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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 前回、ハデハデな映画ということで『トランスフォーマー』を見に行ったわけですが、夏の本命映画はまだ残っていた。ふんだんに予算と技術を盛り込んだ、夏の2大アメコミ映画だ。正直、アメコミ映画には食傷気味なんですが、毎回『味付け変えたぞ、さあ食え』とばかりに趣向を凝らした新作がやってくるので、ついつい見に行ってしまう。さて、どっちにしようか……子供らに『スパイダーマンとワンダーウーマン、どっち見たいか?』と聞いたら『どっちも』と言われたので、先日、両方見に行くことにした。言われなくても、一人で両方見に行ったのですが、アメコミ映画みたいに派手なのは子供らと見に行くのが楽しいのです。その分、うんとお金はかかりますが。



 まずは『スパイダーマン・ホームカミング』。サムライミ版、アメイジング版に続き3度目のリブート。『またかよ!』と思う人も多いはず。自分もその『またかよ!』と思った一人なのですが、今回のリブート版では、あのアベンジャーズの世界観と融合することで新鮮味を増加、『またかよ! でもアベンジャーズに出るなら面白いかも』と思わせてしまうのです。スパイダーマン自体は昨年の『キャプテンアメリカ・シビルウォー』に登場済みなので、大まかな紹介は終わっています。この辺は世界観の統一されたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)ならでは。またまたクモに噛まれることもなく、ベンおじさんが強盗に殺されることもなく、その辺はさらっと流してスムーズにお話が進んでいくのです。今回の映画は第一話なんだけど、いつものヒーロー映画にありがちな
『①ヒーローになる前②ヒーローになる③活躍する④なやむ⑤活躍する』
の①と②をすっ飛ばしているので、非常に見やすい。すでにスパイダーマンとしてヒーロー活動を続けていたピーター・パーカー君は、憧れのアベンジャーズに入りたくって奮闘する、そんな内容。そこで調子乗ってしまうのも10代の少年ならでは。さらには学園ドラマの要素も大いに盛り込んで、今までのシリーズとは一線を画したものになっている。憧れの彼女と仲良くなるためには? 街の裏でうごめく悪党をどうする? いつになったらアベンジャーズに入れる? 悩み多き10代です。街の悪党退治とたまに起こる大事件、それに並行して進む日常。見ていて藤子不二雄先生の『パーマン』を思い出しました。



 
 今回のスパイダーマンスーツはトニースタークの作った、AI搭載のハイテクスーツ。アイアンマンみたいにいちいちナビがあれこれ教えてくれる仕様。でもそれってアイアンマンと一緒じゃない。なんだか手作り感がほしいよな(アイアンマンも手作りスーツですが。トニー社長はちゃんと機能を理解して着こなしている)、自分の知恵で危機を乗り越えてほしいよな。と思ったら、最後の最後に、ピーター・パーカーが本当にパーカーで頑張る展開にニヤニヤ。そうだよ、パワーアップすればいいってもんじゃないんだよ。



 
 今回の敵、バルチャー一味はアベンジャーズが散々やらかした後の異星人の超テクノロジーを使って悪事を働く。本当なら街の解体屋さんだったのに、職を失い、こうなった。アベンジャーズの後始末のために働き、それができないなら、彼らのおこぼれで悪事を働く。ここにも『アベンジャーズ被害者の会』がいた。本当はいい人なんだよ、たぶん。バルチャーを演じるマイケルキートンも元バットマンだったんだよ。だからこそ、金持ちで派手に暴れるアイアンマンとその仲間が許せない。というのは違うか。



 
 世界観が一緒なので、アベンジャーズやキャプテンアメリカに関する小ネタもちらほら。スパイダーマン映画だけど、キャプテンアメリカ、アベンジャーズの続編としても作らないといけないのは大変だ。それよりも、ピーターとトニー社長の繋ぎ役が社長の側近ハッピーだったり、ラストのあれであっと驚いたりで、『アイアンマン3』の後日譚的な要素もある。アべンジャーズではなく『アイアンマン3(マイベストアメコミ映画)』ね。


