作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!
男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい!
てな訳でよろしく
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 昔は、映画業界ではお正月興行といえば『忠臣蔵』のようなオールスター映画が通例だった。今やすっかりその慣習もなくなった。いや、あった。ちびっこに向けて毎年作られる冬のライダー映画はまさにこのオールスター映画、顔見世興行ではないのか。
『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALビルド&エグゼイドWITHレジェンドライダー』(長い)は現行のビルド、それと一つ前のライダー、エグゼイドに加え、フォーゼ、オーズ、鎧武、ゴーストが共演というまさに変身オールスター映画。今回はちゃんと変身前の俳優も登場し、きちんと設定を踏まえた上の登板なので、ちびっこはもちろんファンにも嬉しい配慮がされている。ライダー集合映画といえば、だいたい変身後のスーツで登場しますから。
ビルドとエグゼイドの住む世界を融合させる悪の科学者、これに敢然と立ち向かうライダーたち、というのが大まかなあらすじ。CGも多用しているが、火薬にワイヤーを使ったアナログなアクションが多いのも、古いファンには嬉しいし、悪の科学者(大槻ケンジ)が駆使する次元融合マシンが巨大な手に一つ目という『宇宙鉄人キョーダイン』のガブリン、あるいは『ジャイアントロボ』の巨腕ガンガーそのまんま、というのもおっさん泣かせ。
ただの集合映画に終わらず、ゲストライダーやビルドの相棒、クローズを通して『仮面ライダーはなぜ戦うのか?』をきちんと描くドラマパートも実に丁寧。炎の中、6人のライダーがバイクを並走させる映像だけで満足してしまいました。 PR ここ数年お世話になってる京都みなみ会館が一時閉館するというニュースを聞いたのは、ちょうど前回『KUBO』を見たあとだった。ショックだ。でも完全に終わるわけではない。とにかく、自分がすべきこと、できることを最後までやろう。そして見たいものは見ておこう。という事で、先日。といっても先週末だから、ずいぶん時間が開いてしまったが、みなみ会館へ『エル・トポ』を見に行った。新作公開で組まれたホドロフスキー特集の一本、昔の宇宙船に広告が載っていた伝説のカルト映画。数々のアーティストに影響を与えたといわれる作品、さてどんな内容だ?
馬に乗って砂漠を行く黒づくめのガンマン、エルトポ。その後ろにはなぜか全裸の子供。子連れ狼っぽいぞ。ガンマンは村を荒らしたおかしな野盗を倒し、助けた女から『最強になって』と言われてその気になって、砂漠に住む四人のガンマンと戦う。前半はそんな感じ。純然たるウェスタンではない。凄腕ガンマンたちもおおよそガンマンらしくない。盲目ガンマンには落とし穴を掘って、落とし、マザコンガンマンはその母親を襲い、弾は一発限りの一撃必殺パーフェクトガンマン(大量に兎を飼ってる)には、心臓をガードして挑むというように、トンチの利いた戦い方で勝ち進む。最後の最強ガンマンは『戦いなど無意味』と悟りきったヨガの行者のような老人。『お前は私を倒せない』といって自害する。まあ、そりゃ倒せないわな。この命がけのトンチにアイデンティティーの崩れたエルトポは、女にも見限られ、全身に銃弾を撃ち込まれ、倒れる。
しかし、死んでいなかった。彼は、フリークスたちによって洞窟にかくまわれ、数年後に復活する。すっかり人の変わったエルトポは、フリークスのために、町までの近道になるトンネルを掘ると宣言。その資金集めのために、小人女と街でお笑いライブで稼ぐのがおかしい。憧れの場所である街も、どこかねじの外れた、欲望にまみれた人間たちの坩堝だった。
立派なガンマンとなったエルトポの息子が街に来て、自分を捨てた父の命を狙う。しかし、トンネルが完成するまで待ってほしいというエルトポ。お前も手伝えと、小人女と3人でトンネル堀りとお笑いライブの毎日。やがてトンネルは完成し、フリークスたちは大挙して街へ。しかし、そんな彼らを街の人間が受け入れるわけもなく、皆殺し。怒ったエルトポは再び銃を手に、町の人間へ復讐するのだった。と、文章で書くと、割とまともなウェスタンのように思えるけど、かなり変な映画だ。宗教、生、死、欲、愛、様々な要素がぶち込まれているような気がする。要素が多すぎてどうにでも解釈できる。ひょっとしてええ加減に撮ってつないだのでは? とさえ思える。 これを公開当時に見た人にはものすごい衝撃であったんだろうか。ガンマンから聖人のように生まれ変わったエルトポが、笑いで生きる糧を得るというシュチュエーションは面白かった。道徳的でもあり、非道徳的、大阪弁でいう『けったい』な映画だという事だけは分かった。
最期の墓石にミツバチの巣を置くのも意味がありそうでなさそうな。とにかくやたらと動物が死ぬので、そういうのが苦手な人にはつらいかも。当時のことだから、ダミーや人形じゃなくって本物だろうな。
けったいな映画を見たけど、それでも機会がある映画は、京都のこの映画館で見ていこう。と言ってるそばから、週末には行かないといけない。今度はいつもの怪獣に、帰ってきたウルトラ大全集だ!
