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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 先週末はいつものみなみ会館。今回はウルトラ大全集が『ウルトラマンゼロTHE MOVIE超決戦!ベリアル銀河帝国』、超SDXが『キングコングの逆襲』にオマケが『ウルトラマン怪獣無法地帯』というボリューム満点なラインナップ。そして久々に子供らと合流。平成と昭和の怪獣映画、ヒーローの活躍を見るのでした。


『ベリアル銀河帝国』はウルトラという冠をつけてはいるけど、邦画史上、これ以上ないぐらいのスペースオペラ。これに匹敵するのは『宇宙からのメッセージ』ぐらいでしょうが、あちらは地球が絡んでくるけど、こっちは全く別の宇宙の物語。久々にスクリーンで見たけど、冒頭の惑星エスメラルダの異星感に、まず心つかまれる。とても山口県でロケしたとは思えない。宇宙を股にかけるウルトラマンゼロの冒険と宿敵ベリアルとの対決、ウルトラ映画でおなじみ助っ人ウルトラマンも今回は登場せず、新たな別宇宙の仲間が加わるところも斬新。70年代の円谷ヒーローをリファインした、おっさん泣かせな面々。そしてこの戦いは現在放送中の『ウルトラマンジード』に持ち越されることに。しかし、ジャンボットを操縦していたあの子がウルトラマンになるとは……。



『怪獣無法地帯』『キングコングの逆襲』はテレビの再編集『長編怪獣映画ウルトラマン』との二本立てでちょうど50年前の7月22日が公開日という事で、この組み合わせ。どちらも島にいるキングがお話のメインになっています。しかし従来ならば痛め技である、首投げで倒されるなんて、レッドキングは噂ほどの実力ないのでは? と改めて思う。




『キングコングの逆襲』はとにかく、メカニコングがかっこいい。ゴロザウルスもかっこいい、コングは愛らしい、これに尽きる。曇天の北極の地に立つメカニコングのカッコ良さ。世界一かっこいい土木作業機械なのではないか? 当時流行していたスパイ映画のような世界観+怪獣、そしてロボット。ロボと怪獣と恐竜がそろってるだけで、どうしてワクワクしてしまうのか、実に夏休みにふさわしい作品。

 劇場映画二本にテレビ一本と、まさに東宝チャンピオンまつりのような組み合わせ、今度は子供らのリクエストに応えてあげよう。



 翌日はおなじみウルトラトーク。今回は『ベリアル銀河帝国』のアベユーイチ監督に、飛び入りの岡崎プロデューサーからお話を聞くことができた。そして、ウルトラの絆はアベ監督の思い入れの強い、来月のネクサスへ。


 アベ監督と岡崎プロデューサーは『ベリアル銀河帝国』のあと『キングコングの逆襲』も鑑賞。そういえば、メカニコングから始まったニセモノロボットキャラは、『ベリアル銀河帝国』のダークロプスにも受け継がれているのか。


 トークも上映も無事終了、長かったウルトラ大全集もあと8月だけ。いや、その前に来週もウルトラオールナイトが! ネクサスへの橋渡し『ULTRAMANに』、20周年のダイナ! 正義は何だ、本当の愛は何だ! 早速準備しておかないと。
 

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 昨日『ローガン』を見たのは会員割引の日だったからなんですが、行ってみると今週いっぱいまで会員割引ウィークとのこと。なんでそういうことをもっと大々的に言ってくれない! じゃあ、今日も格安で映画見るよ、今日も休みだからな、まるで無職の人みたいだよ!


  
 と、いう事で『レイルロード・タイガー』を。ジャッキー映画なのに、2週間で上映終了という理不尽。先日はサモ・ハンの元気な姿を見れたから、今度はジャッキー・チェンであります。




 日中戦争真っただ中の中国、日本軍の物資を奪う、ジャッキー率いるゲリラ部隊。フィジカルなアクションは控えめだけど、戦車、列車アクションは盛りだくさん。横暴な日本軍に一矢報いるために、流通の要である橋を爆破するジャッキーたち。



