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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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・先週末は三度目の鈴鹿サーキット。ゴジラ60周年に対し、鈴鹿のコチラは35周年でした。プールで泳ぎ、遊園地で遊んで、ビュッフェで食事。まるで、遅れた夏休みを取り戻すような二日間でした。
 鈴鹿の後は国道1号線を下り、京都へ。野暮用があったのですが、これって『ゴジラVSメカゴジラ』のゴジラの進撃ルートそのままだな、と思いました。
 
 そんな怪獣漬けの毎日。たまには怪獣を離れようよ、と今日再び京都へ。
 ほぼ月一で京都に行ってる俺はまるで、『京都いろどり日記』のAKB48・横山由依(食べ物をほおばったリスのごとく、顔がパンパン)のようだ。
 世間では銀河を守るガーディアンズの映画が話題のようですが、こちらも大宇宙を舞台にした映画。あの『スターウォーズ』に真っ向から立ち向かった日本代表、マニア本ではひとくくりにされるけど、アプローチは全く違う映画『惑星大戦争』『宇宙からのメッセージ』の豪華二本立てだ! 
 
 二本とも久しぶりに見るので、細かいところは覚えてなかったけど『惑星大戦争』は、とにかく、轟天とドリルに尽きる。あとは顔も体もぱっつんぱっつんの浅野ゆう子。
 
 森田健作、沖雅也、宮内洋と従来の東宝特撮とはまた違ったフレッシュなキャスティング。この時期なら藤岡弘、が出ていもいいようなものだが、不在。
   
 フレッシュなキャスティングの割にはどこかはじけない。これは、楽しい時でもどこか顔に影がかかる沖雅也のせいだろうか。敵の拠点、金星よりもはるか遠くを見据えたような表情。ひょっとして、あの戦闘機のレバーの幅が異様に狭いのを気にしていたのか。とにかく、他のメンバーが次々に死んでいっても誰も構うことなく、淡々と進んでいく物語。みんな自分の事ばかりしか考えていなかったのか、もうっちょっと感情表わせよ、と言いたくなる。
 突貫工事で作った映画というのはうなずけるが、それでも圧倒的な光学合成と火薬量、さすがは福田―中野ラインの映画である。加えてメカ大好き川北紘一監督が助手なので、その辺の描写はカッコいい。
 轟天対金星に潜む大魔艦の一騎打ち。そうこれはどこか悲しげな地球人たちと、部下はいるけど、自分で切り盛りしている銀河皇帝ヘルとの、寂しい宇宙戦争だった。そして、轟天のドリルに仕込まれたエーテル爆弾によって金星消滅。
 よく考えれば、千葉県知事が地球の平和を守ったのか。なにもしてないけど。


 一方『宇宙からのメッセージ』はブレーンを集めかなり早い段階での準備があったと見えて、セットも特撮も豪華で力が入っている。それに深作演出によって誰も彼もがせわしなく動き回る。
 お話はご存知『里見八犬伝』をベースにし、和のテイスト、といえば聞こえはいいが、東映の得意とする時代劇、チンピラ物のエッセンスをぶち込んだ快作。
 広大なセット、実物大モデルを使った画面作りの一方、予算の削れるところはできるだけ削り、見せ場に力を注ぎ込む東映大作。
 いかにスターウォーズから拝借し、オリジナリティを挟み込むのか、という努力が見える作品である。コーンポタージュスープを無理やり味噌汁にするような。
 あと、なんでも頭に『宇宙』とつければSFになることを教えてくれる映画である。宇宙暴走族、宇宙パトロール、宇宙ボタル、宇宙キャバレーの宇宙チンピラ、宇宙皿洗いの宇宙アルバイト。アーネスト野口だけは地球大統領。
 自分も夢だけは無限に持って、リアベの実を見つける勇士になりたい。ポジション的には『なんでお前が選ばれた勇士なんだよ?』とだれもが思う、宇宙チンピラのジャックでいい。
 二本とも、悪役の顔はメタリック塗装。これは宇宙の常識なんだろうな。
 
 
 

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・怪獣のことばっかり書いてないか? いいんです、今年はそんな年だったし、これからもそうなるに違いありません。
・バンダイ・モンスターアーツゴジラ2014が届く。ネカ社のよりも可動域が多いし、かっこいい。ここまでするなら、ムートーもほしいところ。
     
・そしてゴジラを抱えて寝屋川へ。前回お知らせした『第四回権威なき怪獣映画クイズ王決定戦』に出場するためだ。つにこの日が来た!




