作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!
男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい!
てな訳でよろしく
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先日、長男が『トップをねらえ!』を見たいというので梅田へ。OVAを劇場用に前後編に編集したもので、自分も見てみたいとは思っていたが、同じ時間帯に上映していた『トータルリコール4k版』に心惹かれてしまう。初公開以来の劇場での鑑賞、あれは和歌山国際劇場だったかな。地方にしては珍しく一本立て、ということは当時でも超大作扱いだったのだな。アーノルドシュワルツエネッガーが、筋肉の暴力装置という役柄から脱却しようと模索していた頃、ドンパチする以外の役柄を模索し、巡り合ったSF大作。でも監督が『ロボコップ』のポール・バーホーベンだったので、暴力指数はさらに高くなっているのでした。
夜な夜な火星の悪夢にうなされる土木作業員、ならばいっそ火星旅行の記憶を植え付けてもらおうとしたところ、火星の記憶がすでにあった。じゃあ俺は何者なのだ? 自分探しのために火星に向かう主人公。そこで明かされる真実。シュワが鼻に巨大器具を突っ込む痛そうなシーンやおばさんの顔がパカっと分かれてシュワが姿を見せるシーンが話題になってましたが、この映画の本質は記憶の操作による恐怖だったり、捏造された記憶(善)が本物の記憶(悪)を凌駕するという痛快さにあると思うのですが、それらをすべてポール&シュワの暴力でコーティング。とにかくちょっとしたことで人が死ぬ。善玉も悪玉も行く先々で死体の山を築いていく。こんなに人が死んでたっけ? 思えば、去年『ロボコップ』を見た時も記憶よりもはるかに死体の数が多かった。普通は思い出補正か何かで、実際は思ったほどではなかった、となるのですがバーホーベンはその逆。さすがオランダの暴力大将。でも今回見直してみたら、シュワの火星の大冒険すらも捏造された記憶、彼が見ていた夢の中なんだな、と。大金を注ぎ込んだ超大作で夢落ちという、壮大な空振りをやってのけるのもさすがバーホーベン。4k映像は綺麗すぎてマット画とミニチュアの境目がくっきり見えておりました。 そして週末。恒例京都みなみ会館の超大怪獣EX。今回は季節にぴったりの『ブルークリスマス』。怪獣も特撮も出ない、それでも立派な日本のSF。1978年『スターウォーズ』『未知との遭遇』という歴史的なSF大作に対して東宝が放ったのが『惑星大戦争』と本作品だったと思う。UFOを見た人間の血が青くなる……見た目は一緒でも血の色が違うという一点だけで、政府は彼らを排除ししようとする。庶民が気付かない間に行われる大謀略。事件を追うもの、事件を起こすもの、それにかかわる人々をモンタージュ的に、タイプライターのガチャガチャという音とともに物語は進んでいく。報われない小さな幸せを描く倉本聰のシナリオを岡本喜八監督がいつものテンポで描いていく。『日本のいちばん長い日』のような同時多発進行のドラマ。そしてクリスマスイブの惨劇。差別問題を宇宙人というワードでくるんではいるけど、国民総血液検査、隣人がすでに青い血かもしれない不安感、それでも守りたい人や家族がいる等々、コロナ禍の現在見ても古臭さはなく、むしろ今を先取りしているかのようにも見える。 岡本監督お得意の権力者に対する反撃の狼煙も、今回は上がらず。むなしくも切ないエンディングで物語は終わる。青い血の人間は処分されたかもしれない。でもUFOは飛び続けている。世界は徐々に崩れていくのだろうな、という予感を漂わせて物語は終わる。ずん、と暗い気持にはなるけど、時間が経つとあれこれ思い出してしまう、不思議な魅力の作品でもあり、これは『沖縄決戦』『日本のいちばん長い日』と並ぶ岡本喜八監督の大状況作品の一つなんだな、と思った。 そして月末、いつものオールナイトの代わりに二本立て興行。年明けにもあるとのこと。新聞書かないと。人生初の年末進行だ。 PR |
カウンター
プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。 『SHUFFLE! アンソロジーノベル』 でデビュー。 『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE ) 『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫) シリーズほか、チョコチョコと。 ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。
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