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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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『明日は暖かいですよ』と、天気予報のそんな言葉に心が揺れたある日。聞けば3月中旬並みの気温になるとか。ならば行ってみよう、京都へ。今のうちに見たい映画をみなみ会館で見ておこう、と仕事あけに京都へ。しかも今回は久々にバイクで。だから気温が気になった。4年前の春の日もバイクで京都に向かったなあ。あれから色々あってバイクも修理したし、長距離も大丈夫だろう、一度試してみたいという思いもあった。職場からみなみ会館までバイクで一時間半ほど。思ったよりも早かった。しかしさすがに府境は軽い山越えという事もあって、冷えた。どこが14度だ、京都はまだ9度だったよ。



 その上冷たい飲み物を買ってしまったから体はさらに冷える冷える。そんな状況で『仁義』を見る。ジャン・ピエールメルヴィルの1970年の作品。今まで手をつけたことのないジャンル、フィルム・ノワールだ。ム所帰りのアランドロン、逃亡者ジャン・マリア・ボロンテに、元警官のイヴ・モンタンが組んで、宝石店襲撃を企てる。緻密な作戦とチームワークが必要とされる内容だが、そこに爽快感はない。ひたすらクール。アランドロンは、無表情にじっと立っているだけでかっこいいが、何を考えているのかわからない。陰影のくっきり分かれた映像は、実相寺作品や必殺シリーズを彷彿とさせる。みんなどこかに源流があるのだろうか、少し気になる。切ないラストに、劇中何度か出てくる台詞『人はみな罪人』の通り、追う側もまた悪事に手を染める展開。無常感が残るエンディングは、時代的にもニューシネマの影響なのだろうか、それともこの監督の持ち味なのだろうか、メルヴィルのことをもっと知らないと、と思った。


 そして続けて『アリス』を見る。実はこれが今回のメイン。チェコのヤン・シュヴァンクマイエルが『不思議の国のアリス』をもとに、独自の解釈で作った、実写と人形アニメを組み合わせた作品。人形アニメがあるから、一応特撮ものだ。はく製や動物の骨格でパッチワークされた、ちょっとグロい奇妙な生き物たち。元々が他人の夢を見ているような不思議なお話なので、さらに不思議度が増している。小規模なセットであの原作の世界観を見事に表現している。アリスがやたらとものを口にするので、そっちの方が気になった。机の引き出しの取っ手が毎回抜ける天丼ギャグも黒い世界にちょっとした笑いを添えてくれる。しかし、こんな半分実験映画みたいな作品を、ロードショー公開していたのか、バブルだなあ。 

 みなみ会館はこれからも魅力的なライナップがたくさん待機中、これからも時間を見つけて怪獣以外の作品に触れていきたい。とか言ってると、来週はまたまたウルトラとゴジラがやってくる!

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かつての007のようなスパイ映画にグロさとエロさをちょっと加味した『キングスマン』。その続編『キングスマン・ゴールデンサークル』を見た。そういえばマシューヴォーン監督はキックアスもXメンも続編は別の人に譲ってた。今回初めて続編も手掛けることになるので、期待して劇場へ。

 
 麻薬に人を死に至らしめるウィルスを混入し、麻薬合法化をアメリカ政府に要求する組織ゴールデンサークルに挑むイギリスの秘密諜報機関キングスメン。しかし今回ゴールデンサークルに先手を取られ、組織は壊滅状態。生き残った主人公エグジーは、アメリカの姉妹組織ステイツメンに助けを求める……。

 
 狂った悪の組織、奇天烈新兵器、グロにエロ、バッキバキに決めるアクションがてんこ盛り。って、それってほとんど前と一緒じゃないのか?