『歌と踊りを覚えよ』という主催者さんの言葉通り、当日の朝まで、とにかく踊りのある怪獣映画を見まくった。振りも何とか覚えた。ついでにジェットジャガーのゴジラ誘導サインに、宇宙怪獣ガメラの平和星人の変身ポーズ、ガメラ対バルゴンの鬼畜・小野寺の乱闘場面、そしてモゲラで特攻をかける柄本明の絶対操縦方法を知らないだろうヤケクソ気味な手さばき等々を何とか頭に叩き込んだ。まるで試験前の中学生だ。浴びるように怪獣映画を見たので『あぁ、もう俺怪獣好きじゃないかも』と思ったりもした。



・シートピアの踊りをマスターした去年の回答者さんたちは何てすごいんだ、と思った。




・さらに

『珍ポ(珍妙な日本怪獣映画の海外版ポスター)評論家』

と紹介されてるならば、珍ポに徹するしかない、と思い珍ポTシャツを作成。ついでにお客様に何の映画か考えてもらおうと逆クイズを仕掛けることにした。新参者でもあるしギミックでやるしかない。珍ポまるだしである。



・二階控室で待ってる間、出場者さんの話を聞いているうちに『だめだ、勝てない』と思った。なんて知識量だ。出場者の皆さんは特撮ライターであるから、知っていて当然なのだ。いくら物書きをやっているとはいえ、プロとアマの差は大きい。勝てっこない。でもこれは勝ち負けを争うものじゃないんだ、もっと恐ろしいことが待っている。



・いつもは和気あいあいとトークを繰り広げる寝屋川キャストさんは、40人近いお客さんでいっぱいになっていた。全部男。



・『珍ポ』が連呼される会場内、基礎知識クイズからしばらくして『DVD見てきたけど、そんなものは役に立たないんだ』ということに気づいた。



・千田是也クイズ、惜しかったなあ。今回唯一、惜しいと思った問題でした。



・そしてお絵かきクイズから狂気の度合いが増していく。もう知識なんかどうでもよくなってきているあるのは怪獣に対する『愛』だ。愛があれば、絵も描ける、怪獣パントマイムも何とかこなせる! よく考えたら、ほとんど、というか全く打ち合わせもなくひたすら拷問のように回答者にムチャ振りをする、クイズに名を借りた公開処刑演芸大会だ!
 もう、ことあるごとに誰かが珍ポと叫んでる!



・そして後半より乱入したのは覆面出題者、ロバート・スコットフィールド氏(奈良県民)。そう、『ゴジラVSキングギドラ』のアンドロイドM11だ。バンと開けられた扉の向こうに立つその姿は逆光でシルエットになっており、まるで川北特撮のようだった。



・狂乱のクイズの後、休憩を挟んで第二部。いたって真面目なゴジラ2014についてのトーク。さすがは本職の方たちだけあって、愛を込めた鋭い切り口で語っておられた。俺はもうロバートさんの隣で小さくなっているしかない。



・第二部も終わり、お開きに……なるはずがない。クイズ大会から9時間近く経っても終わらない。まさに狂気の宴だ。最後はじゃんけんプレゼント大会。家にあった余りものをまるでフリマにでも行くかのごとく適当に持って行ったのだが、『VSキングギドラ』のマグカップにロバートさんがさらさらっとサインをしたおかげで、一山いくらかの商品の価値が上がってしまった。あぁ、それなら俺がほしかった。
 



東京からわざわざやってきた、どうかしてるとしか思えない若い怪獣ファンたちや、お馴染みキャストの常連さん、そうでない方、つまりはほとんど全員で立食パーティーのごとく談笑が続く。