 
 スパイダーマンは次回のアベンジャーズ映画にも出るそうなので、楽しみなのですが、その時はぐんと若返ったメイおばさんもぜひ。


 そして翌日『ワンダーウーマン』へ。吹き替えの劇場が近所にないので、ちょっと難儀した。子供らには早く字幕にもなじんでもらいたいものです。



 こちらも昨年の『バットマンVSスーパーマン』にちらっと登場して、ヒーロー対決よりも話題を集めた人。今回はその前日譚、いかに彼女が世界を守るに至ったかを描いています。
 
 女だらけのアマゾン族の王女として生まれ(ゼウスが粘土で作ったので、たぶん不老不死)たダイアナが、ある日、島にたどり着いた連合軍のスパイとともに、人間界へ。時は第一次大戦終結の頃。ドイツ軍の毒ガス兵器を巡って、人間を守るためにダイアナが立ち上がる、というのが大まかなあらすじ。
 これもいわゆる『ヒーロー第一話』なんだけど、ダイアナはすでに戦士としての訓練を受けているので『すでに出来上がっている』状態。あとは彼女がいかに人間を守るのか、そしてその秘めたる能力をいかに使うのか、に焦点があてられる。
 
 大都会ロンドンで、見るもの触れるものがすべて新鮮なダイアナが無邪気で初々しい。無邪気で純真無垢だからこそ、悪に対してはまっすぐに怒りを、正義を行使する。しかし、いざ戦場に立つと、恐るべきその身体能力を駆使して戦う! アニメ版デビルマンのエンディングじゃないけど『人の世に愛がある、人の世に夢がある、この美しいものを守りたいだけ』、ダイアナは戦う。ワイヤーもCGも使ってるし、アクションシーンではその動きをことさら強調するようにスローになったりするけど、ダイアナ役、ガル・ガドットの走ってる姿が美しい。もともとお美しい人ですが、走る姿がさらにビューティ。銃弾の飛び交う中をよけることもなく走って走って、そしてドーン! だからこそアマゾネスの島での訓練シーンはそういった演出をほとんど使っておらず、生々しさと力強さが伝わってくる。その後のドイツ軍VSアマゾネスといシーンで、アメコミよりも昔はやったアマゾネス映画を思い出す。お姉さんが集団で男相手にドーン! 



 
 ダイアナに協力する独立愚連隊みたいなポンコツ兵士たちもどれもキャラが立っていていい。PTSDの射撃の名手、インディアン、スパイに語学に堪能な潜入名人。百戦錬磨の猛者、というよりも今までこそこそと戦場から逃げ回っていたようなはみ出し者たち。そこに人間界からのはみ出し者のダイアナが加わってうまくバランスが取れている。歌はうまいが銃が撃てない射撃の名手に『あなたがいないと誰が歌うの?』と相手の長所を認め、否定をしないダイアナ。戦場のほんのひと時の安らぎに、見ているこっちもほっとする。
 


 このままポンコツ兵士と一緒のドイツ軍の野望を打ち砕くお話でもよかったんですが、お話は壮大な方向へ。そうだった、この人、神話世界のひとだった。でも、それがあるから今のダイアナが出来上がったわけで、そしてジャスティス・リーグにもつながるのか。
 殺陣使ってるなら投げればいいのに、と思いましたが、それは別のヒーローになってしまう。予告で散々流れていたけど『本編では流れないでしょ』と思っていた、かっこいいワンダーウーマンのテーマも劇中ではしっかり流れておりました。音楽は大事なのです。



 アメコミ映画はやたらと『原作では……』『ヒーローとしての苦悩が……』とか語られがちですが、それはそれとして、ピーター君がスカッと一皮むけて、きれいなお姉さんが戦車持ち上げてドーン! で面白かった! でいいじゃないですか、コミックってもともとそういうものでしょ。いかにポップコーンがおいしく感じるか、ですよ。


 そしてまた、ぞくぞくやってくるアメコミ映画に『またかよ!』と思いつつ期待をしてしまうのです。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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