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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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あれは5年前の夏。ええーもう5年前かよ! 時間の経つものは早いもので、あの夏、我々を熱狂させてくれたハリウッド怪獣映画『パシフィック・リム』が帰ってきた! あれから色々ありました。アメリカと日本で作られるゴジラの新作、そしてアニメ化。キングコングの復活と、それに合わせるようにぞくぞくやってくるアメリカン怪獣映画たち。遂には怪獣映画? 『シェイプ・オブ・ウォーター』がアカデミー賞を獲ってしまった。怪獣映画を取り巻く環境がずいぶん変わってしまった。だから『パシフィックリム』の続編は待っていたけど、かなり怪獣成分は満たされていた。でも、見たい。そしてそれは満を持してやってきた。

 『パシフィック・リム:アップライジング』の舞台は前作から10年後。怪獣戦争は終結し、人々は平和に暮らしていた……。
 このあと、本編に触れる部分がかなりあるので、未見の方はご容赦いただきたい。と、個人の日記にまで注釈を入れないといけないネット社会の世知辛さ。


 怪獣はいなくなってもイエーガーとそれを所有する軍隊はいまだ継続中の世界。こりゃイエーガー対イエーガーの対決になるんじゃないの? それって『トランスフォーマー』になりはしないか? という一抹の不安はあった。

 こちらとしてはいつ怪獣が復活するのか、それだけが楽しみだった。しかし、最近はチャイナマネーが幅を利かせているのか、やたらと中国が舞台だったり、中国人キャスティングが目だったりするね。


 色々あって軍に復帰した主人公と、若いイエーガー乗りの物語。怪獣出るの? 中国は大量生産で無人イエーガーの建造に着手。いけ好かない女社長はスポンサーでもあるから文句言えない。こういうやつはだいたい怪獣に踏みつぶされるんだ。で、怪獣でないの? 

 無人イエーガーなんて便利そうなものはだいたい実験段階で暴走してしまうんだよ、というのはこの世界(特撮とかアニメの世界)のお約束。ほら、言わんこっちゃない。無人イエーガーの殻を破って現れる生物感あふれる四肢、胸からビーム! 前作で倒したはずの異次元人は生き残っていたのか? そして謎のイエーガー。これまた異次元人の操る怪獣イエーガー。怪獣イエーガーの目的は海底の割れ目をこじ開けて怪獣を蘇らせること。物語中盤で、やっと怪獣が出た! 怪獣の目的は東京の富士山(大阪の甲子園みたいなニュアンス)だ! 怪獣イエーガーに基地をメタメタにされたけど、残ったイエーガーで怪獣をやっつけるぞ! 

 イエーガー対イエーガーの『ああ、もう同士討ちとかいいよ。こっちは最近のライダーとかウルトラで散々見てんだよ』という展開も『実は中身が怪獣でした』というヒネりをきかせて、こっちの機体を軽く裏切ってくれる。異次元人の意思はとある地球人に……というのもなんだか異次元人ヤプールを思わせる。怪獣の暴れっぷりよりも、イエーガーの華麗なるアクションを見せてくれるという点で、ひょっとしたらAやタロウの『第二期ウルトラシリーズ』のテイストなんじゃないかな、と思えてきた。だから前作と印象が違うのは仕方ないことだし、これはこれで面白い。前作が夜間や海底という、暗い場所での戦闘だったことに対し、今回は白昼堂々の戦闘。東京のビル街を踏み潰す怪獣軍団もかっこいいし、迎え撃つイエーガーたちもそれぞれ個性的。

 怪獣も合体巨大化するとか、やっぱり第二期ウルトラのテイスト、かも。あと、前作以上にアニメのテイストが濃厚。これは好き嫌い出るかも、デルトロ。ロボの皮をかぶった怪獣ってパトレイバーの廃棄物13号だったり、暴走するエヴァンゲリオン3号機だったり。クライマックスで空を飛ぶイエーガーはスクランダークロスするマジンガーで、じゃあ東京決戦は『決戦!大海獣』なんじゃないの? とか思ってみたり。そういえば、一人乗りイエーガー、スクラッパーの立ち位置はボスボロットでしたよ。

 でもパイロットにいまいち個性がないから『どれに誰が乗っているのか』が分かりづらかった。クライマックスまで主に活躍するのはジプシーアベンジャーだけなので、もう少し、各イエーガーとパイロットの個性があればなあ。まあ、急造チームっぽいから仕方ないか。前作に続いて『絶望的な状況から逆転を図る』構成でした。

 先月見た『キングコング対ゴジラ』のゴジラのごとく、富士山を上る合体怪獣。果たしてぼろぼろのイエーガー軍団に勝機は?

 前作が初期ウルトラなら、今回は後期ウルトラ(昭和シリーズ)。あるいはトランスフォーマーになるギリギリまで踏ん張ったアニメテイスト満載のロボット映画。ちょっと怪獣の数と出番が少ないのが惜しいけど、『パシフィックリム』というシリーズの中ではありなんですよ、これも。イエーガーと怪獣、そして監督の個性と趣味が存分にぶつけられる場所だと思うのです。今回の出ないと監督も日本のアニメ、怪獣大好きだと公言してますが、やりたかったのは『俺のアニメ、怪獣もの』ではなく『俺のパシフィックリム』だったんじゃないかな、と思う。今度は吹き替え版で見てみよう。



   

 




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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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