 麻薬に手を出す人間なんか死んでもいいんじゃね? という問いかけは新しい、と思った。でもさ、それでも見過ごせるわけない。

 
 敵は金持ちの狂人、その片腕は義手の化け物っていう構成も前作とほぼ一緒。うーんもったいない、物足りない感じ。確かにアクションは前よりも多いし目まぐるしいカメラワークも楽しい。でもそれは前作でもやったことではないか? 前作はスパイものの面白さと、街のボンクラが鍛えられて一人前になる少年の成長物語が面白かった。キックアスもXメンも、平凡な日常から抜け出してはしゃぎ、挫折する若者の姿、おもろうてやがて悲しき青春残酷物語が面白かった。今回はボンクラだったエグジーもベテランになってしまったので、子供がいないのだ。

 アメリカのステイツメンの面々ももっとバカなアメリカ人で、もう少し前に出してもよかったのでは。組織から裏切り者、というのも前にやったじゃないか。



 うーん、もうひとひねり欲しかったなあ、と思う一本。ひょっとしたら自分には物事を楽しむ、感動する回路が壊れてしまっているのでは? と時々思ったりするのですが。

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 京都の年越し上映で映画はじめ、そして元旦から仕事始め。まったく介護の世界はノンストップの闇だぜ。仕事始めも終えた翌日、家でゴロゴロテレビを見るのも詰まらん、では映画館だ、とジャッキーチェンの『カンフー・ヨガ』へ。インド映画の華やかさに香港の大スターをねじ込むにはどうすればいいのか? というところから逆算されてストーリーを作ったような感じ。古代インドの秘宝をめぐる悪漢とジャッキーたちの攻防、というよくあるお話、と言えばよくあるお話。



 60を超えてまだにアクションをこなすジャッキーの姿に『大丈夫か?』とまるで絶滅危惧種の動物を見ている気分になる。しかし、昨年だけでも3本の主演作が公開されている、足が上がらなくなり、ローキックが多くなっても、その体の切れはまだ衰えていない。それでも危険なアクションは若手に任せたりもしてますが。
 



 カンフーだけではない、カーアクションも満載、高級車がぐしゃぐしゃとクラッシュされる様子は爽快。それにやたら動物パニックの要素も多い。ライオン、蛇、ハイエナ等々がジャッキーたちに襲い掛かる。いったいどこにインド映画の要素があるんだ? 予告編では歌って踊っていたよ、もうすぐ映画が終わりそうだ、と思ったら最後の最後に大団円的に踊りが繰り出される。イイモノもワルモノも、地元の人たちもみんな一緒になって踊るのは見ていて気持ちがいい。
 

 
 インド映画に美男美女、カンフー、アニマル、カーアクションと面白い要素をぶち込んだ、おせちにカレーを混ぜたような、盛りだくさんのお正月にふさわしい映画でありました。


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 年末年始は同じような番組ばかりやってるし、番宣のための再放送というよくわからないことやってるし、見なくていいなら見ない、でもつい見てしまう。ならば、と先日の京都怪獣映画祭ナイトから一夜明け、再び京都へ。



 いつもだったら怪獣ナイトが終わると京都みなみ会館は正月まで休館するのだが、今年は3月の一時休館に向け、できるだけ様々なイベントを用意しているとのこと。その一つが大みそかの年越し上映会だった。上映作品はアキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』。ちゃんとタイトルも覚えてはいなかったが、久しぶりのアキ監督という事で見てみようと思った。学生時代はヨーロッパ映画の新しい波が来ていた、ベネックスとかカラックスとか。いきがってそのあたりもかじってみたけど、よくわからなかった。でも『レニングラード・カウボーイズ』はバカみたいで好きだった。バカみたい、じゃない、バカなのだ。バカという表現が不適切ならどこか間が抜けてる映画である。アキ・カウリスマキはフィンランドの監督で、兄のミカと、映画館を経営しながら映画を作ってるという事だった。その間が抜けた作風が気に入って『マッチ工場の少女』『ラヴィドボエーム』等も見た。 派手さはない、つつましやかに生きてる人間のどこかおかしい人生を描いていた。
   
