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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 先週末から見た映画のことなど。

『がんばれいわ‼ロボコンウララ―!恋する汁なしタンタンメン‼の巻』『スプリンパンまえにすすもう!』『人体のサバイバル!』のやたらと『!』の多いチビっコ向け三本立て。お目当てはロボコンだったけど、メインは人気学習漫画の『人体のサバイバル!』らしい。なので、いきなりロボコンがトップバッター。困った、『ロボコンが作った汁なしタンタンメンが世界征服を宣言し、他の中華料理が人類に牙をむく』という気が狂ったような内容だった。ロボコン、というより不条理な東映不思議コメディの路線、かつての下町ロボ根性物、とはちょっと毛色が違う。コロナ禍で撮影された少人数小規模の撮影、これがテレビのパイロットなら、他にもぞろぞろロボット仲間がいたのかもしれない、とないものねだりをする。見ていて途中で『誰が何を主張し、行動している』のかがわからなくなってきた。詰まるところ、一番おかしかったのはロビンちゃんか。介護ロボットという設定はよかったけど。目まぐるしくガチャガチャしたロボコンの後に始まった『スプリンパン』、10分ほどのCGアニメだけど『君、誰?』なのである。さも『ご存じスプリンパン』というテイで登場し、不思議な生き物と歌って踊って自己紹介して去っていく。何だったのか? ロボコンの後にあれをやられるとますます脳内整理が追い付かなかくなってきた。君は何者だね、なぜお母さんは普通の主婦っぽい格好なのかね? 聞きたいことは山ほどあるけど、彼女は去っていった。何だったのか、新番組のパイロットだったのか、自主製作映画だったのか? 謎は永遠に謎のままがよいのかもしれない。そしてメインの『人体のサバイバル!』は学習漫画のアニメ化ということで、これも『ご存じもの』の体で登場。でもこっちはきちんとキャラをナレーションとテロップで紹介してくれるので、まだ親切である。ミクロ化して人体の不思議、そしてピンチを切り抜け! なジュニア版『ミクロの決死圏』だった。脳腫瘍を溶かすための超音波発生装置の遠隔操作が故障、手動でロックオンするという定番だけど暑い展開もあり。こちらがこの後シリーズ化されていきそうだけど、ロボコンもまた見たい。そして予告で流れたおしり探偵と仮面ライダー電王も気になるところ。


 そして昨日、『仁義なき戦い頂上作戦』へ。京都みなみ会館仁義なきシリーズ上映もこれで4本目。前回、神戸の大組織をバックにした山守VS打本の抗争になりそうなところでお話が続いたが、今回はそこに警察が介入する。戦後18年、激化する抗争にようやく市民が声を上げ、警察が重い腰を上げた! しかし、今回ますます打本組長(加藤武)のヘタレっぷりが顕著になっていく。喧嘩はしたくないけど、組織のトップには立ちたい、敵対組織に秘密を洩らし、さらには金を無心する図々しさ。事業が大事と言い張るので『タクシー屋のおっちゃん』とバカにされるも開き直るふてぶしさ。ひょっとしたら、狸親父の山守組長と並ぶ理想の大人像なのではないか? と錯覚してしまう。みんな広能や武田、あるいは愉快な江田にあこがれるかもしれない、でも結局は小心者だけどビッグでありたい打本やおいしいところどりの山守組長みたいなタイプが最後まで生き残るのではないか? そんな気がする。警察の頂上作戦によって主役の広能が途中退場、残った武田が抗争の後始末に奔走する。結局抗争もトップがパクられ、神戸の大手も手を弾いてしまって収拾がつかなくなる。そしてくすぶるように暴力を発散させる若者たち。監獄で検察官が広能に言う『偉いもんは動かんで、若いもんばかり死んでいく』と。これもまた戦争の縮図であり、ヤクザの姿を描いた戦後史であることもうかがえる。そして野球賭博を仕切る若者(小倉一郎)、ひょろっとした草食系のルックス。およそこのシリーズの世界観に似つかわしくない彼の登場がまた、時代の移り変わりを表しているのかもしれない。一つの時代が終わったような、ラストの小雪舞う刑務所の描写が印象的。でもまだシリーズは続くのです。


 ここまで汁なしタンタンメンとかスプリンパンとか広島やくざとか、非現実なものばかり見てきたので、現実的なものを、と思い『はちどり』も見る。



 90年代の韓国、一人の女子中学生の姿を奇をてらうことなく淡々と描く。何もない、普通の世界だから、俳優さんも大変だな、と思った。物語もそれほど大きな事件があるわけでもない。主人公ウニの入院も命にかかわることではない。中学生らしく大人はわかってくれない世代。友達と遊んだり、悪さしたり、両親はがみがみ、兄は暴力をふるう、ぎすぎすした関係。でも、一色に食卓を囲む。何度も食事シーンが登場するのが彼らが『家族』である証のようにも見える。浮気? もすりゃ子供にうるさい父親も、暴力的な兄も、ぎりぎりのラインで『家族』であり、それがあるきっかけで爆発するシーンも何度かある。でもウニは、そんな自分をわかってくれる大人、漢語塾の先生に惹かれていく。劇的なパートといえば、その顛末ぐらいで、あとは本当に淡々とした女子中学生の日常が描かれる。ラストのウニの表情がいい。


 思えば、自分の娘とウニは同世代だった。そう思うと、どうしても父親目線で見てしまう映画でもあった。
 
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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