忍者ブログ
 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
[30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 ・世間はすっかり夏休みだけど、そんなことお構いなしにいつも通りに働いています。入院していたのが嘘のようですが、食事には気をつけて、ゲッソリやせたこの体型をキープしたいと思っています。



 そういや前回はまだ入院中だった……そんなことを思いながら向かった先は京都みなみ会館。今月は『透明人間』『エスパイ』のいのうの特撮人間大会。


 『透明人間』はゴジラ第一作と同じ昭和29年公開作品。復興しつつある東京で、いまだに忍び寄る戦争の影。軍事目的で生み出された透明特攻隊の生き残りが、盲目の少女のためにギャング団と戦う……。透明であるため、普段は白塗りのピエロに扮している透明人間・南条。白塗りメイクを取ると姿が見えなくなる、というのは従来の包帯ぐるぐる巻きの透明人間像を覆すデザインであり、普段から白塗りのサンドイッチマンなら怪しまれないという逆転の発想。怪事件を追うマスコミ、クラブにギャングと、のちの変身人間物のフォーマットがここで確立されている。ラストが物悲しい、ゴジラと同じく、戦争の悲劇が生んだ異端の物語。



 
 『エスパイ』はその名の通り、超能力スパイと、人類を根絶やしにしようとする悪の超能力者。敵も味方も濃いメンツぞろい、海外ロケも敢行し、スパイものの雰囲気ばっちり。だけど、超能力描写が実に地味なので、こいつら大丈夫か? と思うところも多々あり。水戸黄門でのイメージしかなかった由美かおるもこの時は実に綺麗で、得意のダンスも披露。そういや、『透明人間』もダンスシーンがあったなあ。異能ゆえに迫害され、悪の道に走ったものと、それを平和利用するものの対立というのはX-MENのようでもあるが、超能力が地味なんだ。


 そして翌日は子供たちと『シン・ゴジラ』3回目。これで子供らにネタバレできるし、あれとかアレのおもちゃも見せれる。ついでに、梅田阪急で展示されてる巨大ゴジラフィギュアに阪神百貨店の古本市も行ってみよう、と久々の梅田へ。3回目は子供らの反応見つつ、にやにやと鑑賞。しかしすごい映画である。岡本喜八の大作映画のエッセンスも取り入れつつ、宮沢賢治やその他もろもろをぶっこんでくる。たくさんのフックを用意しつつ、実はそれはフックでしかない場合が多い。それでも気になる。ああ、『エヴァンゲリオン』の時と一緒だ! ゴジラのようでいてゴジラではない、しかしあのカタルシスはばっちりゴジラ映画である。何度見ても中盤のあれとクライマックスのあれは胸躍るものがある。


 子供らが『あれ何?』『えぇ!』とリアクションとっていたのが楽しい。


 
 阪急梅田のゴジラは茶屋町のゴジラと同一のものと思われる。


 古本市でVSデストロイアのムック購入。ボロボロだけど、安かったのでいいや。

 帰りの車内でおもちゃいじりながら子供らとあれこれ話す。あれは何だったのか、あれはどういう意味だったのか。そんな感じで家に帰ってからもパンフ広げながらワイワイやれるほどに面白い映画だった。子供らも大満足でよかった。そして、また一人で行ってみようか、と思ったりもする。
 

拍手[0回]

PR
 ・行ける、行こう。半ばあきらめていた。これがだめでもシン・ゴジラ公開までには退院したかった。でも行けるのなら。



 
 と、いうことで、日曜日に外泊許可をもらい、いったん自宅に戻ってから京都みなみ会館へ。



 車の運転中も腹部の異常はない。恐れていた便意もそれほどない。
 

 今月はゴジラを迎え撃つのは世界のミフネしかいない、ということかどうかは分からないけど、『日本誕生』『奇巌城の冒険』という三船+東宝特撮の2本立て。
 

 そして今回はその前に東京現像所の清水俊文氏を招いてのトークショー。先日放送された『キングコング対ゴジラ4Kデジタルリマスター』、フィルムとデジタル、近年続々発見される幻の特撮フィルムについてを伺おうという趣旨である。その司会を仰せつかっているのだから何としてでも出ないといけない。無理はしていない、体はいたって健康だ。いや、腹部以外は健康。前日までにトーク内容を簡単にまとめ、準備しておいた。

 

 お会いした清水氏は根っからの怪獣好き、バージョン違いマニアで、おまけにお話が上手。こちらはあたふたしつつも、あっという間の2時間だった。内容はかけない。
 

 そして上映へ。


 
 『奇巌城の冒険』は先に見た『大盗賊』の姉妹編。あちらが南海なら、今回は異国の砂漠でミフネ大暴れ。キャストも役柄もほぼ一緒、ギミックもほぼ一緒で今回は『走れメロス』がベースになっている。しかし、伊福部音楽をバックに背負った三船はただでは走らない。友のため馬で走る。イランロケはまことに壮観、というかフィルムの退色激しく、どこが海外ロケかはよくわからなかった。ただ、土の色が黒い場面があると、御殿場ロケだとわかるぐらい。