久々に見るカウリスマキ映画は、学生時代に見たあの映画たちは変わってはいなかった。フランスのル・アヴ―ルで靴磨きをする男、マルセルの姿を描く、ただそれだけ。淡々と、仲間と一緒に働き、妻を愛し、飲んでタバコ吸って、犬と散歩し、買い物をするマルセル。しかし妻の入院に、密航者の少年が転がり込んでくるところから、その生活が変わってくる。実は余命いくばくもないが、真実を告げられないまま妻を見舞い、少年のためにロンドンへの密航を助けるマルセル。そんな彼をつけ狙う警視。しかし、どれも淡々と物語は進んでいく。




 突き放したような余白のある画面作り、赤や青の原色を使った、冷たいけど、どこかぬくもりが感じられる配色は学生時代に見たカウリスマキ映画そのままだった。少年をかくまい、マルセルを助ける近所の人たち、冷徹そうでいて、人情にほだされる警視、悪人のいない、どこか抜けた人間たちの集まり。そんな人間たちにただ寄りそっている犬のライカ。ホッとするラストの展開も劇的に盛り上がることもなく至って淡々としている。でも、そこがいい。大みそかに、この映画をチョイスしてくれたみなみ会館様に感謝。


 
 映画が終わると、館長からの新年のあいさつに、入場者全員にお年玉が配られた。中身は五円玉。これからもご縁があるように、という意味かもしれないけど、これまでもこの映画館でたくさんの出会いやご縁に恵まれました。どうにもならん人間が、ただ映画を見に来ただけなのに、いつの間にか人前で司会をしている、そんなこと、4年前には想像もしてませんでした。3月まで、できるだけこの映画館には通いたい。
 年が明けて、それでも初詣で慌ただしい京都の街に、きれいな満月が出ていました。
 
 
 

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 いつの間にかクリスマスが来て、そうこうしているうちにすっかり年末の慌ただしさが来て。それで新年を迎えて、いつものような毎日が始まるんでしょうね。正月休みもクリスマスもない介護の世界ですが、今年はなぜかクリスマスからぽかん、と休みができてしまった。今のうちに休もう、と思ったけど、子供らは冬休み真っ最中。借りてきたウルトラマンレオを見る間もないままに、子供たちの相手をしないといけなくなった。とはいっても、子供らもすっかり大きくなったので、ある程度は放っておいても大丈夫、ある程度は。やっぱりどこか連れてけ、あれ買ってくれ、というのはいつものこと。子供らが学校行ってる間に、親父はアニメゴジラもジャスティスリーグも見ていたのですよ。すまん、でも待ちきれなかった。アニメゴジラは終わってしまったけど、クリスマスの日に、ジャスティスリーグだけでも、と映画館に出かける。しかし、こちらも終了間近でどこの映画館も上映回数が減ってる上に吹き替え版ともなるとさらに少ない。レイトショーはまだきついし、と探したら奈良に一件だけ日中に上映している映画館があった。ドライブがてらに行ってみるか、と向かったイオンシネマ西大和。全てに映画館があるわけではないが、奈良はイオンが多い、という印象である。初めてのイオン、初めての映画館というのもなんだか楽しいものである。



 イオン西大和は俗にいう『残念なイオン(失礼)』。かつて別のスーパーだったものがイオンになった店舗。あの広大なイオンモールとは違う。しかし、こんなところに映画館が、と車を止めてその外観をみても、とても映画館が入れそうな大きさではない。あとで入ってみたらスイミングプールはあった。『どこに映画館が?』振り返ると、道路を隔てた立体駐車場の隣に映画館が立っている。たぶん、元ジャスコだかイズミヤだったものがイオンになってから、映画館を建てた、ということか。店舗内になく、独立して建っているので、なんだか不思議な感覚である。オシャレな外観ながら、どこか、昔からある街の映画館を思わせる。