SNSで話題! 『絶対見て!』『必見!』という言葉につられて映画を見ると、『うん、まあ、そうだな、うん、面白かった』と、思った以上の感想が持てずに『自分は人として大丈夫だろうか?』と思う事もある。ネットの評判に惑わされてはいけない、それはどこまでもいっても人の意見であって、自分の意見ではないからだ。映画を見る時はそういった雑念を振りはらい、真っ白な気落ちで行くのが正解、だと思ってる。
先日見た『クボ・二本の弦の秘密』もネットでは大評判だった。ちょうど映画の日だし見てみよう、という軽い気持ちだった。ネットの評判なんてものもあてにはならない、しょせんは人の意見よ……開巻早々圧倒された。
昔々の日本のどこか。隻眼の少年、クボはお母さんと二人暮らし、昼間は街に出て三味線の音色で折り紙を生き物のように動かす芸で生活を助けている。そんなクボが仲間と共に3種の武具を手に入れ、恐ろしい祖父と戦う事になる、という大まかすぎるあらすじ。
ものすごく滑らかなCG、いや違うこれは人形アニメだった! どこまでも表情豊か、町の人みんな動いている、すごい、一体どれぐらい時間がかかったのか? そんなことを考えるだけで気が遠くなりそうだった。しかも夜勤明けで、意識が遠のきそうになる。
クワガタの武者と猿を引き連れたクボは桃太郎のようでもあり、隻眼を隠すように前髪を垂らしたスタイルは白土三平の『ワタリ』を思わせる。鎧武者がカクカク動いて巨大な骸骨と戦うなんて『魔人ハンターミツルギ』じゃないですか。しかもこれは海外の映画、よく日本のことを調べて作ってるなあ。日本のアニメで異世界ファンタジーといえば中世ヨーロッパ風の世界が描写されるのと同じく、向こうからすれば中世日本の世界こそがファンタジーなのか。
クボを襲う二人のおば、闇の姉妹も空飛ぶギロチンを繰り出して襲い掛かるし、最後は怪獣が出てくるし、これを全くのオリジナルで作り上げた、というところがすごい。どこか昔の東映の劇場アニメを思わせるし、ものすごく時間をかけた『まんが日本昔話』のようでもあるし、とにかく見ていていろんなものを想起させてくれるぐらい、日本人の琴線にビンビンと触れるものがある。
ネットの評判なんてくそくらえ、予想以上のものがたくさん詰まっていた。とにかく、人形アニメというだけで、その手間暇を考えると無下にできない、ダイナメーション世代なのです。 ひょっとしたら、ここで何度も書いてることかもしれませんが、自分はとにかく『大集合』mのに弱い、怪獣大集合、ヒーロー大集合、とか。単体よりも大勢いた方が楽しいに決まっている。
そこで『ジャスティスリーグ』がやってきた。バットマン、スーパーマンにワンダーウーマンその他ヒーロー大集合ですよ。昨年の『バットマンVSスーパーマン』でその片鱗が見られ、ちょっとがっかりだった『スーサイドスクワッド』でもちょっと前振りを入れてから今年の『ワンダーウーマン』で、期待値を大きく上げて遂に登場、であります。アメコミ映画の一方の雄、マーベルが着実に作品数を増やし世界観を広げ散っているのに対し、大きく水を開けられた感じはありますが、DCもここ2年ばかりで怒涛の快進撃、東映のライダー映画並みの感覚で新作を発表していっているのです。そのじらされない感じがとてもいい。
以下、内容に触れるかもしれませんのでご容赦ください。
昨年の戦いで、スーパーマンが死んでしまい、世界がおかしくなってしまった。前作で犯罪者レックス・ルーサーが予言した通り、宇宙から魔の手が伸びてくる。バットマンことブルース・ウェインは、スーパーマン不在の今、超人を集め、侵略者を迎え撃とうとするのだが……。
『マンオブスティール』も『バットマンVSスーパーマン』も面白い映画でした。でも長い。超人大活躍までを見せるプロセスが長い。結婚式で早くごちそう食べたいのに、スピーチが長い、あるいは早く戦いたいけど、今はサナギマン状態なので、待つのが辛い、そんな感じ。
今回はそういう事もあってか、いや、監督がやむを得ず交代したという事もあってなのか、冒頭よりヒーローの活躍とキャラ説明をしっかり見せてくれる。強盗を仕留め、それを餌に侵略者と戦うバットマン、世界の終わりでやけになったテロたちを懲らしめるワンダーウーマン。そしてバットマンが選んだ仲間は超音速のコミュ障フラッシュ、進化する機械人間サイボーグ、海の王者アクアマンの3人。こういったヒーロー集結ものは必ずと言っていいほど『いや、俺は……』とチーム参加を固辞するキャラがいるものです、今回フラッシュ以外はあまり乗り気ではない、しかし、故郷アトランティスを襲われたり、科学者である父が誘拐されたりと、家庭の事情が重なってアクアマンもサイボーグもすんなり参加。ついでにワンダーウーマンも実家が襲われて気が気でありません。
