作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!
男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい!
てな訳でよろしく
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再び腹部に違和感を覚えた俺は、入院の用意をしつつ、診察へ。すると予感的中、胆のう炎再発だった。早すぎる再発、しかし、今度こそ決着をつけないといけない。時間と金を余計に使ってしまったが、仕方ない。
まずは前回通り内科に入院。0からの出発絶食と点滴で炎症を抑える。これは絶食の1週間がしんどい。その間に外科で手術の下準備。MRI、CT、レントゲン、エコー等々。あらゆる手段で体の隅々まで見てもらう。不幸中の幸いというべきは、胆石以外、ガン等、他の異常は見られなかったことぐらいか。
入院中は水木しげるの短編集で、しょんぼりしたり、がっかりしたり。それが短編の持ち味。みじめでも何とか生きていこうよ。
内科の2週間は長い。お見舞いが本当にありがたい。こういう時にパッとアイデアがひらめいて、次の仕事の手掛かりになる、なんてことはなかった。
そして2週間が経ち、食事もお粥が食べられるぐらいになった頃に外科に転科。外科の談話室にはさいとうたかをの時代劇漫画がそろっていた。病院で殺し屋の漫画はどうなのかな、と思いながら『仕掛人梅安』を読みふける。手術準備のため、へそからの下の毛を剃られ、浣腸されて腹の中をきれいにする。腹腔鏡手術という、腹部に4か所の穴をあけて、胆のうを摘出する手術だ。恐怖も不安もない。と思っていたけど、いざ手術台の上に乗るとじわじわと恐怖が襲ってくる。あの冷たそうな部屋の雰囲気に、手術着のお医者さんがそうさせるのか。イメージはショッカー基地で改造される感じ。酸素マスクに、点滴に麻酔薬が注入される。
……そして気づくと病室。手術が13時半予定で、夕方ぐらいだろうか。体が動かない。全身に心電図やらパイプやら、管状のものが繋がれている。時々下半身がピリッピリッとうずく。採尿用に尿道にパイプを通されているからだ。いつの間にT字体という褌とオムツも履かされている。動けない。とにかく寝よう。看護師さんは全身麻酔の後なので、できるだけ手足を動かすように言うが、動くと、ピリッピリリッと尿道パイプがうずく。
翌朝、全身の管を全部外す。やはり尿道である。にゅっと抜かれた瞬間、膨張したゴムパイプは想像以上の長さで、うっすら血がにじんでいる。最初のトイレでも尿に血が混じっててぞっとした。それからしばらく、トイレのたびに尿道はヒリヒリとする。
その後がいけなかった。行けると過信して、病棟を歩く。腹部の傷跡をかばうように体が右にゆがむ。でも歩けないほどでもない、それじゃあ、コンビニまで歩こうと外に出る。外に出て一服。思い切りタバコが吸えない。腹部が痛むし、美味しくない。段々痛みが増し、足取りが重くなる。目の前が明滅する、貧血の症状だ。無理もない術後一日も経ってないんだ。うかつだった、バカだった。よろけるように病室に戻ると、熱を出していた。結局その日は熱にうなされ、怖い夢をずっと見ることになる。病室のベッドがやたらと固く感じる。
熱は一晩で下がり、痛みもかなり引いてきた。まっすぐ歩けることが奇跡だと思っていた。いつもツイッターでくだらないことばっかり吐いていたが、術後2日は何もできなかった。人間、くだらないことをやっている時こそが自由で元気な時なんだな、と痛感。
傷口をかばうように恐る恐る行動しつつ、病室で過ごす。ベッドが恋しい時は弱っている時だ。徐々にベッドに対する愛情が薄らいでいくと、体が回復してきている証拠だ。ベッドは夜寝るもので、昼間ゴロゴロするものではない。前回の入院と同じく、腹部以外は元気という状態に、体が戻っていく。火曜日に手術し、木曜日までかかった。発熱さえなければもっと早くに回復できたのに。
これはひょっとすると行けるかもしれない。
半ばあきらめかけていた今月の京都みなみ会館。もちろん、今月の原稿も病床で書いた。普段も無茶苦茶だが、もっと無茶苦茶だったと思う。しかし、油断は禁物。ゆっくりと、自分が今どうすれば弱ってしまうかと確認していく。食事も普通に取れる、シャワーも浴びれる。歩行も痛みが伴わない……いけるかも、下痢以外は大丈夫。金曜日は病室で『クレヨンしんちゃん・しんのすけ対シン・ゴジラ』を見る。そうだ、この入院はシン・ゴジラ公開までに無駄遣いさせないために神様が下さった試練のようなものだ。と、思うことにした。そして、企画からがっつりと参加した自慢の一冊『シン・ゴジラwalker』の見本誌も届いた。他の追随を許さない、予習復習を兼ねた濃密な一冊になっている、と自負する。こちらのプッシュで寝屋川キャストも京都みなみ会館も紹介することができた。今回の担当は執筆と悪だくみ担当だ。惜しむらくは、版元のまっとうな理由で珍ポスターが掲載できなかったことぐらいか。
行けるかもしれない。金曜日のうちに主治医の先生に相談。こちらの状態を見たうえで許可が下りる。
土曜日、午後から外出。半日、自宅で過ごす。全く問題ない。異変があればその理由をを主治医の先生や看護師さんに教わったおかげで、不安がない。油ものさえ控えれば、あとは問題なし。半日の外出でも問題なし。行けそうだな、よし行こう、行かないと。
続く PR |
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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。 『SHUFFLE! アンソロジーノベル』 でデビュー。 『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE ) 『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫) シリーズほか、チョコチョコと。 ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。
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