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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 あれは昨年の暮れ。作家の空埜一樹先生とお話していた時のこと。
『見ました、ヘレディタリー? 怖いですよ』
『怖いの?』
『わっと来るような怖さじゃないですけど、こわいです』
 確か、そんな内容だったと思う。


 個人的に血がどばーとか体ぐちゃぐちゃの、いわゆるスプラッター系の映画は苦手だし、シーンとしていると、『わっ』と来るのも苦手、総じてホラーにはあまり足を進めたくないんですな。それでも怖いもの見たさと申しますか、評判のホラーは気になってしまう。


 とういう事で見ておこう、ヘディテリー。いや、ヘデタリーだったか? 検索しても出てこない。ひょっとして、ソラノ先生は存在しない映画を怖がる、まるで小松左京の『牛の首』状態だったのか? いや、そもそもソラノ先生はあの時、そこにいたのか? 自分は誰もいない助手席に向かって延々話しかけていたのではないのか? と、ほんの少しゾッとしましたが、なんてことはない、タイトルを間違えていただけなんですな。しかし、一度言い間違えると、なかなか戻らない。ヘディテリー、ヘデタリー……とにかく上映館を調べてみると、近場では上映していない。そこで、新年早々心斎橋へ。前回の『来る』に続き、新春ホラー大会である。



 心斎橋ビッグステップにある映画館は、以前は『パラダイスシネマ』は、学生時代何度か足を運んだこともあるけど、『シネマート』になってから行くのは今回が初めて。



 ビッグステップ内にある『墓場の画廊WEST』でウルトラマンレオ展をやっていた。パネル展示とちょっとしたグッズ販売、要はブルーレイ発売のイベントらしい。そういやブラック指令に会ったのは去年の冬だったなぁ、とか思い出す。
 
 で、映画館へ。
『ヘデテリー一枚、いやへデデリー、デリヘリー……』
『ヘディタリーですね、言いにくいですよね』
と、なんとかチケット購入。シネマートは韓国映画を推していて、展示や販売もにぎやか。入場待ちの間には獅子舞もやってきたけど、スタッフさんに『上映中です!』と注意されてた。 
 で、『ヘディタリー継承』のことを。たぶん内容に触れてますので、ご了承ください。
 とある郊外の家族。祖母が亡くなってから、どこか様子がおかしくなってくる。いや、おかしいのは祖母が死んでからなのか? 怖い、何がどう怖いのかがわからないのが怖い。両親と兄妹の四人家族、妹はいつも絵を描いたり、口を『コッ』と鳴らしたり、よくわからない。その妹が事故で死んだ。兄に誘われついていったパーティの途中、アレルギー発作を起こしてしまい、病院に向かう車の中、外の空気を吸おうと窓を開け身を乗り出したとたんに電柱に首が……。アメリカの蟻はデカい。
 妹の死をきっかけに壊れていく家族。いや、その前からおかしくなかったか? 時折聞こえる『コッ』という音。降霊にハマる母、祖母の墓があばかれたと連絡を受ける父。徐々におかしくなってくる。いや、冒頭からいやな空気が流れてたよ! コッとするたび、びくつく家族、そして観客。数々の異変が徐々に一つに結ばれ、そして意外なラストへ。
 全体を流れる重く、暗いトーン。母の仕事でもある緻密なミニチュアの不気味さ、生前の祖母の奇行、吠える犬、謎の光、コッ、デカいアリ、降霊オバチャン……。
 
 後ろでは女子グループが何かあるたびすすり泣くような声をあげ『うぅううう……帰ろう』とささやいてるし、前ではカップルが、恐怖のあまり頭をくっつけ合ってる。いちゃつくんじゃねえ、目立たないようにやれ。
 
 様々な伏線が回収、あるいはスルーされていくクライマックス。最後はもう見てくれで怖がらせてやるぞ! とばかりに、あれが四つん這いでカサカサ―、天井に張り付いたり……とやりたい放題。あれって誰? 『そんなバカな?』と思うことが実現しちゃうのが映画の面白い所。今回もスルーされかけていた事柄が現実味を帯びた瞬間、とんでもないことになる。最後は本当にとんでもないので、こわいというより『なるほどぉ』と感心してしまった。あれ、でも『コッ』は何だったの? とか『?』が残ったので、パンフレット読んでみよう。
 心にぐちゃりと残る不思議な映画、怖いので、帰りにもう一度、ウルトラマンレオの勇姿を見て帰宅しました。
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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