・東京勢の声量と勢いに圧倒されつつも、結局夜明け近くまで居座ってしまった。


・最後の最後に残った4人と眠りこける1人。静かに、怪談話がはじまる。俺は何をしにここに来たのかすっかり忘れるところだった。


・空が白みかけたころ、そろそろお開きの時間。俺は最後に『サンダ対ガイラ、今度買うので、置いといてください』と言って、会場を出た。
  
・翌日は子供を連れて最後の『ゴジラ大特撮展』。まだ眠い。でも行くんだ。会場で待っていたのは昨日見た面々。まるで修学旅行だ。毛の生えた大人の修学旅行。
・会場には本物ゴジラのお出迎えが。そして、子供を肩車して、機龍の頭頂部を撮ろうと思ったら失敗してしまった。

    

 


・今年は新作公開に合わせて異様なまでに力の入ったイベントが多く、そしてそこで知り合った方、Twitterでの知り合いの方に出会う機会が多かった。


・これもまた、怪獣の取り持つ縁というものだろうか。


・帰宅してから泥のように眠ってしまった。まるで夏休み最後の日のような気分だ。これで怪獣の夏は終わった、たぶん。でもまだ終わらないと思うけど、一応、終わった、ということにしておこう。


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 ようやく秋らしくなってきた、と思いきやまだセミが鳴いてる今日この頃。
 先日、大人だけ楽しんでいるのも悪い、と思い、うちの次男とその友達二名、それに私の友人を連れてあべのハルカス『大ゴジラ特撮展』に行ってきました。二度目だけど、まるで飽きない。そしてそこらかしこで知り合いの方とあってしまう。
  
 これを逃すと、この先こんな展示がいつあるかわからないし、怪獣スーツの寿命もある。これが最後と思い、撮れるものは写真に、撮れないものはその目にしっかりと焼き付けておく。普段はゴジラとあまり接点のない子供の友達も会場内をはしゃぎまわり、3DSで写真を撮りまくっていた。子供に大事なのは、環境だ。怪獣環境。
 そしてお知らせ。いつもお世話になっている寝屋川キャストさんの『権威なき怪獣映画クイズ王決定戦』に出ることになりました。




観客ではなく回答者です。今年になって二度目のイベント出演は一部で狂気の宴と言われるクイズ大会でした。

 それもほかの出場者はいずれも特撮、怪獣ライターぞろい。いくら怪獣好きとはいえ、太刀打ちできません。まるでワニの折に投げ込まれたウサギのような心境で日々を過ごしております。とにかく、おさらいしなくては、とDVDを見直しております。まるで試験勉強中の中学生のようだ。
 主催側からは『歌と踊りを覚えるように』という謎の指令が。
 クイズじゃないの、クイズじゃなかったの?
 ともあれ、死なない程度にほどほどに頑張りたいと思います。

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・もうすぐ夏休みも終わりです。はたして子供らはきちんと宿題を終えているだろうか。
 今年の夏は……怪獣だらけだったような、新作ゴジラに京都の上映会、そして寝屋川怪獣トーーーク。そして特撮怪獣ラノベ『バカと戦車で守ってみる!』もまだまだ発売中!

 おまけに東京で開催していた二つのゴジライベントが二つもやってきた。

 例年になく怪獣で盛り上がる夏でした。

 まずは『G博・ゴジラ大阪に現る』。ゴジラの歴史を初めての方にもわかりやすくパネルや小道具の展示で説明、そして開田裕治、生頼範義両氏の原画の展示がメイン。会場中央には『ゴジラ×メカゴジラ』版ゴジラがでんと、立っておりました。


 このイベントのために初めて日本一のビル、あべのハルカスに上りました。ハルカスはデカい、東京と違って大阪あべのには他に大きい建物がないのでその大きさがひときわ目立つ。

 しかし、こういったイベントは結構撮影禁止のエリアが多いんですな。昔は撮り放題だったのに。


 G博が終わると、入れ替わるように『大ゴジラ特撮展』が昨日から始まった。
仕事が明けて、時間が空いたので初日に行ってみた。ごめん、本当は友人となんとなく約束をしていたのだが、なんとなく『先に行く』とメールだけして出かけた。

 今回も会場はあべのハルカス。しかも24階大阪芸大スカイキャンパスである。母校も偉くなったものだ。


 会場に入る前に、ゴジラジュニアがお出迎え。今回の展示は撮影で使われた小道具がメイン。
 本物だ、本物なんだよ!
 
