作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!
男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい!
てな訳でよろしく
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 もう何度も書いているのでうんざりされるかもしれませんが、自分のお仕事はモノカキ兼介護職。いや、介護がメインで、サブがモノカキ。いつかモノカキ業がメインの収入を超えたら、やめてやろう……と思いながらずるずると続けております。と、ここで自分の境遇を嘆くわけではありません。介護職というのは休みが不定期なので、平日に連休だったり、週末働いたりすることが多いのです。人が休んでいる時に働き、人が働いてる時には休む。でも平日お休みだと、まるで自分が無職だと思われそう、と不安になったりします。」
しかし、そんなヒマな大人のために、ということはないと思うのですが、映画館はサービスデーを平日に設定したりすることが多いのです。
そんな昨日は松竹系のMOVIXはメンズデー、TOHOシネマズはシネマイレージデーで、普通の大人料金よりもお安く映画が見れる嬉しい日。そんな日に見たいものが重なると、ハシゴしたくなるってものです。ケチか? いや、本当のケチはレンタルになるまで待ちますよ、いやサイトの情報だけで、脳内で映画を一本でっちあげるかも。自分は中途半端なケチであります。でも、そのけちけち精神は大金持ちになっても捨てたくないので、金持ちになりたい。
まずはバイクで湾岸道路を飛ばしてMOVIX堺へ。インド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』が近隣ではここしかやってないし、今週で上映終了、という事。
パキスタンの少女がインドで迷子になってしまう。信仰心の熱いおじさんが彼女を引き取り、そして彼女を親元に届けようと奮闘する、そんなお話。ところが、お話は簡単には終わらない。なにせインド映画です、2時間半以上の長尺なのです。歌と踊りがあるから長い、というのもあるのですが、それだけでは済まされない事情があるのです。
まずインドとパキスタンは地続きのお隣同士なのですが、あまり仲良くない。それと、宗教の違い。主人公のおじさんはハヌマーン(ウルトラ六兄弟とも共演したあの白猿)を信仰するヒンドゥー教徒。対して迷子の少女は鶏肉オーケーなイスラム教徒。インドでは異教徒なのですな。島国に育ち、宗教は都合のいい時にイベントを行うぐらいの信仰心が薄い、日本人(そりゃ信仰心の熱い日本人もいるとは思いだすが、ここは漠然としたイメージで)からは想像できないような複雑な事情が絡み合ってるのです。しかし、宗教の違いが意外なヒントを生んだ。迷子の少女は口がきけないし、読み書きができない。自分がどこから来たのか伝えられない。この設定が実にうまい。おじさんは、彼女がインド人だと思っていたら、ある日彼女が鶏肉を食べ、クリケットのパキスタンチームを応援するのを見て確信するのです。イスラムだ、パキスタンの子だ! しかし、その頃外交的にうまくいってないパキスタンへ行くのは至難の業、そこで旅券もビザもなしに国境線を超えることに……。パキスタン、という手掛かりだけの少女とおじさんの珍道中、ただでさえ不法侵入の上にスパイに間違えられて警察からもマークされることに。道中で彼と知り合ったジャーナリストも仲間に加わり、少女の親探しの旅は続くのです、終わり。このままだと全部書いてしまう。 前半は歌って踊って戦うインド映画、後半はパキスタンに移ってのロードムービーという構成。イスラム教のムスクに入ることを拒むおじさんに『ィんだよ、細けえことは』と歓迎、その上に脱走の手助けをする司祭。生活と宗教が密接な関係にある彼らには異教に触れることはとんでもないことなんですが、迷子の少女のためなら致し方ない。いつしかおじさんの気持ちも変わってくる。全国の娘のいるお父さんは必ずウルルルしてしまい、外出の際は決して娘を手放すものかと思いたくなる。小さな善意の前には宗教も国境も関係ないのです。信心深く愚直で素直すぎる(ギリギリバカ)おじさんのキャラクタ―も素晴らしい。彼のまっすぐな気持ちが二つの国をほんの少し、動かした。しかし、ネットの力はすごい。山奥に住む人たちもスマホで動画見る時代なんだなあ。
そしてウルウルしながら次の目的地、TOHOシネマズ鳳へ。次の上映まで30分しかない、いけるか、行くのさ。
M・ナイト・シャマランの新作『ミスター・ガラス』だ。シャマラン監督もそういえばインド系だ。毎回観客が『え?』となるようなどんでん返しを用意することで有名な監督、しばらく『もういいよぉ』となっていたけど、今回があの『アンブレイカブル』の誰も待っていなかった続編とあれば見るしかない。『アンブレイカブル』も不思議な映画だった。列車事故で唯一生き残った男、なぜ彼は無傷なのか? というミステリー仕立てのお話かと思いきや、彼と対極の、生まれつき骨折しやすい体質のコミック研究家を置くことで、徐々にヒーローものとしての実態が浮かび上がってくる構成。それも地味な、地味なヒーローものの第一話と最終回。アンブレイカブルマンの特技は怪力と警察に通報することだ。
あれから十数年、アンブレイカブルマンは街の監視者として息子と二人でヒーロー活動をやっていた! やってたんかい! しかし、彼は凶悪な『ビースト』と対決中に警察に捕まり、ミスターガラスのいる重度の精神病院に収監されてしまう。この『ビースト』もシャマラン監督『スプリット』のキャラクター。自身の中に24の人格が入った犯罪者だ。要するにシャマランユニバースである。悪役とヒーローがそろった。でもそれで? コミックの世界をぐつぐつと煮込んで地味にした内容は相変わらず。町内レベルのインフィニティウォーである。シャマラン監督は広げた風呂敷を畳みつつ、別の風呂敷を広げていく。まるで石川賢の漫画のようだ。アメコミ、ヒーローの世界なんて本当にあるのか否か? 絶望から転じて希望にあふれるラスト。これは続き撮らないといけないですよ。マーベル、DCのハデハデなヒーロー映画の裏にべったりと張り付くような、地味なシャマランユニバース。『アンブレイカブル』の頃と違い、ヒーロー映画更盛の中に作られたカウンターみたいな作品。ぜひ、全てのシャマラン映画は繋がってるという事で、サイン星人やビレッジ獣の再登場をお願いしたい。そういえばこの映画もネットが重要なキーになっておりました。
そして見たいものすべて見終わり、次の見たいものが来るまでじっとおとなしくしようと思うのでした。冬眠です。
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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。 『SHUFFLE! アンソロジーノベル』 でデビュー。 『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE ) 『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫) シリーズほか、チョコチョコと。 ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。
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