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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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・今年の夏映画は異常なまでに面白いものばかり。パシフィックリム、ワールドウォーZ、そしてスタートレックにスーパーマンも評判がいい。
 そこで、あえて

『ガッチャマン』である。

 はじめにそのニュースを聞いたとき『無理だろ』と思った。
 まあ、漫画やアニメのニュースを聞くとまず最初にそう思うのであるよ。
 どうせね、原点の面白おかしいところをカットして、よくわからないところから引用して(最近は『ダークナイト』)、いったいどこを目指しているのか、リスペクトすらされていないものばかりですよ。そして、技術的に大丈夫なのか、という不安。
 『宇宙戦艦ヤマト』の実写だって、CGフル活用しつつも結局『イスカンダル二泊三日の旅』みたいに、スケール大きいんだか小さいんだか分からない内容になっていた。
 でも、でも、だ、俺はどこかで『化ける』と思っているのかもしれない。まるでダメなDV男にどつかれながらも貢いでいくアホな女のように。
 ここで、実写漫画映画のこれまでについて書くととても長くなるのでやめておく。
 
 ただ、俺はあの『デビルマン』を超える実写漫画映画を見たことがない。みんなあれがあったのによく漫画の実写映画に手を出すよ。要するにオリジナル企画では弱いので『みんな知ってるもの』を選んだ結果がこれなんでしょうな。要するにコンテンツの不足が……という話も長くなるし、長くなりそうなネタを持っていないのでやめておく。

 ためしに、近所のシネコンで、邦画の予告を見てみると、アニメか、原作つきか、テレビのドラマ晩夏、いずれにせよ『既知の存在』ばかりである。もしくは続編ね。なんにせよ、ゲップが出る。
 
 『ガッチャマン』に関していえばタツノコプロでも一番の知名度があると思うし『キャシャーン』『ヤッターマン』に続いて、満を持しての登板だといえる。ここで間違って『かいけつタマゴン』を選んでも誰も知らないので、こけてしまう。
 そして旬の俳優を集め最新技術を駆使し、宣伝バンバンうちまくりゃあ、小さいころリアルタイムや再放送で見た世代は飛びつくでしょうし、アニメを卒業しようかな、という小中学生も『ちょっといい感じのアクション映画』という認知をされるかもしれません。ちなみに自分は『巨大ロボに乗らない』という理由だけで、あまり見てませんでした。

 そんなガッチャマンですが公開前からネットで先に試写を見た人からの『デビルマン並にひどい』という話が広がり、ずいぶん話題になってしまった。

 しかし、難波の劇場でわざわざ大人料金で『デビルマン』を見た者としてはあれ以上のものはない、と思うのだ。あれは本当に、不幸が不幸を呼んだ、不幸の玉突き事故みたいな映画だった。

 それよりも最近の実写漫画映画ではバイオレンスが売りなのに、あっさり味にして昔のドラマ版よりソフトになってしまった『ワイルド7』がひどい例だと思う。
 俺の中では果たして『ガッチャマンはワイルド7を超えるのか?』が課題であった。
 それと、ゲテモノ食い的に映画を見るばかりでなく、これとて和製ヒーロー映画の一本である。今年はライダー映画をスルーしてしまったので、どんなものが見れるのか、という期待もあった。
 
 そして……。

 結果的にいうと、予想したとおり『前半とクライマックスにアクション、中盤はだらだらと人間ドラマという構成』は当たっており、『ワイルド7』と似た感じであるが、絵の派手さで、ガッチャマンのほうがなんぼかマシであった。

 
 新宿に鉄獣メカキャタローラー出現、ガッチャマン登場、ギャラクター戦闘員、そして幹部とワイヤー、CGを駆使した戦闘開始! ここまでは良かった。やはり、それ以降は最近の日本映画にありがちな『見せるもの見せたから、次は人間ドラマをやりましょう』な展開に。まあ、そんなことだと思ってましたよ。でもこれ、元がアニメですよ!
 以下、ツイッターの呟きを再構成してお送りします。最近そればっかりだな。呟きまくるほど、気になる映画だったということですよ。
*印は補足。ネタばれになってるかもしれないので。
 