 物語の中心になる砂漠の街の大セットと大エキストラは相変わらずであり、これもまたロケかどうかわからないぐらいによくできている。



 前回は黒海賊だった佐藤允は今回、黒盗賊。正体を襲うう描写は西部劇のインディアンであり、とにかく大口開けてガハハとよく笑う。ミフネとラストで一騎打ちというのも前回と一緒。



『日本誕生』は2時間の短縮バージョン。このためにバージョン違いマニアの清水氏も鑑賞。かなり端折っているからか、とてもテンポよく話が進む。とにかくミフネが泣いて笑って暴れてと、忙しい。ピュアなのか、バカなのか。前者であり、後者でもある。
 これも圧倒的なセットとエキストラの数に驚かされる。昔の映画には人がたくさんいたんだなあ、というバカな感想も漏れてしまう。シネスコ画面の奥からわらわらと兵士がいぇってきて、あちらでもこちらでも戦っている。邦画初かもしれない、神話時代のお話しながらも、ひるむことなく見せられてしまうのは、時代劇を数多く手がけた稲垣浩監督だからなせる業なのか。



 今回のお楽しみは神話怪獣八岐大蛇。あっけなくやられてしまい、インパクトが弱いが、鳴き声を発さなかったのがその原因かも、と推理。東宝怪獣なら、鳴き声があってしかるべきだと思うのだが。



 そして劇中でふんだんに盛り込まれる天変地異の数々は今見ても大迫力である。クライマックス、ヤマトタケルノミコトの怒りのごとく噴火する火山が、敵兵を飲み込んでいくシーン、一人ひとり溶岩に消えていくたびにアニメで炎を足している細かさ。徐々に湖の水位が盛りがっていあふれ出る恐怖、実物のセットを使った地割れ等々、これでもかとばかりに繰り広げられるスペクタクル。ミフネを怒らせてはいけない、殺してもいけないのだ。



 その日は自宅で宿泊。久々の自宅である。思えば、前回と合わせて5週間近くも入院したことになる。時間もお金もかかった。でもマイナスだとは思いたくない。体調は良好、『これでいいのだ』と思いたい。
 執刀医の先生が見せてくれた胆石は梅干しの種ぐらいのサイズだった。そんなものが体内にあったら、そりゃ手術するしかないな、と思った。



 さて、退院してから、俺の居場所はあるんだろうか? 昼食のカレーの匂い漂う病室から、そう思うのでした。
 
 
 

拍手[2回]

 うーん、気になる。先週、長男が京都みなみ会館で見た『マンガをはみ出した男 赤塚不二夫』が気になっていた。中3が見た初めてのドキュメンタリー。いったいどんな映画だったのだろうか。再放送でバカボンに触れた世代なので、気になる。気になるのなら、見に行けばいい。と、車を飛ばしてみなみ会館へ。なんだか毎週京都に来ているような気がする。



 映画は、赤塚不二夫の生い立ちを、関係者の証言とアニメーションで紹介していく構成。確かに、知らないおじさん、おばさんがあれこれ喋るのは、中3にはつらかったかもしれない。でもこれが面白い。マンガを描く、ということから自分自身が漫画になっていくような晩年。大ヒットを飛ばし、もう普通に戻れなくなった後に残る寂しさ。でも『これでいいのだ』と突き進むバイタリティ。バカやるときも、エロい時も、常に真面目に取り組む。不真面目ではいけない。真面目に不真面目を突き通す精神。もういい年なので、『ああなりたい』とは思わないけれど、生きる気力がわいてくるような映画だった。



 で、これを見たのが先週末のこと。そして月曜日。腹部に違和感を覚える。
『まさか』



 翌日、万が一のために着替え、洗面用具を持って病院へ。またあれがぶり返したのではないか? だとすれば今度こそ手術だ。胆石、いや胆嚢を切り取ってもらわないと、この先同じことの繰り返しだ。


 そして診察、予想は当たり、胆のう炎再発で即入院。たった1か月だけの娑婆の生活。『網走番外地』のように再び入院、見知った看護師さんたちの『おかえりなさい』のごあいさつ。恥ずかしながら、戻ってまいりました。ということで、今病室でこれを書いてます。一から出直し、絶食はつらいね。
 


 

拍手[1回]

 実は、進んで怖いものを見に行く性質ではないので、ホラー映画の類はよほどのことでもない限り、見に行かない。とはいってもコメディ風味だったり、怖がらせる部分以外に見どころのあるものは見に行ったりするのですが、基本的に怖いものは怖い。
  


 
 だから『VS』と付いてるだけで『貞子VS伽椰子』を見に行った。VSものですよ、楽しい映画に違いない。


 しまった、本気で怖がらせに来る映画だった。最近ではすっかり愉快なキャラになっていた貞子さんも、ここで原点に返って、呪いを伝染させ、『呪怨』シリーズは見たことないけど、伽椰子さんも俊雄君も本気で怖がらせにきている。怖いじゃないか、当たり前だけど。



