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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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・先日まで半袖で過ごしていたのに、めっきり冷えてまいりました。
 それはさておき、先週に引き続き塚口サンサン劇場へ。今日は『フランケンシュタインの怪獣・サンダ対ガイラ』です。二週続けて傑作の誉れ高い東宝フランケンを見れる幸せ。
 

 もう語りつくされた感はありますが、久々に見る『サンダ対ガイラ』はやはり、傑作というしかない。言い過ぎですかね? 前作とは微妙につながっているようで繋がっていない、パラレルな設定の中、ゴジラの半分ぐらいのサイズしかない怪獣が大暴れ!

 フランケンシュタインから生まれた怪獣サンダとガイラが……というのは説明不要と思いますが、とにかく、ガイラが怖い。オープニングから大ダコを倒し、漁船を揺らして逃げた漁師をパクリ、羽田空港に上陸して逃げ遅れた女をパクリ、と非道の限り。40年以上前の作品とは思えないくらいにガイラは怖い。設定身長が20~30メートル、見上げると目が合いそうな大きさである。ゴジラのようにドシンドシンと足音も立てることもなく、ノーマルスピードでひたひたとひょい、とやってくる捕食者。人気のなくなった夜の街をひたすら食べ物(人間)を探しにうろうろするガイラは怖い。
 対してサンダは人間に育てられたからか、ガイラの食尽習性を許さず……でも、どこか怖いので、あまり応援できない。
 そんな絶望的な状況の中、圧倒的にかっこよく見える自衛隊。今まで怪獣の引き立て役に徹していた自衛隊がここぞとばかりに大活躍。作品の中盤からはまるで記録映像のように対怪獣のL作戦を黙々と設営していく。そしてガイラに向けて一斉攻撃を仕掛ける爽快感。新兵器メーサー殺獣光線車もさも昔から使ってますよ、とばかりにさりげなく登場。ガイラに対し、圧倒的な威力を披露する。
 それ以降はひたすら怪獣を追う自衛隊、何とかサンダだけでも保護したいと考える科学者たちの物語が交互に織りなされていく。退屈か? 否、そこに至る事件の積み重ねがあるから、後半はやや一本調子気味でも気にならない。
 サンダに叱られて逆切れするガイラとそれをいさめるサンダの戦いは市街地から海へ。ここで見事なのは、自衛隊はひたすらサンダのみを攻撃する。サンダを味方しているのか、それとも、火力を一匹に集中させて先にガイラを仕留めるつもりだったのか。
 ラストの唐突さは前回と同じ。しかしここは人が作りし生命を戒める自然の怒り、とうまい具合に解釈しておきましょう。
 今回も、というかいつものごとく空埜先生も同行。前作と微妙にパラレルなのは、某魔法少女アニメのように、水野久美を軸にしたループ世界だから、という新説を発表。水野久美はいつかフランケンと共存できるために世界をやり直しているのだ。ならば『僕と契約してフランケンを助けてよ』と言ってくるインキュベイタ―は水野久美と同じく、世界が変わっても存在しているタコだ。
 もし、三作目があったら、次は空のフランケンしかない。その時はタコ(凧)に乗ってやってくるに違いない。 
 しかし、スクリーンで見る傑作怪獣映画は、なんやかんや言うてもおもろい。
怪獣は怖く、そしてかっこいい。それでいいのだ。

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・暑いのか寒いのかはっきりしない日が続きます。辛い現実にくじけそうになり、先の見えない未来ににうんざりする日々。そんな時は好きなことやって発散させよう、そうしよう。と、言うことで、尼崎は塚口サンサン劇場へ。
 
 ゴジラメモリアルイヤーである今年、怪獣映画の波は京都みなみ会館だけではなかった。突如塚口サンサン劇場で行われる東宝フランケン連続上映! 
       
