作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!
男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい!
てな訳でよろしく
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 果たして俺は、『シン・ゴジラ』を見たのだろうか? 初日はあまりにも目まぐるしい展開に怒涛の見せ場、呆気にとられながらも大満足といった感じだったように思える。もちろん、一回では終わらない、この先何度も見るだろう。子供らとも約束してるし、行かねば。いつ行くか? そして梅田茶屋町のMBS毎日放送にシン・ゴジラの巨大モデルが展示、とのこと。じゃあ、まとめて見ましょう。
ということで、巨大モデルの写真を撮りまくってきた。後ろからの圧倒的ボリューム。まだ準備中だったが、ご厚意に甘えて撮らせていただく。なれなのか、不細工だ気持ち悪いだ、ハンバーグみたいな顔だと思ったシン・ゴジラがかっこいい。どういじってもゴジラに見えるから、デザインとは不思議なものである。
茶屋町へは、映画の後も訪れてみたが、他にお客さんがほとんどおらず、やはり写真を撮りまくる。ほかには歴代ポスター展示だけ、という少々寂しいもの。『VSメカゴジラ』の時は、もっと派手に展示やイベントをしてたのになあ。
そして2度目の『シン・ゴジラ』へ。梅田の劇場はスクリーンがでかい、ポッポコーンもでかい。おまけに予告編が多すぎて、いったい何を見に来たのか一瞬忘れるほどだ。
これからはやや内容に触れることを箇条書きで綴るので、ご容赦願いたい。物書きのくせにゴジラのことは、好きすぎてまとめられない、ということで。
シン・ゴジラはまっとうすぎて異色に見えるも立派なゴジラ映画、怪獣映画である。そもそもゴジラシリーズなんて今まで異色作だらけだ。その中だと、かなりまともな内容になっているように思える。完全に前半は災害シュミレーションだから余計そう感じる。
初見時は、ほとんど内容を知らなかったのと、テンポよく進む内容についていけず、少し感じた違和感を抱いたが、今回はじっくりと見ることができる。相変わらず官僚関係は専門用語に、いささかアニメ的なセリフの応酬だが、気にならない。ただ、人間激昂した時、テーブルをドンッとは叩かんよなあ。
ゴジラ初登場のアレは異形中の異形。しかし、そこで昭和29年の第一作ときっぱり手を切って、完全なるリセットに成功している。とはいえ、オマージュ、リスペクトは数知れず。何よりもここぞというときに流れる伊福部メロディは嫌味なく、大惨事の中、ゴジラが恐ろしくもあり、頼もしく感じるのは、効果音が従来の怪獣映画のそれをそのまま使用しているからだ。耳慣れた音、音楽が流れると人間安心するものだ、と思う。
怪獣映画だけでなく、前にも書いたように『日本のいちばん長い日』『激動の昭和史・沖縄決戦』の岡本喜八監督作品も参考にしている。ドキュメントタッチで事件を追うスタイルはまさにそれだし、細かいカット割りやカットのインサートの仕方も岡本喜八っぽい。それよりも、初見時に気づかなかったのだが、写真出演とはいえ岡本監督が重要なキーマンとなっている。そういや、岡本監督は首長流と少年の交流を描いたアニメ『遠い海から来たCOO』の脚本やってたなあ。もともと実写でやりたかったそうだが、まさかあのゴジラは……と深読みしすぎてしまう。と、いうことは次回作は民衆の目から見たゴジラ事件という『肉弾』もありかな。
しかし、ここは海から来た黒い奴と大騒ぎする『ジャズ大名』がベースという珍説を唱えたい。アメリカから静岡の某藩に流れ着いた黒人たちを藩主はどうしたか? というのも深読みしすぎか。
この映画は余計なドラマを排除した分、事件に追われる官僚と、ゴジラの圧倒的強さを存分に描いている。ここまで容赦のないゴジラは初めてかも。『ゴジラはかくあるべし』という制約を逆手にとたせて位にうならされる。旧態依然としたゴジラ像ばかり追いかけてきたファンにはこれは斬新。リファインという意味では『VSビオランテ』のゴジラを初めて見た時の感覚に近い。ぬぼーと立っているだけのゴジラがまさか……である。恐ろしいが、とても美しく、かっこいい。
戦闘車両よりも働く乗り物が強い、という皮肉。そして自衛隊は直接被害にあわず、ゴジラにやられるのはアメリカ軍のみというのも、自衛隊が全面協力しているから、配慮した結果なのかもしれない。でもそうは見えない構成の妙。
若手俳優もいいが、いい顔したおっさんたちの活躍する映画でもある。
あと……今はこれぐらいしか思いつかないが、とにかくゴジラは全く新しくなって帰ってきた。平日でもほぼ満員だった劇場の様子を見ればよく分かる。『あのゴジラ』ではなく、まさに『シン・ゴジラ』がやってきた。この夏、あと何度か見る予定だけど、そのたびに印象が変わるかもしれない、不思議な映画である。
そして、そんな日に『シン・ゴジラwalker』重版出来の報が! やったぜ!