 通路を通ると、ゴジラVSメカゴジラの大ジオラマ。ゴジラは『VSデストロイア』で使われたバーニングゴジラのリペイント版。東京の特撮博物館の地下で佇んでいたゴジラですな。
 片やメカゴジラは公開当時イベント等で使われたディスプレイモデル。本当は機械仕掛けで首や背中の砲塔が稼働、発光するのだが今はもう壊れて動かないらしい。
 
 そして次のコーナーではミレニアムシリーズのゴジラがずらり。しかし今回も撮影禁止コーナーがあって撮影叶わず。
 ライバル怪獣もひな形、デザイン画にスーツの展示も多数。でも撮影禁止。モスラ、デストロイア、リトルゴジラ、アンギラス、キングシーサーなどが飾られてました。
 そして機龍は撮影オーケー。展示や撮影コーナーは先に東京で行われていたものと若干違うらしい。ちなみに東京で展示していたガイガンは劣化が激しくベタベタのため、大阪には来れず。
 他にはGフォースや自衛隊の長兵器の展示も。
   
 今回の目玉、登場するたびにゴジラに破壊されるソ連の原潜と海底軍艦! どちらも全長2メートル近く、かなりデカい。
 そして撮影禁止だった昭和キングギドラのヘッド! 
  
 ガイガン戦の後、流星人間ゾーンで最後のお勤めを果たしたギドラヘッドが健在だったとは。角が取れウロコも剥げてボロボロでしたが、歴史の遺物を見るような思いでした。
 会場は再入場ができないので、何度も開場をうろうろ、懐かしい人や、寝屋川経由で知り合った人たちと出会い、またそこでも怪獣話。今年は怪獣人脈がいやに充実してました。
 
 初日ということもあり、大森一樹、川北紘一両監督も来場し、臨時サイン会も。
 物販コーナーで本を読んでいた女の子に川北監督が後ろから『この本いいよ』とさりげなく勧める一幕も。つくった人間に勧められたら断りにくいなあ。
 そんなこんなで出るタイミングを逸して四時間近く居座ってしまった。それでも全然飽きませんでした。
 
 そして川北監督+芸大の新作【装甲巨人ガンボット】もいたよ。スタッフの方に聞いたら芸大を舞台にした漫画『アオイホノオ』を読んで芸大に来た学生も多いらしいとのこと。いいか、あれはフィクションだ!
 ということで、怪獣の夏は終わりを告げるのでした、たぶん。
 

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夏休み は怪獣なので、『バカ戦』読んでください!
・夏です、お盆です。お盆といえば怪談、お化けです。最近は夏の怪奇番組が復活しており、子供たちを怖がらせております。それでいいです。お化け、UFOは子供時代に通過しないと。


 ということで、恒例みなみ会館のアレも8月は『京都怪奇映画祭ナイト』と称し、怪奇映画のオールナイトという恐ろしいプログラムを上映することに。
     

 内容は『帝都物語』『地獄』『マタンゴ』の、いったい誰が選んだのか? な三本。がちがちに怖い映画じゃないから安心だ!



 久々のオールナイト、そして、中学時代、上映劇場を追っかけるほどに好きだった『帝都物語』との久々の対面。気門遁甲、陰陽道、地脈、式神……当時、中二病をこじらせるほどにはまった映画。





 明治から昭和にかけて、帝都壊滅をもくろむ魔人加藤保憲と、実在の偉人たちのとの戦いを描くこの作品は、いい感じのごった煮感。偉人たちが入れ代わり立ち代わり現れる、時代がポンポン飛ぶ、加藤はことごとく計画が失敗する……。大長編の原作を2時間強にまとめるのだからダイジェスト感は否めないが、それでも余りあるゴージャス感! 