 広大な中国大陸を走る機関車、ゲリラ、八路軍、とくればば『独立愚連隊』をはじめとする東宝の戦争アクションを思い出します。今回の映画はそれの裏焼き版ともいうべき作品。日本が悪者なのは仕方ないけど、将校を演じる池内博之のコミカルな演技もあって、それほど憎々しげには思えない。とはいえ、日本軍はボコボコ殺されますけど。
 助けた八路軍への義のため、自分の過去のため、日本軍に立ち向かうジャッキーと仲間たち、それに賛同し、陰ながら応援する民衆たち。機関車をはじめ、バイク、戦車ととにかく乗り物アクションが満載。ジャッキーの新作はどうにも足が遠のいていましたが、いまでもまだまだ動ける、それに待機作が目白押し。いつの間にか日本はアジアンアクション後進国になってしまった。そ上伊庭、先日の宍戸開さんとの打ち合わせでも『少林寺木人拳』の話で盛り上がった。昔のジャッキーはすごいけど、今もそのすごさは変わらない、と改めて思い知らされる。




 日本軍に、刺青の女将校というのは映画ならではの大ウソなので目くじら立てて怒ることでもない。ひょっとしたら『緋牡丹博徒』あたりのイメージなのかもしれない。とにかく、強く美しいからいいのだ。
 


 橋の大爆破にゲリラ戦法、『夕陽のギャングたち』のような、西部劇のようなテイストも嬉しい限り。とにかく、秋のジャッキー新作にも足を運びたい。いなくくなってからでは遅いのだ、とテレビでカンフー映画を見まくった世代としては思うのです。

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 最近、仕事の都合で週の真ん中がポカンと空くことが多い、というのは前にも書いた話。そんな時は家で映画見るか、映画館に行くしかない。映画ばっかりだよ。




 火曜日はシネコンの会員サービスデーなので、『ローガン』を見ることに。
X-MENシリーズ最新作であり、ウルヴァリンスピンオフ映画第三弾、ではあるけど、今までの流れをぶっちぎり、老いた男の物語を描く、切ない暴力映画になっていた。




 ミュータントはほとんど死滅した未来の世界。ウルヴァリンことローガンも、かつての勢いはどこへやら、で、ぜえぜえ言いながら、足を引きずり、リムジンの運転手稼業に身をやつしていた。でも、自動車泥棒は容赦なく鉄の爪で殺す。以前のキレがないから、たたきつけるように何度もアダマンチウム合金の爪を叩きこむ。そしてよろよろと車を転がす。そんなローガンにとある少女を送り届けてほしいという依頼が。幼い少女は人工的に作られたミュータントで、ローガンと同様の能力を備えていた。うなり、叫び、標的を切り刻む少女という異様なビジュアル。しかし、強い。そんな少女とローガンの逃避行がお話の中心。そこにすっかり認知症が入って、能力が制御できないプロフェッサーXも同行。あの冷静沈着なプロフェッサーもすっかりボケ爺。老いたローガンは彼の下の世話もしないといけない。老々介護はつらいよ。一行はミュータントの楽園を目指す。でも本当にあるのかどうか。コミックでかっこよく描かれてるXメンなんて本当はいない、楽園だって……。



 全体を覆う、重く、やるせない空気。ミッキーロークの『レスラー』を思わせる、わびしい雰囲気。アメコミ映画のヒーローも老いさらばえ、かつてのように活躍できない。果たして少女を無事送り届けることができるのか? 




 大五郎の方が強い子連れ狼か、あるいは座頭市血笑旅か、子供を連れた旅は何かと障害が降りかかるもの。プロフェッサーを交えた疑似家族の中で少女は人間らしさを身に着けていく。でも、邪魔者は切り刻むけどね。
 
 


 子供たちの中では、年老いたローガンもコミックのウルヴァリンなのだ。子供たちとヒーロー、逃避行の手助けというところで『マッドマックス・サンダードーム』をおもわせる。
 


 
 でも、この先もキャストを変えてXメンの映画は作られるんでしょうね。Xメン映画は、番外の方が面白い、という不思議。今度はコミック通りに、覆面被ったウルヴァリンも見てみたいものです。


 

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 またまた京都。このままでは京都みなみ会館レポートになってしまう。みんなSNSがあかんのや。使いまくってる自分も悪いんや。

  