 唐沢寿明主演『インザ・ヒーロー』公開記念で行われた『サンサンアクションクラブ』の一環で、他には『燃えよドラゴン』『ゴジラ(1954)』も上映されるとのこと。
 
 思い立ったらなんとやらで、今日も、すっかり悪い道に誘い込んでしまった感のある空埜先生とともに国道43号線を走る。
 
 初めて訪れる塚口サンサン劇場。ここでもみなみ会館と同じく、怪獣おもちゃの罠が待っていた! 上映時間ぎりぎりまでおもちゃを漁り、いよいよ本編へ。
 
 
 
 久しぶりに見る『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』は、バラゴンのための映画だったんだな、と再確認。タルのような体で森の中をちょこまか動く姿、鈍重そうな外見に見合わず、カエルのようにジャンプして襲い掛かる俊敏性、怒ると立つ耳、発光する一本角、あたりかまわず吐き散らかすマグマ光線。さらに洗濯板のような背中のゴツゴツに、碁盤の目のような腹部。まさに『ザ・怪獣』と呼ぶにふさわしいデザインと特徴を持った怪獣である。ぐりぐりとした可愛い目をしつつ、人間を食うギャップもまた、いい。立ってよし寝てよしのオールラウンダーである。
     
 そして、今回は前回の『ガス人間第一号』と同じ脚本家、木村武(馬淵薫)氏の作品ということもあり、変身人間と怪獣への橋渡し的な作品となっている。生まれざる者の悲哀と孤独、そして中途半端な大きさのモンスターたちの臨場感。フランケンの心臓を運び、映画の後半では彼の無実を晴らそうと奔走するのが、かつてのガス人間、土屋嘉男というのも面白い。やはり、変身人間の先輩として後輩のフォローに回りたかったのか、とさえ思える。
 今回は、かつて『海外版』と称されていた、ラストにタコが出てくるバージョンの上映でプリントの状態もかなり良かった。何の伏線もなく唐突にタコが出て、ダメ押しのようにニック・アダムスが『タコだ!』と叫ぶシーンで空埜先生、思わずぷっと吹きだした。確かに、事前に情報がなければ違和感がかなり残るシーンではある。
 そしていつも何かを企んでそうな高島忠夫。目潰しでフランケンの自由を封じるというのはいいとしてもそれを受けて『どのような目潰しか知りませんが……』と返す水野久美もどこかおかしい。フランケンを『坊や』と呼んで愛情を注ぐ一方、出会いから別れまで、食べ物を高いところから落としてばかりである。
 とはいえ、あらはあるけど、やはりこれは傑作怪獣映画の一本であるといってもいいし、おかげで来週の『サンダ対ガイラ』もどうしようかな、と迷ってしまうのである。あぁ、バラゴンがひたすらかっこいい。
 
      
 

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・いまだ頭の中をリアベ号とか轟天号が飛び交ってふわふわしているというのに、10月のみなみ会館『大怪獣大特撮大全集』は開催日が早い! いつもは月末なのだが、今回は10月11、12と、前回から二週間しか空いてない。今回のプログラムは『獣人雪男』『ガス人間第一号』の、巨大怪獣の出ない怪人、変身人間の二本立て。

 スケジュール的に大丈夫やろうか? と思ったけど、何とかなったので、いつものように空埜大先生と第二京阪を飛ばしつつ京都へ。道でもいいが、この日はやたらとパトカーを見かけた。コンビニや路上で、事故とか取締りとかで停車するパトカーと警官。今日は何かあったのか? 台風も近づいているせいか、京都の空は赤く燃えてござる。



 みなみ会館に着くとごった返す人たち。これはやはり、幻の映画と言われ、ソフト化がままならない『獣人雪男』のせいだろうか。周りが封印作品だ、幻だ、とはやし立てるおかげでかえって世に出にくくなっているのでは? と思うのだが。


 『獣人雪男』が学生時代以来久しぶりの鑑賞。あの時は眠くて仕方なかった。日本アルプスのその奥に潜む雪男と人間を描く、怪獣映画というより未確認動物(UMA)映画。『ゴジラ』と同じく香山滋が原作を手がけているので、滅びゆくイニシエの種族への愛情がたっぷりと詰まっており、映画でもそれが色濃く反映されている。


 俗世間から隔離された土地で、山の民から主と崇められ共存生活を送っていた雪男親子。それが文明人に土足で住処を荒らされ、子供を殺されたために見境なく怒り狂う。
 野生動物を怒らせる一番手っ取り早い方法は子供を殺すか捕えることだ。その役を担うのは決まって悪徳興行師。まず、映画に出てくる興行師でいい人を見かけたことはほとんどない。どいつも欲深く、残酷だ。いけない、ガッパ怒る。