 バブル全盛期に、あの実相寺昭雄監督に大作を撮らせた勇気、それに答えた監督の手腕。豪華キャストに昭和初期の銀座大オープンセット、ち密なミニチュア群、そしてストップモーションの怪物たちに人造人間、学天測。あらゆるテクニックを駆使し、この大長編を見事にまとめ上げている。


 豪華ディナーというより、大盛り定食、カツ丼大盛り+焼肉定食の雰囲気な映画である。
 映画の後は魔人加藤保憲を演じた嶋田久作さんによるトークショー&サイン会。嶋田さんご自身もこういったイベントに出るのは極めてまれなこととのこと。さっきまで『我を崇めよ!』とか言ってた人が『どうもこんばんわー』と舞台に立っているのは不思議なものである。トークは撮影裏話、特に共演した勝新太郎氏のことがとても面白かった。セリフにダメ出しされたり、自身はセリフ覚えず、フィーリングで芝居するので回りがハラハラしていたとか。



 その日の京都は大雨、まるで魔人加藤を迎えるような悪天候だったというが、上映前にはすっかり晴れていた。


 サイン会の間には、主催のキャスト藤村氏と京都の怪奇者といえばこの方、山田誠二氏による『地獄』トーーーク。これで次の地獄への予習はバッチリである。沼田耀一の怪演もさることながら映画の見どころはトンとやってちょっと飲んでトンチュー軒と、ヘーイガデムユー、権藤組の幹部タイガー恭ちゃん知らねえなー? だということはわかった。
 


 
 そして『地獄』。怪談映画の巨匠、中川信夫監督によるカルト映画である。のっけからぐわしゃーんという音に赤ん坊の泣き声、そしてなまめかしい女の声……見ているものを不快にさせつつ、これから始まる物語への得もいえない不安感を煽り立てる。



 音楽は渡辺宙明、キカイダーやマジンガーの渡辺さんである。


 物語は悪魔のような友人に翻弄されつつ、人生を転がり落ち、ついには地獄に落ちる青年のお話。勤つに挿入される耳障りな破壊音、読経、巡礼や托鉢僧……死のイメージをちらつかせ、物語は進む。何気なく風景になっている蒸気機関車の走行ですら、不気味である。



 メインディッシュが地獄巡りだから、人が死ぬ死ぬ。



 『え、そんなことで死ぬの?』 みたいな感じで、主人公含め、周りの人間が死んでいく。悪党の巣窟のような養老院で、無駄に長いバカ騒ぎの後、もがき苦しみ、死んでいく人たち。



 そして地獄巡りである。闇の中、泣き叫び、血みどろになる亡者たち、巨大な歯車の上で泣きわめく赤ん坊。見る前から『ぜったい『地獄』で眠くなるなー』と思っていたけど、それは前半の人間ドラマが面白く、逆に後半の地獄巡りがぼんやりとしているので、とても眠い。生々しいメイクと多重合成によるぼんやりとした地獄……眠い。


 画像は中川監督が演出したウルトラ怪獣、アクマニア星人。


 何とか地獄の睡魔から解放された後は、『マタンゴ』である。しかも、上映前には映画の中でむしゃむしゃと食べていたキノコを、当時助監督だった中野昭慶監督監修のもと、素材から忠実に再現した『きのこもち』を販売。あくまでもきのこもちであって、マタンゴではない。上映前には、中野監督の試食ビデオを流すなど、なんて至れり尽くせりな上映会なんだ。





 『マタンゴ』は言うまでもなく東宝SF映画の傑作。孤島に流れ着いた男女のサバイバル……もう何度も見た映画だから、前半の登場人物たちの葛藤やドラマの部分で寝てしまった。そしてマタンゴ登場、森の中で突如その巨体を立ち上がらせ、ふぉふぉふぉふぉと人間たちに迫る姿は不気味だし、執拗に人間たちのもとを訪れる演出も怖い。



 マタンゴはなぜ人間を襲うのか? あれは襲ってるんじゃなくて、仲間になるように誘いに来ているのだ、と以前うちの子供が言ってた。なるほど、マタンゴは人間食べないし、仲間がほしいんだな。





 上映が終わった京都の朝は、どんよりと曇っていた。お盆も終わりに、トンでもないものを見てしまた。これは夢だ、夢に違いないと家に帰って寝た。そして起きて今これを書いている。甦る記憶に、枕もとのきのこもち。あぁ、あれは夢じゃなかった。そして俺は今、買ったまますっかり忘れていた『地獄』のVHSを流している。無間地獄だ。ヘーイ、ガッデムユー! 



 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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