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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 年も明けて一週間、元日から飛び飛びに介護の現場で働いてお正月気分も何もあったものではなかったが、職務上の決まりとか何とかで、今週まとめて有休をとることになった。これでやっと正月らしく、のんびり休めるな、と思ったものの、MOVIXのお誕生日1000円クーポンの期限も近かったので、やっぱり映画に出かける。




 

 一本目は『男はつらいよ  お帰り寅さん』。渥美清氏氏が亡くなって、どうやって新作を作るのか、公開前から話題になっていた作品である。最近のスターウォーズシリーズのようにフルCGで寅さんを復活させるのか? 『男はつらいよ』は学生時代、夏・冬と何度か映画館で鑑賞したことがある。正月興行の際は、平成ゴジラシリーズと同じく場内が満員になるぐらいの人気シリーズだった。見始めたのがちょうど寅さんが脇に回り、甥の満男の恋愛を主演に置いた頃だった。破天荒な寅さんはいつしか甥っ子のよき理解者となっていった。今回もその満男が実質上の主役で、彼の初恋の相手との再会と別れを描いている。とら屋はいつしか喫茶店になり、バリアフリー化されていた。御前様は代変わりし、懐かしいさくらや博もすっかり年老いてしまった。こんな時、寅さんはどこで何をしているんだろう。寅さんは、満男やみんながふと思い出した時、回想シーンにのみ登場する。『メロンかぁ、メロンといえば……』と、真樹日佐夫の『さらば!アニキ』のごとく寅さんのメロンにまつわる面白エピソードがデジタル修復された美麗画像で挿入されるのである。思い出は古びないのだ。迫りくる老いや、親子関係でみんな悩んでる、みんなつらいのだ。そんな中で元気いっぱいで面白おかしいのは回想シーンの寅さんのみ。『死亡遊戯』かと思いきや『宇宙怪獣ガメラ』しかも、怪獣パートじゃなくって人間ドラマパートが多めの編集である。


 満男を演じる吉岡秀隆は様々な役側を演じてきたけど、満男を演じる時は完全に『あの時の満男』に戻っている。妻と死別し、娘と暮らす男やもめだけど、やっぱりいつもの頼りなくしょぼくれた満男なのである。でも作家でそこそこ稼いでいるから、モノカキの端くれとしては羨ましいご身分なのだ。そして久々に女優にカムバックした後藤久美子は色々と濃かった。ちなみに『007ユアアイズオンリー』よろしく、オープニングで顔出しして主題歌をうたう桑田佳祐も濃かった。久々に見るゴクミをずっと『セナの嫁』と思っていたけど間違いだ、『アレジの嫁』だ。寅さんは新撮影パートに全くでないかといえばそうでもなく、時々、満男の後ろにふっと現れる。まるで幽霊かジェダイの騎士のようだ。そこでスターウォーズのオマージュかよ、と思った。



 まるで寅さんのいた時間が夢だったかのような構成。現実はつらいよ、見ているこっちもつらいよ、である。まるで、シリーズの長い長いエピローグのような作品である。でも好きな人はラストの歴代マドンナ総登場で涙腺が崩壊したかもしれない。


 笑いに行こうかと思ったら、とてもつらくなってしまった。次は楽しい作品を、ということで『仮面ライダー・令和・ザ・ファースト・ジェネレーション』を。恒例冬のライダー映画、今回は現役のライダーゼロワンと前作のジオウが共演。機械と人間の在り方を毎週描くゼロワンだが、今回は歴史が歪められてしまい、機械の支配する世界に放り込まれることになる。そこで父(ロボット)との再会があり……と、こちらも割とまじめな内容。お笑い芸人志望で毎回くだらないギャグを飛ばすゼロワン=飛電或人も、今回ばかりはまじめで、どちらかといえば真面目に学生生活を送っていたジオウ組がお笑い担当。いや、ライダー映画はコメディではないからこれでいいのか。ライダー映画恒例の『生き残った人類によるレジスタンス軍』も登場。小銃を撃ちまくる際、ちゃんと薬莢がカラカラと落ちていたのに感心してしまった。



 今回登場の敵怪人は……ライダーだらけだ。或人の父が変身する仮面ライダー1型、そしてアナザー1号。ゼロワンもプロトタイプのゼロゼロワンに変身。映画限定フォームが最新型ではなく、プロトタイプというのも珍しい。強化服の歴史を見ているようで楽しいし、昭和ライダーから入った身としてはバッタモチーフのライダーがぞろぞろ出てくるのが嬉しい。




 前作の夏ライダー映画が世紀の怪作、珍作だったので、今回は割とオーソドックスに、父と子の絆、そしてゼロワンの令和ライダー1号襲名を真面目に作っているないう印象。とはいえライダー映画である、バトルの連続で退屈させない、実にお正月映画らしい内容。ちなみに劇場には自分一人だけ。貸し切り状態だった。


 外に出ると冬の嵐か、風が強く吹いていた。そう、風こそがライダーのエネルギー源なのだ、と家路についた。



 そういえば、まるでタイプが違う2本だけど、過去の回想のような主人公の夢で始まるという共通点があった。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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