 本多監督のおなじみ、ジラせにジラせて怪物の姿を見せない演出は健在だが、雪男は等身大のためか、じらせまくったうえ、ひょっこり顔を見せる。また、ゴリラというよりもニホンザルのような柔和な表情で頭頂部が円い造形のため、シルエットで見るとオッサンに見えてしまうのが難点。それでも大胆な合成やコマ撮りなど巨大怪獣とはまた違ったアプローチの特撮で暴れる雪男は白黒画面のせいで生々しく見える。



  
 物語は行方不明になった仲間を探す主人公たちに、徐々にその姿が明らかになる雪男を並行して描く。山の民の一人、年ごろの娘チカは都会から来た主人公に惚れてしまい、そのために仲間を、雪男を売り飛ばすはめになる。責任を感じたチカはラスト、短刀をもって雪男に立ち向う。この時代で怪物と戦う女性というのは珍しいケースだと思うが、まず、怪物を封じ込めるのは怪物に近い立場の人間という『ゴジラ』に続く香山滋のセオリー(『ゴジラの逆襲』は? と言われると弱い)が生きている。


 
 毒キノコを食べたために仲間が死に絶えた雪男は、種の保存のために都会から来た娘をさらう。山娘のチカは近すぎて手を出さなかったのか? バカヤロ、本当にいいのは遠くの美人よりも近くの気のいい女なのに。



 この映画が封印されている理由は山の民の描写だろう。前時代的な生活ぶりに劇中では全く語られていないが、おそらく近親婚を繰り返しているに違いない。そ思わせる村人がちらほら見える。さらに、そこに雪男の血が混じれば……恐ろしくドロドロした集落になるんじゃないか? と思う。


 これを『ゴジラの逆襲』の後に持ってきた東宝は巨大怪獣以外でも特撮を駆使したジャンルを模索していたように思える。そして生まれた等身大怪人路線はひっそりと続くことになり次の『ガス人間第一号』につながっていく。


 『ガス人間』は特撮怪人映画としても、一級のメロドラマとしても傑作、という声が高い作品。今回大スクリーンで非常に状態のいいプリントで鑑賞するにあたり、その思いが強くなった。


 徐々に明らかになる謎の銀行強盗の正体、そこに絡む日本舞踊の師匠の存在。サスペンスから始まり、SF色を匂わせ、最後に悲恋ものとして締めくくる。これは特撮映画というより、一般の映画としても傑作である。


 まず『ガス人間』という存在に『日本舞踊』という相容れないものを組み合わせた脚本の勝利である。そして演出は本多監督のおなじみ焦らせ演出でガス人間の正体を少しずつ、丁寧に描いていく。いつになく手堅く見える演出は、お馴染み怪獣映画の常連俳優を極力抑えたキャスティングと主人公である三枚目の刑事役の三橋達也のおかげだろうか。そして日本舞踊の師匠を演じる八千草薫の『この世の人とは思えない』美しさと佇まい。



 ベタな脚本なら三橋達也が八千草薫に惚れてしまうところだが、人ならざる雰囲気の八千草には、もはや人ではないガス人間がよりそう。三橋達也には都会的な婦人記者が。現代っ子な婦人記者と古風な日本舞踊の師匠、この対比がまたお互いのキャラクター像を深く掘り下げている。



 人を捨てたガス人間と、俗世から離れ芸道一筋の藤千代、行きどころのない二人の末路は悲劇だったのだろうか。



 ガス人間が留置所の格子をするりと抜けるシーンは『ターミネーター2』、パイロット志願の青年がスカウトされて超人に改造されるのは『キャプテンアメリカ』を思わせる。単なる偶然だと思うが、東宝が早すぎたのか。



 留置所でにやりと微笑むガス人間、土屋嘉男が一瞬、ブルースリーの物真似をする竹中直人に見えるが、それは本筋とは関係ないので。




今回の二本はいずれも人と人、人とそうでないものの悲恋を描いた2本で、秋にはピッタリの組み合わせだったっと思う。
次回のみなみ会館は11月の1、3とこれまた短い間隔での開催、果たしていけるやろうか。
 