 先日の京都みなみ会館、ウルトラ大全集は『ウルトラマンマックス』、超大怪獣SDXは『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』+α。『ウルトラマンマックス』は『わたしはだあれ?』『燃えつきろ!地球!!』の爆笑編2本。シリアスからコメディまで、多彩な監督が入り乱れ、独自のカラーを残していったマックスらしいコメディ回。人間の記憶を消していく宇宙化け猫に、人間のやる気を燃焼させる宇宙人、スカイドンの頃から本当に恐ろしい怪獣はコメディ回に出てくる冗談みたいな連中なのだ。コメディとはいえ、その根っこにあるウルトラの精神を忘れておらず、ギャグから自然にヒーローの活躍への流れはさすが。





 そして『ガメラ対ギャオス』、その前に『緊急指令10-4・10-10/アマゾンの吸血鬼』を16ミリで上映。なぜこれなのか? ギャオスと同じく吸血怪獣が出てくるから。『怪奇大作戦』の対象年齢をぐっと下げて当時流行していたCB無線を絡ませた『10-4・10-10』だが、全体に牧歌的なムードが漂う。恐ろしい事件が起こっているのにどこかのどかな感じ。アマゾン土産のお面に付着していた生物が人間の血を吸って湖で巨大化……。電波特捜隊にとって脅威だったのは、危険なのに湖でダイビングを敢行したがる連中だったりする。16ミリはとても状態がよく、きれいでした。


 『ガメラ対ギャオス』は完全なる悪役ギャオスに立ち向かうヒーロー、ガメラと官民一体になった人類の攻防が気持ちよく、怪獣映画の王道といった雰囲気。作戦立案から実行までの時間が早い! 子供のバカバカしいアイデアをそのまま実行する大人たち。3ラウンドにも及ぶガメラ対ギャオスの死闘に、回転作戦、山火事作戦が盛り込まれて90分弱という尺の短さ。体感時間が長く感じるのだろうか。丁寧かつスピーディーな展開がそう感じさせるのか。シネスコ画面いっぱいに怪獣が並び立つと、なんだか得した気分になります。




 そして翌日も京都。恒例ウルトラ大全集のトークショー司会です。今回のゲストはヒジカタ隊長こと宍戸開さん。一体どんな人だろう、うまくお話しできるかな、というのはいつも思うことで、会ってみればみんないい人ばかりでした。今回の宍戸さんもとてもお話上手で、本番ぎりぎりまで映画の話で盛り上がってしまいました。トークショーもウルトラ愛に溢れる内容、お客様も満足していただけたかと思います。ちなみに宍戸さんの好きなウルトラマンは『アストラ』とのこと。持ち出し厳禁がトークの鉄則ですが、あまりにも意外かつ面白かったので、これは例外とさせていただきました。





次回ウルトラマンレオの上映があれば、ぜひお越しいただき、アストラ愛に溢れたトークをお願いしたいものです。そしてコメンタリ-上映、サイン会へ。サイン会でも宍戸さん自らお客様に声をかけるサービス精神。『ローガン見た? よかったよね、あれ!』
イベントは無事終了、続く映画館の上映でも宍戸さんは残ってくれたのでした。隣に座らせていただき、ここでも生コメンタリー上映を。出演者の方と一緒に出演作品を見るという不思議で贅沢なひと時でありました。


 最後まで盛り上がった上映イベント、でも最後に残ったのはアストラでした。
 
 

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 昨日は、平日だけどお休み。なんだか世間に申し訳ないと思いつつも、これが俺の仕事だから仕方ないじゃん、と京都へ。何度目だ、京都。

 映画行くなら近所のシネコンでいいじゃない、でもみなみ会館でしか見れない映画もあるしさ、それに、ドラゴン食らわば皿まで、という事で、オールナイトから、キンフー、ドラゴン×マッハ、イップ・マン、デブゴンと来た京都ドラゴン祭(勝手に命名)、ひとまずの最終作『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』を。正直、予告見たときになんだか微妙だな、と思いました。だって『黒澤明とセルジオ・レオーネに捧ぐ』なんて言われたら期待しちゃうじゃないですか、でも今まで黒澤風味、レオーネ風味と言われたアクション映画が成功したためしがない。なんだかちょっと雰囲気足してみました、ぐらい。だからどうしようかな、と思いましたが、ここは行って、見てから文句言おう、それに月曜日はマンデイ割引、ドンパチとカンフーが盛り込まれた、マンデイにふさわしい映画じゃないの。




