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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 パンデミック宣言が発令された世界は、どこか静かで……と書きたいけれど、いたって普通に人も車も行き来している印象。ポカンと空いた休日、やることはあるけど、とにかく今日しかない、と思い『初恋』を見る。あの三池崇史監督が手掛けるバイオレンス、でも『初恋』というタイトル。



 余命宣告されたボクサーがひょんなことで知り合ったシャブ漬け少女。二人の逃避行の裏ではヤクザと悪徳刑事の麻薬強奪計画が進んでいた。些細なことで歯車がずれていき、ついに二人ははやくざ、チャイニーズマフィアの抗争に巻き込まれることになる。



DOA、殺し屋1、数々のVシネマ、単館公開作品……。『そんなアホな』を大真面目に描き、見ている側は笑うしかない、あの時の三池映画。くせ者ぞろいのキャラがずらりそろった三池映画、あの時のテンションが帰ってくる! というのは大げさで、もう『あの時』ではなかった。『そんなアホな』感が少ない。とはいえ、各キャラの個性は強烈である。そのために主役のカップルの存在がかすむほどである。



 特に裸足にバール片手にひたひたと迫ってくるベッキー。あのベッキーが色々あって、まるで本当にシャブでもやったのかと思えるほどの怪テンションで主人公(窪田正孝、小西桜子)に迫ってくる。目をひん剥き、まるでホラー映画のキャラのようであるが、ポイントは裸足であること、ひたひた感が不気味さを増しているのだ、と個人的に思った。シャブを体に浴びて痛覚がマヒした染谷翔太も、シャブまみれになる以前からくるっている。計画がうまくいかないたびに『まじかよ……』と淡々と人をひねり殺していく裏切り者の切れ者ヤクザ。この二人がかつての三池映画らしさを体現していた、と思う。クライマックスはホームセンターでの三つ巴の争い。このチョイスがいい。夜のホームセンター。できるならもっとその辺にあるもので戦ってほしかったな、とは思うもののホームセンターは広大で逃げ隠れしやすいし、格好のバトルフィールドでもあるのだ。


 いい顔した昔気質のヤクザに内野聖陽。最初誰かわからなかった、人の顔と名前を覚えるのが苦手だからだ。いい顔した武闘派ヤクザだなあ、と思った。昔気質、というものの昭和の任侠映画のころではなく、90年代のVシネマにいそうな雰囲気。もう、あの頃の作品群も古典と化している。かつての三池映画のキャラが令和の三池キャラと絡み、新たな世界を生み出していく、そういう構図にも見えた。



 かつての三池映画のテイストはないものの、ラストで一気にタガが外れた無茶苦茶な展開。タイトルの『初恋』の意味がようやく分かるラスト。バイオレンス映画に見せかけてその落とし方かよ、そりゃ『いつもの三池映画』を期待したこちらの予想を軽く裏切ってくれる。確信犯だったのか。さらばバイオレンス、高校合格おめでとう次男。


 そしてベッキーの腿よりも小西桜子の尻肉だよ。尻肉にかぶさるタイトル、これも確信犯だ。

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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