またジャスティスリーグやってよ、パンフレット買うの忘れた!
 

  

拍手[0回]



忍者ブログ [PR]
カウンター
プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新TB
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析