 映画見ながら愉快なことを考えたり、怖そうなアングルになると身構えたりもしたけど、怖いものは怖い。



 今じゃビデオデッキを探すのが大変そうな、呪いのビデオに、入らなければ大丈夫だけど、そうはさせてくれない呪いの家。どちらかの呪いにかかったなら、毒食らわば皿まで、いっそ両方の呪いにかかって、貞子と伽椰子に呪いのパイを取り合てもらって共倒れしてもらおうじゃないの、という内容。



 貞子と伽椰子、両者の怖さを存分に見せておいて、お互いをぶつける構成は『キングコング対ゴジラ』にも似ている。


 貞子も伽椰子も怖いけど、俊雄君が怖い。白塗りでニャーニャーいってるパンツ一枚の子供が怖い。何が怖いのかといえば、俊雄君はやってくるのではなく、すでにいる存在だからか。気が置けない存在である。あまりに怖すぎて、だんだん腹が立ってきた。



 で、映画見る前に何となく予想していたことが当たってしまったので、製作者は俺の想像力を凌駕してほしい、と思ったけど、ああするしかなかったか。怖くて楽しい映画でした。

拍手[0回]

 怒涛の如く押し寄せた怪獣なゴールデンウィークもようやくおしまい。


 イベントと夜勤のサンドイッチで、実は完全に休日があったのは一日もなかった!
うん、まあ怪獣市場は半分遊んでたから、カウントしちゃいけないかもしれないけど。
でもあれを仕事というのなら、完全な休日というのは今日しかない。今日が俺のゴールデンウィーク! 一日しかないけどね。


 
 作業が予定よりも早く終わったので『アイアムアヒーロー』を見に行く。旬の俳優、女優差を使ったちょっとホラー風味の映画のような宣伝をされていたが、ふたを開けるととんでもない。ゴーカートかと思って乗ったらF1マシンだった、ぐらいのギャップはあるよ。


 ある日、謎の感染症で人間がゾンビ化(劇中ではゾキュンと呼称)、町は大パニックになり、主人公のサバイバルが始まる……と書けばよくあるゾンビものなんだが、何が素晴らしいって、これが日本映画であること、日本で作られたきちんとした、由緒正しき血しぶき飛び散るゾンビ大作だということ。



 舞台が日本だから、『ひょっとしたらあるかも』と思わせる生々しい描写が多い。日常を丹念に描いてから徐々に世界をひずませていくのはお見事。ニュースが頻繁に流れるが、どこかぼやかした感じ。空を飛ぶヘリや軍用機。何かあるぞ、と思わせる描写。ぼんやりとした何かが決定的になるのは、騒ぎが広まるほんの直前、主人公の恋人がゾンビ化したあたりから。


 街中を逃げる主人公。普段通りの生活をしている人他Tの中に、徐々に日常にひずみが生まれていく。この積み重ねが丁寧であればあるほど、その後の大異変が生きてくる。


 ゾンビものという血まみれのホラーであるが、前半はこうした日常の崩壊を丹念に描くパニック物になっている。



 と、面白かったので順にストーリを追うところだった。ゾンビものでおなじみ、主人公が立てこもるショッピングモールは、郊外のアウトレットモールに変更。微妙な変化だけど、ファッションやグルメばかりのアウトレットでは立てこもっても兵糧や武器になるものが少ない。もとより銃器の所持が禁じられている日本では、ゾンビに抗う手段が極端に少ない。なので、立てこもるしかないのだが。



 生前の記憶をかすかに残し、ぶつぶつとうわごとを言いながら襲うゾンビが気持ち悪い。でも、ああいう人、たまに見かける。ギャグ要員かと思ったゾンビが実は結構重要な役だったり。
 


 主人公がタイトル通りにヒーローになっていくカタルシスに比例するかのごとく飛び散る血潮と肉片。日本でも珍しいのではと思えるぐらいの人体破壊描写は、ギャグのようであり、えげつなさはどこかに消えた。



 これを超メジャー会社が全国ロードショーできたのは、よけいな横やりのはいらない製作体制にしたのと、過激なアクション描写を国外でロケしたから、とのこと。クールジャパンを謳いながら、そういうことでもしないと真にオモロイもんが作れないのかな、とかいろいろ考えてしまう。




 グロいけど、傑作。余計な人間ドラマをぎりぎりまで削ったのもいい。


 主人公の漫画家アシスタントが、昔賞を取ったままメジャーにもなれず、ぐずぐずと業界にしがみついてる様子が一番痛かった。夢を求めるあまり、恋人にも邪険にされ『今度こそ、今度こそ』と、あてにならない未来絵図を描く姿は自分に重なってしまい、ゾンビに噛まれるより痛い。売れっ子にしかしっぽ振らない編集とか、いい時計持ってる金持ちとか、訳知り顔のネクタイとか、みんな食われてしまえ、という原作者の怨念が聞こえてきそうだった。でもこの作者さんは儲かっていい時計してるんだろうな



 ただ、日本の女優さんって、タバコ吸う芝居がうまくないよなあ、とだけ思った。


 そして俺の休日は終わった。


 

拍手[1回]



忍者ブログ [PR]
カウンター
プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新TB
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析