強力なパワーを秘めた箱をを奪いに宇宙からやってくる侵略者。ひょっとしたらこの箱のパワーでスーパーマン蘇生できるんじゃないか? でスーパーマン復活。生き返ったばかりで、気性が荒くなってましたが、彼女とお母さんのおかげで元に戻ります。結局女かよ、とか言わない。
さあ、いよいお敵の本拠地を叩くぞ、途中で仲違いもあったけど、すっきりさっぱりしてるぞ、今回のアメコミヒーローものはうじうじ悩んでないぞ! そしておなじみ大乱戦へ。ワンダーウーマンとアクアマンとは因縁浅からぬ敵、ステッペンウルフは強い。超人が束になってもかなわない。そんな中、基本的には普通の人間であるバットマン(武器は財力)はヒイヒイいいながら戦う。途中参加のスーパーマンは敵を倒すよりも人助けが優先。スーパーマンはじめ、アメリカのヒーローは戦うというより、人助けが似合ってる。無敵の力は人助けに向いている、今回もそんなシーンがあってニヤニヤしてしまう。
一応バットマンがリーダーだけど、みんなワンダーウーマン姐さんのいう事だけは素直に聞くのがいい。『正直ロープ』持ってるから、嘘つけないですからね。
基本的にみんな孤高のヒーローなので、チームを組んで、どこか嬉しそうでもある、ちょっといびつだけど。今まで世捨て人みたいだったバットマンも、仲間が増えて素直で前向きになってる。こんな前向きなバットマンは初めてではないか?
できることなら、このチームでもう一度見てみたい。あと、随所に昔のスーパーマン、バットマンの楽曲が使われているので『おぉ!』となりました。
恒例、京都みなみ会館の月イチ怪獣映画上映、超SDX。11月は『ガメラ2レギオン襲来』『ガメラ3邪神(イリス)覚醒』の平成ガメラのエッジがどんどん鋭くなってくる2本で、襲来したり覚醒したりと忙しい。
11月27日はガメラの第一作が公開された日でもあるので、今回はちょっとしたガメラ誕生祭の意味合いもある、らしい。ロードショー以来、劇場で見る平成ガメラである。当時は、平成ゴジラがあって、追っかけるようにガメラも復活。ゴジラにはないところ(不満点、ともいう)をうまくガメラがカバーしているみたいで、どっちも大満足。 ガメラ2の時はあのガメラが帰ってくるぞ、という期待感があったり、ガメラ3の時は『こうして働いてる間にもフィルムは回ってるのか、早く見たい!』と思わせる中毒感を持っていた。そんなことを思い出すと、あの時のようなわくわく感が蘇ってくる。あれ、こんなに平成ガメラシリーズ好きだったか? 上映の前に、先月に引き続きみなみ会館1階でババジラジオ京都SP2。前回好評、でもなかったけど、あえて京都でやることで集客力もアップ。でも本当にくだらない話しかしないのです。
そして上映。ガメラ2も3も抜群に面白い。健気に人間の、地球のために頑張るガメラ。そんなことお構いなしに思うままに動き回るレギオン、イリス。怪獣映画の高みを目指したG2に、そこから更なる飛躍を目指し、ガメラを恨む少女、という一個人の復讐というミニマムな視点で描かれるG3、どちらも面白い。それぞれにカラーが違う、だからこそ面白い。
特にG3は最終決戦が京都であり、イリスの降下地点がみなみ会館のすぐそば、東寺でもあるから臨場感はいやでも増してくる。映画が終わって、外に出るといつもと変わらぬ風景でほっと一安心、というのもみなみ会館ならでは。
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カウンター
プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。 『SHUFFLE! アンソロジーノベル』 でデビュー。 『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE ) 『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫) シリーズほか、チョコチョコと。 ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。
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