 
 2度目のジャスティスリーグは、世間で言われるほど悪くない。アベンジャーズほどまとまってる感じがしないけど、各キャラの個性がきちんとかき分けられてる。無敵のスーパーマンをあまり戦闘に参加させなかったのは賢明な判断で、彼はそれよりも人命救助を優先したがるのだ。アメリカのヒーローはどちらかといえば戦闘よりも救助しているイメージの方が強い。今回の映画でもそんなシーンがいくつか見られたのでそれだけで満足なのである。



 子供らと映画を見ると、ストレートな感想、質問が飛び交うのでおもろい。次回作はどうなるのか? などと話しつつ、すっかり辺りが暗くなり、クリスマスのイルミネーションがちらほらと瞬く中、大阪へと戻った。



 
 その翌日。娘が行きたがっていたディズニーアート展へ。会場は大阪市立美術館なので、少し離れた駐車場から徒歩で新世界を突っ切って会場へ。久々の新世界は、串カツ屋とガチャガチャが並ぶ、作られた大阪の街だった。観光目的だから仕方ないし、では本当の大阪とは? と言われると何も答えられないが、少なくとも、今の新世界ではない。猥雑さを求めてはいけないが、それでも昔あった店がなくなってホテルと串カツ屋に変わっているのは寂しい。もし観光客が無くなったら? 再びあの猥雑さが蘇るのであろうか?




 ポルノ映画の看板と、立ち小便しながら俺に微笑みかけたおっちゃんだけがいつもの新世界らしさを醸し出していた。仕方ないね、時代が変わったら街も変わるものなのです。でもなあ、あのデッドストックの茶間だったおもちゃ屋がつぶれていたのは惜しい。
 
 ディズニーアート展はアナログからデジタルへの変遷、その美しき原画、コンセプトアートを思う存分堪能できた。『これ、見た?』『これ公開してたの○年前かー』等、なんだかんだとディズニー作品ってなんとなく見ていたりするし、子供が小さい頃はよく連れて行っていたので、その時を思い出したりと、会話ツールに最適である。ゴジラ展では素通り気味の娘もじっくりと見ていた。





 そしてその翌日。今度はファーストオーダーに入りたい次男と『スターウォーズ最後のジェダイ』へ。新3部作第二弾だが、エピソード2、5と今までもシリーズの2作目はどこか危うい雰囲気はあった。今回もそんな空気を感じた。2時間45分とシリーズ最長、とにかく散漫になりそうだけど、どこか一本で線に繋がっている。主人公レイのジェダイ修行とレジスタンスの敗走、そして脱出と同時多発にドラマを見せる従来の構成で、長さを感じさせない。圧倒的に数が少ないレジスタンスに『銀河の平和守れるのか?』と不安になりつつ、帝国のコピー組織だったはずだけど、圧倒的な装備とか人数を誇るファーストオーダーに脅威を感じてしまう。でもトップがあれだからなあ。完結編の次回はどうなるんだろうか。白兵戦、主人公側の敗走と、似せてないようでいて、どこか『帝国の逆襲』を思わせる。隠居したかつてのヒーローを尋ねる新主人公に、バカでかい大砲、という2点だけで原作のゲッターロボ號を思わせるし、宇宙空間を泳いで逃げるレイアの姿に、フンドシ一丁で宇宙遊泳をした『魁!男塾』の江田島平八塾長がダブって見えた。
 今更だけど、『スターウォーズ』ってダースベイダーあってナンボですな、と個人的には思うのです。帰りの車中では次男とスターウォーズ談義。いつの間にかこうしてやり取りができるようになったのか、と思うと子供らの成長が頼もしく見えるし、同時に自分も老いてきたな、と思う。
 


 久々に子供らと充実した冬休みを過ごせたが、世間が仕事納めの頃にまた夜勤が待っている。そして明日はみなみ会館の怪獣納めだ。今回はあの『グレートマジンガー対ゲッターロボ』がラインナップにあるので、今から興奮している。ついにみなみ会館で劇場版マジンガーが拝める、まるで夢のようだ。



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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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