PR ようやく退院できました。ひょっとしたら、これのためだったのかもしれません。
ゴジラファイナルウォーズから12年、ギャレスエドワーズのゴジラからは2年。待ったようなそうでもないような、ゴジラの新作がやってまいりました。
庵野樋口コンビという、理想かつ不安要素の多い二人が手掛けることで様々な憶測が乱れ飛び、大量のエキストラ撮影、極秘扱いのストーリー。
待っている間が楽しいというか、でも見たいというか。距離を置いて、怪獣界隈の動きを見ていたのですが、それでもやっぱり初日の初回に駆けつけたのです。
見たことないゴジラ、でもゴジラ。それが見れて満足でした。
がちがちの固い話でもなくきちんと怪獣映画。それもかっこいい怪獣映画。
大事の群像劇、ということで岡本喜八監督『日本の一番長い日』『沖縄決戦』を下敷きにしているのでは、と言われてましたが。
『ジャズ大名』やな。
以上、手短ですが、初回の感想をネタバレも内容に触れることなく、書いてみました。
シン・ゴジラはいいぞ。
あと、企画執筆等々やったので『シン・ゴジラwalker』もぜひ映画のお供に。 ・行ける、行こう。半ばあきらめていた。これがだめでもシン・ゴジラ公開までには退院したかった。でも行けるのなら。
と、いうことで、日曜日に外泊許可をもらい、いったん自宅に戻ってから京都みなみ会館へ。
車の運転中も腹部の異常はない。恐れていた便意もそれほどない。
今月はゴジラを迎え撃つのは世界のミフネしかいない、ということかどうかは分からないけど、『日本誕生』『奇巌城の冒険』という三船+東宝特撮の2本立て。
そして今回はその前に東京現像所の清水俊文氏を招いてのトークショー。先日放送された『キングコング対ゴジラ4Kデジタルリマスター』、フィルムとデジタル、近年続々発見される幻の特撮フィルムについてを伺おうという趣旨である。その司会を仰せつかっているのだから何としてでも出ないといけない。無理はしていない、体はいたって健康だ。いや、腹部以外は健康。前日までにトーク内容を簡単にまとめ、準備しておいた。
お会いした清水氏は根っからの怪獣好き、バージョン違いマニアで、おまけにお話が上手。こちらはあたふたしつつも、あっという間の2時間だった。内容はかけない。
そして上映へ。
『奇巌城の冒険』は先に見た『大盗賊』の姉妹編。あちらが南海なら、今回は異国の砂漠でミフネ大暴れ。キャストも役柄もほぼ一緒、ギミックもほぼ一緒で今回は『走れメロス』がベースになっている。しかし、伊福部音楽をバックに背負った三船はただでは走らない。友のため馬で走る。イランロケはまことに壮観、というかフィルムの退色激しく、どこが海外ロケかはよくわからなかった。ただ、土の色が黒い場面があると、御殿場ロケだとわかるぐらい。
物語の中心になる砂漠の街の大セットと大エキストラは相変わらずであり、これもまたロケかどうかわからないぐらいによくできている。
前回は黒海賊だった佐藤允は今回、黒盗賊。正体を襲うう描写は西部劇のインディアンであり、とにかく大口開けてガハハとよく笑う。ミフネとラストで一騎打ちというのも前回と一緒。
『日本誕生』は2時間の短縮バージョン。このためにバージョン違いマニアの清水氏も鑑賞。かなり端折っているからか、とてもテンポよく話が進む。とにかくミフネが泣いて笑って暴れてと、忙しい。ピュアなのか、バカなのか。前者であり、後者でもある。
これも圧倒的なセットとエキストラの数に驚かされる。昔の映画には人がたくさんいたんだなあ、というバカな感想も漏れてしまう。シネスコ画面の奥からわらわらと兵士がいぇってきて、あちらでもこちらでも戦っている。邦画初かもしれない、神話時代のお話しながらも、ひるむことなく見せられてしまうのは、時代劇を数多く手がけた稲垣浩監督だからなせる業なのか。
今回のお楽しみは神話怪獣八岐大蛇。あっけなくやられてしまい、インパクトが弱いが、鳴き声を発さなかったのがその原因かも、と推理。東宝怪獣なら、鳴き声があってしかるべきだと思うのだが。
