忍者ブログ
 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
[774] [773] [772] [771] [770] [769] [768] [767] [766] [765] [764]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

先日岸和田でアベンジャーズを見た時、ついでだからユナイテッドシネマの会員になったら、割引券をいただいた。近所のTOHOシネマズを利用することが多いのだが、割引サービスもあるし、それほど遠い場所でもない。たまにここでしかやってない映画もあるだろうし、IMAXもある。先日、さっそく割引券を使ってみようと岸和田へ。だんじり等で気性の荒いイメージの街で見るのは『孤狼の血』。狙ったわけではないが、気になる映画だったもので。

 
 あの『仁義なき戦い』の東映が放つ! という宣伝文句のアウトロー映画なのだが、まるで別物と見た方がいい。あの当時のざらざらした猥雑とした雰囲気はあの当時だから出せるもので、現代には現代のやり方がある、と思う。しかし、舞台は広島の呉でヤクザ組織の抗争を描くとなるとどうしても『仁義なき戦い』を想起してしまう。『仁義なき~』が広島のお話だけど、ほとんど京都でロケしていたのに対し、今回はオール広島ロケ。やくざものというよりも『県警対組織暴力』のようなアウトロー警官もの。ヤクザとズブズブの関係にある破天荒な刑事とエリート刑事のバディものといってもいい。悪徳警官の役所広司が楽しそうに悪いことやってるのが愉快であるが、実は……という裏の面もしっかりと描いている。舞台は昭和63年、つい最近のことかと思ったけど、もう30年前のお話。当時を思わせる美術、セットには相当力が入っており、特に自動販売機の広告や懐かしい飲料水の銘柄が、当時を感じさせる。昭和自販機映画としても楽しい。

 とある金融会社社員の失踪をきっかけに勃発する暴力団抗争を食い止めんと悪知恵の限りを使って奔走する主人公二人。豚小屋での拷問シーンから始まるオープニングで、ツカミはばっちり。悪党がいかに悪党を食らっていくかがテンポよく描かれていく。そう、豚小屋なのである。この映画のキーポイントは豚小屋。大いな物はすべて豚小屋にあるし、中盤でマジメ警官だった松坂桃李がブチ切れて暴力マシーンに覚醒するのも豚小屋である。やくざが、東映アウトロー路線が、と表では謳っているが、本当は豚小屋と自販機の映画なのである。そういやヤクザのチンポに埋め込んだ真珠を役所広司が抜き出すとても痛いシーンが出てくるが、これは『豚に真珠』ということわざを映像で表現したかったのではないか、と思う。というのは考えすぎである。

 警察の敵は本当にやくざなのか、それとも……。しかし、戦争映画や怪獣映画にもいえることだけど、大物を演じる俳優が少なくなってきた。チンピラ役はいい顔した兄ちゃんたちが元気いっぱい暴れてくれているが、親分や組長クラスの俳優がどんどんいなくなっているような気がする。そんな中、ヤクザの親分役石橋蓮司の『びっくりどっきりクリトリ〇ス』という、くだらなすぎるし、ひねりのない台詞はいかがなものか、思いついた人は天才だと思う。



 豚小屋で吼える狼のような警官の次はマジものの動物、というか怪獣映画『ランペイジ・巨獣大乱闘』である。宇宙から落ちてきた特殊な薬品の影響で動物たちが巨大・凶暴化、街を荒らし、人を食らって大都会に進撃! 迎え撃つはどう見ても動物学者に見えないザ・ロックことドウェイン・ジョンソン! ものすごい確率で人工衛星の破片が動物保護区に落下してくる冒頭から、ご都合主義という言葉が霞むほどのわかりやすい展開。だって見せたいのは怪獣の暴れっぷりだから余計な理屈は付けない方が無難なのだ。ドウェインさんも腹部に銃弾を食らっても『急所を外れてた』の一言で片づけるし。オオカミ怪獣、ワニ怪獣に巨大ゴリラがそろって街を破壊しまくるシーンは昔の怪獣図鑑の口絵のようでもあります。途中で、ゴリラがドウェインさんの味方になるので、ゴリラ軍対怪獣軍のタッグマッチに。ドウェインさんはよくヘリに乗りたがる。

 巨大生物とはいえ、海外の映画でよくありがちな『そのまんま』ではなく、トゲトゲが生えてたり、皮膜を広げて滑空したりと怪獣っぽいアレンジがされているのが怪獣好きにはたまらない。ゲームが原作とはいえ、パシフィックリムともレジェンダリーゴジラともまた違うハリウッド怪獣映画の可能性を見たような気がする。しゅわで話す巨大ゴリラジョージとドウェインさんは、コンビでこれからも悪い怪獣をやっつけに行けばいい。アニメ版ゴジラが怪獣映画の当たらな道を示したのなら、こっちはド直球な、昔ながらの怪獣映画のテイスト。しかも対決ものというおまけつきである。どちらもあってもいい、怪獣映画のバリエーションがこんな短期間でいろいろと見られるなんて、今年はどうかしてる、と思いたい。


拍手[1回]

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カウンター
プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新TB
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析