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 先日は銀河のガーディアンを見てきたので、今日は『猿の惑星・新世紀』をみる。
 このままだと見逃してしまう、時間がある今のうちだ、というわけですな。
 前回『猿の惑星・創世記』はあの名作を今によみがえらせるにはどうすればいいか?そもそも、猿が地球を乗っ取る話をやらないといけないのではないか? ということで秀逸な設定を持って見事に世界観の再構築に成功したのであります。
 そして今回、である。画期的な発明のはずのアルツハイマー治療薬が実は猿の進化を促し、人類を死に至らしめる危険なものである、それが世界中に広がって……というブラックなラストで終わった前作の続き、人類はほとんどが死滅し、進化した猿は森の奥で自分たちのコミニティを作り、暮らしていた。
 それで終わればいいのだが、それだとハリウッド超大作にするにはつまらないのです、猿には猿の、人間には人間の事情があり、それが友情を生み、または激突する。
 とにかく、CGIで作られた猿たちの見事さである。猿のリーダー、シーザーの堂々とした態度、馬に乗る時はピンと背筋を伸ばす、家族の前では笑顔を見せ、敵対する人間には牙をむき、そして悩む。モーションキャプチャーを演じたアンディサーキスの名前がキャストのトップに来るほど、この役は大変重要であり、実質彼がこの映画の主役なのだ。着ぐるみ俳優の名前がトップに来るんだぜ。
 よく下手くそな芝居を『猿芝居』と言いますが、この映画の猿芝居は人間の俳優にも負けないぐらいの名演なのです、猿だけど、その表情から感情が読み取れるってよく考えたらすごいことなんですな。
 人類とは争いを起こしたくないシーザーに対し、彼の片腕コバはかつて人間にひどい仕打ちを受けたせいで、人類殲滅を企む。猿と人間の共存なんて『天才志村動物園』じゃないんだから、テレビに任せておけ! クライマックスはシーザーを差し置いてコバが大活躍である。馬上から両手マシンガンをぶっ放す、そして装甲車でバリケードを突き破る。猿が、猿なのに! 猿だからかっこいい! 宇宙アライグマが宇宙マシンガンをぶっ放す姿もいいが、ここはやはり、馬上猿マシンガンを推したい。


 お話は完全に新しくしつつも、旧作への影響もうかがえる。今まで『もうええやろ』と言われてきた旧シリーズ4作目、5作目を下敷きに、猿の台頭、そしてサルと人間の共存の感応性、猿の掟の在り方を描いてる。



 
 『猿は猿を殺さない』しかし、一線を越えた猿は、そして人間はどうなるんだろうか。

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 昨夜は寝屋川の『怪獣談話室』でさんざん楽しい目に遭ってきた。ただ、帰りが夜明け近くになり、今日一日を寝て過ごした。まるで大学生のようでござる。
 
 怪獣談話室ではもっぱら先日の『惑星大戦争』『宇宙からのメッセージ』が話題になっていましたが、実は寝屋川に行く前に一本の映画を見てきたんです。
 今話題の宇宙アメコミ『ガーディアンズオブギャラクシ―』。スペースオペラに70~80年代のアメリカン文化をぶち込んだ傑作であります。さすがマイベストヒーロー映画『SUPER!』のジェームズ・ガン監督である。
 
 
 宇宙のアウトローたちがチームを組んで巨悪に立ち向かう。この一見使い古されたようなネタを実にうまく料理している。宇宙戦争のバックに流れる往年のヒット曲、というのも今までありそうでなかったかもしれないし、宇宙にカセットテープというギャップの新しさ。
 
 加えてキャラクターの立て方。一人一人の説明はすっ飛ばし、物語が進むにつれて各キャラの人となりが浮き彫りになる構成はさすがであります。
 ネットではこれ以上ないぐらいの盛り上がりで、自分も乗り遅れるな、とばかりに見に行ったのですが、面白いことは面白いものの、ずば抜けた面白さではなかった。
 あぁ、もう宇宙とかCGとか、仲間とかどうでもいい年齢になってきたのかなあ、俺。
 いや、違う、宇宙のならず者たちがチームを組んで顔色の変な悪者と戦う映画をつい先日京都で見たばかりだからだ!
 超有名店の美味いラーメンを食べたものの、頭をよぎるのは先日食べた癖があるけどそこそこおいしいインスタントラーメンの事……そんな感じである。
 恐るべし、『宇宙からのメッセージ』。映画を見るのも食い合わせが大事だな、と思った次第。『猿の惑星』にすればよかったかな
 

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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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