そして劇中でふんだんに盛り込まれる天変地異の数々は今見ても大迫力である。クライマックス、ヤマトタケルノミコトの怒りのごとく噴火する火山が、敵兵を飲み込んでいくシーン、一人ひとり溶岩に消えていくたびにアニメで炎を足している細かさ。徐々に湖の水位が盛りがっていあふれ出る恐怖、実物のセットを使った地割れ等々、これでもかとばかりに繰り広げられるスペクタクル。ミフネを怒らせてはいけない、殺してもいけないのだ。
その日は自宅で宿泊。久々の自宅である。思えば、前回と合わせて5週間近くも入院したことになる。時間もお金もかかった。でもマイナスだとは思いたくない。体調は良好、『これでいいのだ』と思いたい。
執刀医の先生が見せてくれた胆石は梅干しの種ぐらいのサイズだった。そんなものが体内にあったら、そりゃ手術するしかないな、と思った。
さて、退院してから、俺の居場所はあるんだろうか? 昼食のカレーの匂い漂う病室から、そう思うのでした。
これまでのお話。
再び腹部に違和感を覚えた俺は、入院の用意をしつつ、診察へ。すると予感的中、胆のう炎再発だった。早すぎる再発、しかし、今度こそ決着をつけないといけない。時間と金を余計に使ってしまったが、仕方ない。
まずは前回通り内科に入院。0からの出発絶食と点滴で炎症を抑える。これは絶食の1週間がしんどい。その間に外科で手術の下準備。MRI、CT、レントゲン、エコー等々。あらゆる手段で体の隅々まで見てもらう。不幸中の幸いというべきは、胆石以外、ガン等、他の異常は見られなかったことぐらいか。
入院中は水木しげるの短編集で、しょんぼりしたり、がっかりしたり。それが短編の持ち味。みじめでも何とか生きていこうよ。
内科の2週間は長い。お見舞いが本当にありがたい。こういう時にパッとアイデアがひらめいて、次の仕事の手掛かりになる、なんてことはなかった。
そして2週間が経ち、食事もお粥が食べられるぐらいになった頃に外科に転科。外科の談話室にはさいとうたかをの時代劇漫画がそろっていた。病院で殺し屋の漫画はどうなのかな、と思いながら『仕掛人梅安』を読みふける。手術準備のため、へそからの下の毛を剃られ、浣腸されて腹の中をきれいにする。腹腔鏡手術という、腹部に4か所の穴をあけて、胆のうを摘出する手術だ。恐怖も不安もない。と思っていたけど、いざ手術台の上に乗るとじわじわと恐怖が襲ってくる。あの冷たそうな部屋の雰囲気に、手術着のお医者さんがそうさせるのか。イメージはショッカー基地で改造される感じ。酸素マスクに、点滴に麻酔薬が注入される。
……そして気づくと病室。手術が13時半予定で、夕方ぐらいだろうか。体が動かない。全身に心電図やらパイプやら、管状のものが繋がれている。時々下半身がピリッピリッとうずく。採尿用に尿道にパイプを通されているからだ。いつの間にT字体という褌とオムツも履かされている。動けない。とにかく寝よう。看護師さんは全身麻酔の後なので、できるだけ手足を動かすように言うが、動くと、ピリッピリリッと尿道パイプがうずく。
翌朝、全身の管を全部外す。やはり尿道である。にゅっと抜かれた瞬間、膨張したゴムパイプは想像以上の長さで、うっすら血がにじんでいる。最初のトイレでも尿に血が混じっててぞっとした。それからしばらく、トイレのたびに尿道はヒリヒリとする。
その後がいけなかった。行けると過信して、病棟を歩く。腹部の傷跡をかばうように体が右にゆがむ。でも歩けないほどでもない、それじゃあ、コンビニまで歩こうと外に出る。外に出て一服。思い切りタバコが吸えない。腹部が痛むし、美味しくない。段々痛みが増し、足取りが重くなる。目の前が明滅する、貧血の症状だ。無理もない術後一日も経ってないんだ。うかつだった、バカだった。よろけるように病室に戻ると、熱を出していた。結局その日は熱にうなされ、怖い夢をずっと見ることになる。病室のベッドがやたらと固く感じる。
熱は一晩で下がり、痛みもかなり引いてきた。まっすぐ歩けることが奇跡だと思っていた。いつもツイッターでくだらないことばっかり吐いていたが、術後2日は何もできなかった。人間、くだらないことをやっている時こそが自由で元気な時なんだな、と痛感。
傷口をかばうように恐る恐る行動しつつ、病室で過ごす。ベッドが恋しい時は弱っている時だ。徐々にベッドに対する愛情が薄らいでいくと、体が回復してきている証拠だ。ベッドは夜寝るもので、昼間ゴロゴロするものではない。前回の入院と同じく、腹部以外は元気という状態に、体が戻っていく。火曜日に手術し、木曜日までかかった。発熱さえなければもっと早くに回復できたのに。