◎というわけで『ガッチャマン』見てきた。それほど『食えない料理』じゃないな、と思ったのは自分が今までもっとひどいものを見てきたからであろうか。お話の筋道はまあ予想通りでした。ゴッドフェニックスのあれは、まあ、ほら、試作段階といってたから急ごしらえだったんじゃないですかね

*ゴッドフェニックスのあれ、というのは操縦席のこと。狭いコクピットに五人が座り、椅子から伸びたジョイスティックで簡単レバー操作はいかがなものか。それと、その椅子がホームセンターで売ってるようなビジネスチェアだったのよ、なんのひねりもなく、ここで予算尽きたのか、というぐらいチープに見えた。エドウッドか。

◎→ガッチャマン。鳥設定を無くしたのはデザインだけじゃなくって名前もそうだったのか、とエンドクレジットを見て気付く『コンドルのジョー』じゃなくてただの『ジョー』、『白鳥のジュン』じゃなくて『ジュン』とか。じゃあ、ゴッドフェニックスも『ゴッド』にしろよ!→

*前情報で聞いて最も驚いた点。『ガッチャマン』から鳥設定抜いたら、ただのマントつけた戦隊じゃないか! 『ダークナイト』を参考にしてるくせにコウモリ設定抜いたバットマン見たいですか? 『ゴッドフェニックスは出るのか?』『タートルキングはじめ鉄獣メカは?』といろいろと不安にさせてくれた。

◎→思うに、この映画のアカンかったところは、ディティールに目が行ってしまい、全体を描けてないからなんじゃないかな、とおもう。『こうするとカッコイイ』のはわかるが、かっこよくさせる背景がなく、いきなりポン、とやられるような。あとまあ、恋愛話は、まあ、もっとひどいの見てるからなあ→

*ケンとジョー、そして映画オリジナルキャラによる三角関係ドラマ。まあ、これも後半の伏線になるからあってもいいかもしれない。 
 十数年間ギャラクターの侵略を受けているのにもかかわらず、新宿は今と変わらぬ風景というのが不思議。日本はノーマークだったのか? 一応、町には軍人さんや戦車がうろつき、緊張状態にあるのと、すでに侵略された海外からの亡命者があふれ無国籍感漂わせてますが。実際の風景と溶け合っていない。

◎それよりも何よりもやっぱり『俺たちはなぜ戦ってるんだ?』があったことは予想できたが、それに関してメンバーがもめる場面が『ここでもめるなよ!』というタイミングだったのがなんともでした。いや、俺の中では『ワイルド7』よりも良かったよ。みんな見てないけど、『ワイルド7』は、もう、ねえ


*ゴッドフェニックスで出撃前に『何のために戦ってるの?』とかいうな! トイレと一緒に先に済ませておけ! あと、ミミズクのリュウの『俺には病気の母ちゃんがいて、看護のために除隊したい』とかいう話はどこかへいった。

◎俺、ひょっとしたらガッチャマン好きになってないか? 久々に映像作品で『お給料でめいっぱい買い物してる女の子』を見たからか?でもそこはな、甚平辺りに荷物持ちやらせて『えーまだ買い物するのー、もう持てないよー』と言わせないとな。って、そんなのんびりした世界観じゃないってところが辛い

*ここだけ昔の漫画で、こんな軽いノリでやってくれたらよかったのにと思う。ゴーリキちゃんも楽しそうだ。でも、世界の殆どがギャラクターに侵略されて、よくそんなブランド物売ってるな。ひょっとして闇市か?

◎本当に心に残らない映画なら、ここまで呟かないよ、中途半端に引っ掛かるんだよ、ガッチャマン!

◎でも、ミミズクのリュウはよかったよ、そこだけオリジナル準拠で鹿児島弁なんですよ。久々にグループヒーローの中で方言丸出し野郎を見た気がします。ごめん、キュアサニー忘れてたわ

*ここも漫画設定が残っている『おいどんは○○でごわす』的なキャラ。だからなんでそんなところ残すんだよ!

