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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 先日のこと。講師を務める専門学校の卒業式と謝恩会があった。卒業式はあれだけど、謝恩会はたくさん飲み食いできるから、それに今年の卒業生はよく頑張っていたから、という理由で出席。慣れないスーツでバイクにまたがり、会場のある梅田へ。ひょっとしたら一生かかっても泊まれないんじゃないか、という高級ホテルの宴会場でたくさん飲んで、食った。飲んだといってもジュースとお茶でしたが。


 その帰り、少し気になる映画があったので、見てみようかと思った。梅田なんてそうそう行く場所ではないし、ましてや映画館も普段いかないような場所なので、ここがチャンスと思ったのですが、上映まで時間がかなりあった、しスーツもさることながら、革靴がきつい。時間つぶしに大阪駅前ビルをウロウロしているだけで、疲れてしまったので断念。ミニシアター系の映画は全部みなみ会館で見てたからなあ、梅田行くよりも京都の方がはるかに遠いけど、そっちに慣れてしまっていた。しかし、この機会を逃すと次はいつ見る? 上映館の数も大阪だと梅田と茨木のみ。週末、いつものように寝屋川に行くのなら、茨木の方が近い、それについでだからハシゴしてやろう、と仕事上がりに茨木のイオンモールへ。
 
 まるで水と油のような2本。いや、どっちも兄妹の映画だ。


『岬の兄妹』は新聞等でその評判を聞いており、内容も何となくは知っていた。どうも障害者の施設で働いているせいなのか、そういった人にスポットが当たる映画は気になってしまう。仕事熱心? いやただの興味本位ですな。


 
 
 知的障害を持つ妹に、足の悪い兄、仕事はリストラされ、バラックのような家で二人暮らし。電気代も家賃も滞り、食べるものにも事欠く始末。そこで兄は妹に売春させることを思いつく。貧困、売春、障害……見たくないもののオンパレード、嫌悪感の宝箱のような映画である。でも見ていて苦しくはなく、時に笑ってしまうような場面に出くわす。アカン人はアカンやろうけど。売春という違法行為に手を染めていくうちに、この兄弟がどんどんとイキイキとしていく。アカンことをしてはじめてこの二人は、社会に入り込むことができるという矛盾。情けない人間の屑のような兄が徐々に頼もしく見えるから不思議だ。生きるために戦う姿には、爽快感すら覚え、二人の暮らしっぷりがよくなるにつれ『よかったねぇ』と思えてくる。



 
 やがて妹は心と体に変調をきたし、兄にも転機が訪れる。もういいや、と思ってあきらめてから好機がやってくるのはたまにある話で、そんな時『先に言えよ!』と叫びたくなる。これは決して異世界の話ではなく、たぶん日本のどこかで起こっている話かもしれないし、自分たちの話なのかもしれない。とにかく心に引っかかる超重喜劇。



 
 知的障害者を演じる和田光沙さんが素晴らしい。見事になり切っている。障害者を演じる際は、バカになればいいというものではなく、言動にちょっとした『ズレ』がないといけない、と思う。そこに自分の世界を持って生きている感じ。それがよく出ていたし、客をとる時はそれにプラス快楽に溺れないといけない。それを見事に表現している。本物、ではないけど『それらしさ』が実によく出ていた。



 
 重くておもろい兄弟の映画を見終わってすぐに、次の映画。いったん劇場を出て、改めて入り口でチケットを見せて広い広いシネコンを走らないといけないのがしんどい。
 
『劇場場ウルトラマンR/B(ルーブ)セレクト!絆のクリスタル』さっきとはまるで世界の違う映画だ。『岬の兄妹』がリアルのウソなら次はウソのリアルだ。
 



 お話はテレビ版の後日談、というのはここ最近のウルトラ映画の定番。あれから一年、みんながそれぞれの道を進んで行くのに対し、何もできない自分は……と悩む湊カツミ(ウルトラマンロッソ)。



そこに謎の超人ウルトラマントレギアによって、ドロップアウトし引きこもりになっていた友人が怪獣スネークダークネスに変えられてしまい……。
 
 
 冒頭、逆立ち状態でビルに突き刺さるウルトラマンロッソ、というインパクトのある画で映画が始まる。一方弟のウルトラマンブルはウルトラマンジードとベムスター、ガンQ相手に交戦中。一体何がどうなった? というところから時間がさかのぼり、物語が進んで行く。



 今回の敵は、怪獣を操ったり時空を移動したりできる謎の超人ウルトラマントレギア。トレギアの手によってカツミの友人も怪獣に変えられる! ダメ人間をモニター越しにそそのかす姿はグリッドマンを思い出させる。



 そしてなぜか別世界のウルトラマン、ジードも召喚、何がしたいのか最後の最後まで謎のままでした。新怪獣スネークダークネスは最初、その真っ白いボディと安直な名前にちょっとがっかりしたけど、劇中でその謎に触れていたので納得。



 怪獣出現、いざ変身、横を見ると知らない男も変身しようとしている、『あ、どうも』な感じで、場所を移動……ヒーロー競演ものの定番を崩した展開も面白い。


  
 ゲストながらも場面をさらうメカゴモラにピグモン軍団。ヒーローよりも怪獣に目が行く身としては、思わぬサプライズ出演な怪獣たちの登場にニヤニヤしてしまう。ピグモン、スーツ3体もあるのか! 


 


 今回の目玉、湊兄弟の末っ子アサヒの変身するウルトラウーマングリージョも、スーツなのに、仮面なのに女子っぽさがにじみ出る動き。ロッソ、ブル、グリージョの三人が合体するウルトラマングルーブの変身シーンは、トリプルファイターなのかな。これがまた、装飾過多なのにスタイルがいい。小顔なんですな。フルCGによる空中戦からの必殺技合戦、と例年通りなんですが、これをいかに変化をつけていくのかが見どころでもあり作り手側にすれば苦労の種かと思います。
 



 短い尺の中にぎっしりと怪獣とヒーロー、それに『ウルトラマンになった者の宿命と卒業』みたいなものが混ざり合って、破綻せずにまとまっている。
 



 入場者のプレゼントのウルトラ自由帳はグリージョでした、ハッピー。
 


 
 日本映画というだけで、全く毛色の違う二本でしたが、どっちも兄妹が体を張って頑張る(特に妹)話であるし、異変を前に絆が深まっていくのも一緒。ミサキとミナトの兄妹でした。
 
 
 それにしてもイオンモールはデカい、駐車場はもっとデカい。


 帰りにクレーンゲームでモササウルスを一発で取れてハッピー。
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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