 20世紀初頭の中国は内戦の真っただ中。とある山村を襲う残虐非道な軍閥と、村を守る自警団と流れ者の攻防を描く、『七人の侍』っぽいけど、黒澤でもレオーネでもない、まったくの香港映画テイストに仕上がっている。20世紀だけど、どことなく武侠片を思わせる雰囲気。冒頭の流れ者エディ・ポンと盗賊のやり取りは、ソバが出てくるあたりも『残酷ドラゴン』を思い出させるし、エディ・ポンは黒澤映画の三船っぽいキャラだけど、義に厚く過去のある男を演じ、借り物では無い新たなキャラを作り上げている。もちろん強い。そう、香港映画だから、主要キャラはどいつもこいつも強い。虐殺から逃げてきた女教師と子供たち。そして、一緒について歩いてる犬。子供と犬が、殺伐とした物語の緩和剤となっており、ラストのかっちょいい決め台詞につながる。子供と犬、といえば『マッドマックス2』だ。黒澤とレオーネどころじゃない、この映画は欲張りにも古今東西のアクション映画のいいところを集め、それを模倣するだけでなく新たな香港アクション映画に作り変えてしまっている。



 カンフーをメインに置きつつも、鞭、刀、銃と多彩な武器による戦闘シーンがふんだんに盛り込まれており、時として台所道具のオタマやザルすらも人殺しの道具になる。バラエティに富んだ立ち回りは武術指導のサモハンのアイデアか。




 大軍勢に対する大逆転の大秘策、悪い奴は徹底して悪く、正義を貫く男たちがそれを叩く。単純明快、ドストレートに胸のすくアクションをこれでもかとばかり見せてくれる。おもろい! それに香港映画の女優さんはみんなキレイで強い。でもひどい目によくあいがち。古典に敬意を表しつつ、新たなアクションの世界を見せてくれた一本。またこんな映画を見てみたい。かつての香港映画だったら、便乗作品がわんさと出たけど、今はどうなんだろうか。




 胸のすくアクションを見た後は、もう一本『真白の恋』を見る。どうせ京都に来たなら、はしごして帰らないと。カンフーでも怪獣でもない、なんというか『ささやかな映画』。富山県のある町に住む軽度の知的障害者、真白と東京から来たカメラマンとの交流を淡々と描く。障害者とその家族、そして周りとの関わりをさらりと描いているのが実にうまい。ほとんど照明を用いず、ナチュラルに聞こえる会話の中で繰り広げられる物語は、ドキュメンタリーを思わせる。『障害って何?』『障害があるから、どうなの?』そんなテーマも内包しているけど、あまり前面に出さない。カメラを通じて真白が一人の男を好きになって、夢中になっていく様子を淡々と描いていく。人を好きになることで、彼女、そしてその家族に訪れる変化は何だろう、そんなことを考えながら、映画は終わる。ブツン、と終る。ひょっとして、そんなこと忘れてしまうかもしれない。それでもいいかもしれない。障害があるから何もできない、しちゃいけないの? だからといって好きなことをさせていいのか? 劇中でも語られる、障害者とそれを取り巻く問題は、答えの見つからないまま、これからも討論される問題なんだろう。でも、彼女は生きていく。普通であること、そうでないことってそんなに差はないんだよな。



 真白を演じる佐藤みゆきの演技が素晴らしい。障害者を演じるというのは奇妙な言動だけではない。ちょっと視線を外し、相手と微妙にかみ合っていない感じが必要だと思っている。彼女は見事にそれをやってのけていた。ひょっとしたら、本当にその街に行けば、自転車に乗った彼女に会えるかもしれない。そんなことを思わせるぐらいに、ナチュラルだった。でも真白の父親が長谷川初範だったので、頭の中にウルトラマン80のBGMが流れていたのも、事実。




 安易に感動した、とは言えないけど、なんだかじーんとくるものがあった。ラストで『え?』と思ってしまったけど、あれがないと終わらないか。障害者を扱う映画って作るのが難しいと思うけど、感動を押し付けない良作。ドンパチと感動、両極端な二本を見て、大阪に戻る。あ、週末また京都に行かないと。今度は大好物な怪獣ですので。



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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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