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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 思えば、前回登場したガサキングαは幸せな怪獣である。立ち位置は微妙に違うけど、昨年ようやくスーツが完成したばかりのご当地キャラみたいなものである。当たり前だけど、ローカルな存在なので、テレビや映画に出た怪獣でもない。そんな怪獣だけど、グッズはそこそこあって、おまけに短編映画も撮られている。それもプロの映画監督が演出してくれたのだ。そんなガサキングをかっこよく撮ってくれた田口清隆監督の最新作『劇場版ウルトラマンオーブ・絆の力、おかりします!』が先週末公開された。先月のみなみ会館トークショーでもその魅力についてあれこれと伺ったこともあるし、これはぜひ行かねば、と上映館のある八尾へ。これも絆の力だ。


 
 前作『劇場版ウルトラマンX』がウルトラ映画でありながら、怪獣映画の面白さを詰め込んだ作品にあるのに対し、今回はストレートにヒーロー映画。ハワイで一仕事終え、アロハ姿で帰ってきたウルトラマンオーブことクレナイ・ガイも、先輩だけど後輩みたいなウルトラマンX、大空大地もかっこいい。それに客演のギンガ、ビクトリーにも見せ場はあるし、最後の最後にいいところ全部持って行ってしまうウルトラセブンに全身震えてしまった。昭和ウルトラマンに反応してしまう、すっかりおっさんだ。



 
 もちろん、ヒーローが輝いていられるのも魅力的な敵役がいるからだ。奇機械怪獣デアボリックの大都市蹂躙のスペクタクル、円谷メカ怪獣の集大成のようなその姿に漂う、映画怪獣としての気高さと凶暴さ。気機械星人サデスの異様なまでのテンションの高さっぷり。今まであれほど前向きでポジティブな悪役は見たことがない。明るさを通り越して、狂気すら感じる。そして雑魚とは言い難いノリの宇宙人軍団。子供向け映画に江戸川乱歩の黒蜥蜴とドイツ表現主義をぶち込んだ、悪の黒幕、宇宙魔女賊ムルナウの上品な下品さ。そしてゲスの極みと言えばジャグラス・ジャグラー。出てくるだけで、劇場内から笑いが起こっているぐらいの人気者。敵か味方かわからないけど、どちらかと言えば悪、なポジションはどこかねずみ男を思わせる。


 70分という短い尺の中にキャスト、スタッフの思いの丈とウルトラマン、怪獣の魅力を存分に注ぎ込んでおり、爽快極まりなく、コーラがおいしい映画である。願わくばもう少し長かったら、と思うのは贅沢だろうか。そしてまた、前作から引き続き名前だけ登場の怪獣デザストロの正体はわからずじまい。このまま噂だけが独り歩きする小松左京の『牛の首』みたいな存在になってほしい。

 先々週がガサキング、先週はウルトラマンオーブ。そして今週末も怪獣と超人の週末が来る。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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