◎は、そうか! 『俺たちはなぜ戦ってるんだ?』って台詞はドラマに深みを与える調味料としては最適でしょうけど、それって対する悪の組織や悪人さんたちにしたら凄く失礼な言い回しじゃないのか? ばいきんまん(もしくはジョーカー)が『俺がいるからお前がいるんだ』と言ってたじゃないの

*ギャラクターに謝れ。まあ、あっちもよく分からん組織ですが。だから世界観とか敵味方の組織図とかが不明瞭なのよ。

◎ ガッチャマン見てみ。『なぜ俺たちは~』はそれこそストレートに言ってないけど、『なぜ戦ってるんだろう私たち』ってやり取りはある。それを物語中盤でやるな、それとあんたたち、今回が初陣でしょうが! そんなもんギャラクターがいるからでしょ!

*せめて『ご存知ガッチャマン』にしておけばよかったものを。冒頭のナレーションで『人呼んで……』とかいってるけど、初陣だから誰も知らない、科学忍者隊なので、正体ばれちゃまずいでしょ。

◎ 開き直って『GACHA-MAN』ではなく『科学忍者隊ガッチャマン』でいけばいいと思うんですよ。『科学忍法』というのも甚平が勝手に名づけてるだけみたいに処理しているし。イケメン揃えるのも結構ですよ、でっかく数字の書いたシャツにパンタロンでオーケーなんですよ

 ◎ガッチャマンで一番輝いていたのは眼光鋭く、ギャラクターな衣装をまとった中村獅童だったと思う。いい顔してるので、どんなバカ衣装もサマになるんですな(褒めてます)。でも使い方がもったいないんだなあ

*中村獅童がベルクカッツェやればよかったのに。

◎あ、でも荒唐無稽なお話だから、くさかったり大げさすぎる台詞まわしもすんなりと入っていけました。ガッチャマンはもっと軽口叩いてもいいんじゃないのかな? ケンよりもジョーの方が表情豊かという逆転現象

*大鷲のケン役の松坂桃李が無表情でした。そんなにれ冷徹なキャラでしたっけ?

◎だから、今風にするあまり、オリジナルにあったダサいと思われる箇所をカットすると、チグハグになるんだって。心意気としては『ダークナイトライジング』の『ゴーグルを頭に乗せたら猫耳みたいだったのでキャットウーマン』みたいな事をしようとしてるんでしょうが。そんな事はどうでもいいんです!

*それを突き詰めると『なぜ、どうして』ばかりになって前に進めません。思い切りが足りません。

◎ほんと、典型的ないじりがいのある邦画でしたよ、ガッチャマンは。キャタローラーは、中野から新宿へ進撃のくだりはかっこいいけど、撮りかたが良くない。あと、10式戦車(91式)?が活躍しとったけど、あれは借り物かね。あそこから戦闘員との対決は何とか頑張っていた。

*あれ、10式戦車だと思うけど、実物大作ったのかな。久方ぶりに巨大メカ対戦車を見た気がする。そこはいいがもっと重量感と巨大感がほしい

◎ネット見てる人ばかりじゃないので、ガッチャマンはそこそこ入るんじゃないかな。今日も親子連れけっこういたし。アニメやライダー、戦隊から少し離れつつある層とか。だったら、もっとお話をだなあ……

*実写漫画映画のいけないところは、『誰に向けて作っているのか』がよく分からないところ。女性客なのか、ちびっ子なのか
 以上、呟きより。
 
 総じて『デビルマンよりも、ワイルド7よりもひどくはなかったけど、もう一回見たいとは思わない、邦画の悪いところがよく出ていた作品』だと思う。
『設定の改悪と世界観の説明不足』が致命的だとは思う。

 それにしても『えらいものを見てしまった』感が強いので、誰かとじっくりと話したい映画でもある。やっぱりガッチャマン好きなのかな、俺。

 だって邦画でも実写ヒーローものを見たいわけですよ。
 ということで秋の『タイガーマスク』も見るのかなあ、俺。
 そして、ガッチャマンを見たあと、すぐに『パシフィック・リム』の二回目を鑑賞。二回目、それに小さな劇場だったけど、ガッチャマンのもやもやが全部吹き飛んだ。

 ガッチャマンとは対照的に『ぐだぐだ言わんとどこが一番面白いか見せたらええねん』という主張にあふれるとても素敵な映画。冒頭の金門橋大破壊で心を鷲づかみにされ、ナレーションですっかり世界観を説明しておき、あとは畳み掛けるようにロボと怪獣の戦いを見せる、これですよ、これ。
 
 そろそろビジュアルブックを読まないと

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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