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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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『Mr.BOO! インベーダー作戦』に『感じるテレビ』という、食事シーンなら視聴者の前に本物の食事が出るとか、ボクシング中継を見てたら一緒に視聴者も殴られるとか、そんなネタがあった。これって今でいうところのVRとか4DXのようなもので、マイケル・ホイは先見の明に優れた映画人だった……というのはまあ偶然というか、こじつけのようなもので、その『感じるテレビ』ならぬ『感じる映画』こと4DXを体験してきた、というお話。

 ネットでも評判だったけど、ネット配信という事でなかなか見れなかった『仮面ライダーアマゾンズ』がレンタルされているのを知り、一気に借りて見た。原点回帰を謳ったものの、回帰しすぎて怪奇になってしまったゆえに今も人気の高い仮面ライダーアマゾン。それをさらに怪奇性とぐちゃぐちゃな人間関係を絡めたのがリブート作であるアマゾンズ。確かに怪人が人間を食らったり、アマゾンが敵を容赦なくぶち殺すとうとうグロいシーンが多いものの、武器にほとんど頼らない肉弾戦がメインで、ワイヤーを駆使したアクションがやたらとかっこよかったのであっという間に2シーズン26話を見終えてしまった。アマゾンが肉を欲するようにその勢いで、絶賛公開中の劇場版『仮面ライダーアマゾンズ・最後ノ審判』を見てみようかと思ったものの、上映館数は少ない上に時間がなかなか合わない。見れるとすれば4DXだけという事になってしまった。果たしてこの未知の上映システムはホンマにおもろいんやろか? と恐る恐る劇場へ。



 まず、岩に荒波が打ち付けられる東映マークが出ると、水しぶきがこちらにもぶしゃーっとかかる。最初は何が起こったのかよくわからなかった。そうか、これが感じる映画4DXか! そして本編ではアクションシーンや銃撃戦になるとシートがガタガタ揺れ、怪人が血しぶきを上げると水しぶきがぶしゃー、怪しげなシーンではスモークがもくもく、ライダーが変身すると場内がビカビカと明滅する。階段を転げる場面では、マッサージチェアのように背中にゴリゴリと振動が走って、一緒に転げ落ちてるような感覚になる。想像以上に面白いぞ、これ、それにちゃんとストーリーにも集中できる!

 お話はテレビシリーズの2年後で、よくある蛇足的にも感じられる後日談的な内容だったけど、ちゃんとアマゾンらしく残酷な物語が展開される。今まで食われる側だった人間がアマゾンを養殖し、食糧難を解決するという、藤子不二雄の『ミノタウロスの皿』みたいな展開。養殖アマゾンといっても人間の、少年少女の姿をしているわけだから、その絵面はえげつないものがある。ならもっとグロく見せてもよかったのでは? というのは欲張りすぎか。アマゾンを守るもの、狩るものそれぞれの思惑が衝突し……というテレビシリーズから延々行われてきた戦いにもピリオドが打たれたのだ。しかし、テレビの頃から思っていたのですが、怪人を相手にする特殊部隊の装備がどうにも貧弱に見えてしまうのが残念。自動小銃レベルではかなわない相手なんだから、もうちょっとなんとかならんかったかな。

 光って揺れて、水を浴びる、初めての4DXは大満足。なんでもない静かなシーンでもシートがゆっくりと動いていたのが一番怖かった。上映後の、夏のライダー&戦隊映画の特報でもちゃんとシートが揺れておりました。

 ライダーというか、けだものとけだものの争いを見て満足したのですが、今度はウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』へ。ケダモノから今度は犬である。


 近未来の日本を舞台に、隔絶された島に収容された犬たちと少年の冒険を描く人形アニメーション。最近日本リスペクトな作品が多いのは偶然なんだろうか。そういえば去年の『KUBO』も、日本愛溢れる人形アニメだった。相撲、歌舞伎、太鼓とに黒澤映画等々、外国人が思い描く、ちょっとずれた感覚、というかカリカチュアされたような日本の描写が逆に楽しい。いつまでたっても日本はこんなイメージなのかな。少年と出会い、絶望の中にあった犬たちも立ち上がり、そして人間たちへ反旗を翻す。



 最初は癖が強いキャラに見える犬たちも次第に愛嬌があるように見える。島から少年と犬が逆襲に来るというのは『桃太郎』の逆説的な解釈なのだろうか。様々な日本のリスペクトが見える中、昔の漫画にあるような土煙の中で手足が飛び出しポカポカするというアクションシーンもまた日本のコミックのオマージュなのか、それとも海外の方が早かったのか。犬嫌いのメガ埼市長小林は田崎潤にも見えたがたぶん三船敏郎だろうか。劇中で『七人の侍』のが曲は流れるし、レディプレイヤー1に続いて三船敏郎が新作洋画に出たことになる。


 メカゴジラは出ないけど、犬たちを追い詰めるメカドックが登場。アイボっぽいスタイルから獰猛な戦闘モードにチェンジ、メカドッグを操るのは寿司屋スタイルのチームで、危険動物の逆襲と、それを追い詰める特殊部隊という点ではアマゾンズと共通している。


 レトロフューチャーな街並みと、荒廃した犬の世界の対比、日本語と英語が飛び交う世界の個性豊かな犬たちに憎めない悪役。ドンドコドコと太鼓の音も勇ましく、ちょっとズレた日本への愛、いやそれ以上に犬への愛に溢れた作品だった。




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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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