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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 待った、長い間待たされた。
『またかよ、またリブートかよ』というこちらの思いを思い切り裏切って『大怪獣対決もの』にしてくれた前作から5年。レジェンダリーピクチャーズのゴジラが帰ってきた。



 とはいえ、この5年でゴジラと怪獣映画を取り巻く環境は大きく変わった。2016年のシン・ゴジラにアニメゴジラ三部作、さらにはランペイジ、パシフィックリムの続編等々、怪獣映画には事欠かない幸せな時間が続いたからだ。それにレジェゴジ公開をきっかけに各地でのイベント、京都みなみ会館での大怪獣大特撮大全集もスタートしたのだから、怪獣映画を劇場で見る環境には事欠かなかった。



 さて、そんな状況下でやってきた『ゴジラ:キングオブザモンスターズ』はどんな映画だったのか? 今回のウリはゴジラだけでなく、ラドン、モスラ、キングギドラといった人気怪獣が登場。一体どんな活躍を見せてくれるのか? 前作みたいに人間ドラマ多めで、クライマックスまで焦らされるのか? 予告編に出た謎の怪獣たちに活躍の場面はあるのか? プレミア上映のあった月曜日から、公開日の朝まで、SNS上のこれはと思う人物、語句をミュートし、できる限りの情報をシャットアウトして公開日を待った。そして当日、仕事明けで職場から車を飛ばし、MOVIX八尾で昼一の回を、見た。



(以下、内容に触れます)




 初見時の感想『ガチャガチャしてた』。とにかく情報と怪獣を追っかけるのに精一杯。ブレーキの壊れたダンプカー、いや違う、高齢者が乗ったプリウスの如く、緩急のつけ方が極端。で、面白くないのか? と言われると素直に『面白かった』。監督の『こういうの見たいんでしょ?』なドヤ顔が見えるぐらいにサービス満点の大怪獣バトル。アメリカ人のゴジラ感はいつまでも初代『ゴジラ』かよくて『怪獣総進撃』だろうと思ったこちらの偏見を軽く吹っ飛ばしてくれた。平成VSシリーズだ! こいつ、令和時代に平成ゴジラを復活させやがった! そうか、今の若手監督からすれば平成ゴジラも初代はじめとする昭和ゴジラ並みに『お手本にすべき古典』になったという事か。




 お話は怪獣王の座を巡ってゴジラとキングギドラが激突、ついでもモスラもラドンも登場! それだけ。




 ギドラの攻撃を受けて光る粒子となったモスラがゴジラに降り注ぐ、とか核分裂を起こしたゴジラが真っ赤に燃えながら全身から熱線を放出するとか、川北特撮やん! 前作がアメリカナイズされた寿司、カリフォルニアロールなら、今回は本場と寸分たがわぬ握り寿司、だけどワサビの代わりにマスタード、という感じ。まさかここまで日本に寄せてくるとは思わなかった。『地球を生かすために怪獣を復活させて人類を浄化する』とか、登場人物の支離滅裂っぷりまで平成ゴジラに似せんでも。BGMも伊福部メロディに加え『モスラの歌』も! そこにそれそれそりゃそりゃの掛け声と般若心経で、お祭り気分を盛り上げる。『この現代社会に巨大怪獣なんて荒唐無稽なものを出すのは無理があるんじゃない? ムートーや髑髏島の怪獣だけでも大変なのに』というこちらの不安に対して『昔からいるからいいのだ!』と出し惜しみなく登場させる清々しさ。84ゴジラからビオランテまでの5年間『こんなガチガチの世界観で、どうやって新怪獣出すの?』と心配していたあの頃を思い出す。




 一つ、不満があるならラドンのこと。メキシコの火山から登場し、凶悪っぷりを見せつけながらギドラと対決。負けたと思ったら、あっさりギドラの手下ポジションに。クライマックスではゴジラの救援に駆け付けたモスラを妨害する徹底して卑劣なヒールポジション。最後にモスラの倒された、と思ったら、ちゃっかり生き延びて、ギドラを倒して地球の王となったゴジラに、弱そうなオリジナル怪獣たちと共にひれ伏す変わり身の早さ。さっきまでギドラ一門だったじゃない?いやいやラドンってそんなに卑怯者キャラじゃないよ、と思った。ゴジラの良き相棒だったのになぁ、これじゃまるでねずみ男だ。最後はちゃっかり生き延びて火山に帰ってるし。
 



 と不満はそれぐらいで、初見は『すごいぞ、前作よりもすごい、それは単純に怪獣がいっぱい出てるからかもしれない、よくわからないけど、すごい』という印象。エンドクレジットでゴジラが破壊された都市の緑化が進んだ、という事で何となく水木しげるの『原始さん』を思い出した。




 そして数日後、今度は次男と一緒に吹き替え版を見る。字幕では不明瞭だった部分もわかりやすく、膨大な情報もなんとか追うことができた。そうか、モナーク基地の55,67,91番ってゴジラ映画の上映年だったのか(ゴジラ、モスラ、ラドンは54、56、61番)! とか、双子のリン博士のお母さんが1961年にインファント島を訪れてるとか。謎の新怪獣たちの名前もモニターで確認できた。あとはバリバリ動き、着ぐるみ以上に擬人化が激しい怪獣バトルを堪能するのみ。



 


 怪獣を神話時代の実在の生物として設定することで、何でもあり感が倍増。神話に登場しないキングギドラを宇宙からの巨大な外来種ととらえることで昭和ギドラをリスペクト、再生能力を持つギドラは『モスラ3』かもしれないが、いつの間にか巨大組織とな太モナークの移動指令航空機が『アルゴ号』なので、これはハリーハウゼンの映画でおなじみのギリシア神話をモチーフなんだろう、とか、とにかくオタクの作った映画なので、見ているオタクも元ネタ探しに忙しくなるのですな。



 とにかく怪獣がいっぱい出て、大暴れしてくれるだけで満足なのです。テーマとかは後でよろしい。そもそもこの映画、人間ドラマよりも怪獣ドラマの方が丁寧なんですな。神々の戦いに、人間はただひれ伏すか逃げまとうしかないという潔さ。




 地球の王となったゴジラ。さて、来年はどうやってキングコングと戦う? 



 『ゴジラ』と書かれた神殿に『バカボン』と表札のかかったバカボン家を思い出す。
ゴジラが寝ている間に、家にあがり込んで核爆発を起こす芹沢博士はどうかしてるな。




 いやしかし『お前は何を言ってるんだ?』『お前は何をやってるんだ?』な人(怪獣)の多い映画でした。もちろん、次も見るけど。


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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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