これはひょっとすると行けるかもしれない。
半ばあきらめかけていた今月の京都みなみ会館。もちろん、今月の原稿も病床で書いた。普段も無茶苦茶だが、もっと無茶苦茶だったと思う。しかし、油断は禁物。ゆっくりと、自分が今どうすれば弱ってしまうかと確認していく。食事も普通に取れる、シャワーも浴びれる。歩行も痛みが伴わない……いけるかも、下痢以外は大丈夫。金曜日は病室で『クレヨンしんちゃん・しんのすけ対シン・ゴジラ』を見る。そうだ、この入院はシン・ゴジラ公開までに無駄遣いさせないために神様が下さった試練のようなものだ。と、思うことにした。そして、企画からがっつりと参加した自慢の一冊『シン・ゴジラwalker』の見本誌も届いた。他の追随を許さない、予習復習を兼ねた濃密な一冊になっている、と自負する。こちらのプッシュで寝屋川キャストも京都みなみ会館も紹介することができた。今回の担当は執筆と悪だくみ担当だ。惜しむらくは、版元のまっとうな理由で珍ポスターが掲載できなかったことぐらいか。
行けるかもしれない。金曜日のうちに主治医の先生に相談。こちらの状態を見たうえで許可が下りる。
土曜日、午後から外出。半日、自宅で過ごす。全く問題ない。異変があればその理由をを主治医の先生や看護師さんに教わったおかげで、不安がない。油ものさえ控えれば、あとは問題なし。半日の外出でも問題なし。行けそうだな、よし行こう、行かないと。
続く うーん、気になる。先週、長男が京都みなみ会館で見た『マンガをはみ出した男 赤塚不二夫』が気になっていた。中3が見た初めてのドキュメンタリー。いったいどんな映画だったのだろうか。再放送でバカボンに触れた世代なので、気になる。気になるのなら、見に行けばいい。と、車を飛ばしてみなみ会館へ。なんだか毎週京都に来ているような気がする。
映画は、赤塚不二夫の生い立ちを、関係者の証言とアニメーションで紹介していく構成。確かに、知らないおじさん、おばさんがあれこれ喋るのは、中3にはつらかったかもしれない。でもこれが面白い。マンガを描く、ということから自分自身が漫画になっていくような晩年。大ヒットを飛ばし、もう普通に戻れなくなった後に残る寂しさ。でも『これでいいのだ』と突き進むバイタリティ。バカやるときも、エロい時も、常に真面目に取り組む。不真面目ではいけない。真面目に不真面目を突き通す精神。もういい年なので、『ああなりたい』とは思わないけれど、生きる気力がわいてくるような映画だった。
で、これを見たのが先週末のこと。そして月曜日。腹部に違和感を覚える。
『まさか』
翌日、万が一のために着替え、洗面用具を持って病院へ。またあれがぶり返したのではないか? だとすれば今度こそ手術だ。胆石、いや胆嚢を切り取ってもらわないと、この先同じことの繰り返しだ。
そして診察、予想は当たり、胆のう炎再発で即入院。たった1か月だけの娑婆の生活。『網走番外地』のように再び入院、見知った看護師さんたちの『おかえりなさい』のごあいさつ。恥ずかしながら、戻ってまいりました。ということで、今病室でこれを書いてます。一から出直し、絶食はつらいね。
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カウンター
プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。 『SHUFFLE! アンソロジーノベル』 でデビュー。 『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE ) 『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫) シリーズほか、チョコチョコと。 ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。
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