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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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何事も、始まりがあれば、終わりはあるもので。でも終わりというものはいつもあっけなくやってくる。そりゃ誰も終わりが来るのを待ってはいないから。いつまでも続いていると思っているから。

 12月の衝撃的発表から3か月、いよいよ一時閉館の日が来てしまった京都みなみ会館。仕事を終えて、いつものように京都へ。ああ、油小路のブラコージを進むのも、チン診療所の角を曲がるのも、陶器のババア人形がすっかり占拠してしまったあの家(勝手な想像)の前を通るのもこれで最後かな。


 みなみ会館では粛々と最後の上映が行われ、毎回満員立ち見の中、一階ラスベガスではババジラジオさよならラスベガスSPを開催。こんな時に、いやこんな時だからこそ。最終日にこのイベントをすることで、オールナイトから8年続いた怪獣映画のお客様にも来ていただいて、みなみ会館の閉館を一緒に見送れるかも。二階の映画館にもお世話になりましたが、この元パチンコ屋跡にも随分お世話になりました。怪獣、ウルトラのレジェンドがどれだけ来たことか。ここで走馬灯のように過去の画像を挟んでみる。いろいろあったなあ、やせたなあ、俺。









 そんなラスベガス最後のババジラジオはゲストに中村哲キャスト社長と、漫画家の山本サトシ先生というWサトシ。途中で吉田由利香みなみ会館館長も飛び入り参加し、いつものように決して高尚とはいえない怪獣トークを。




 この地で行われる最後の物販。ゴジラ1962にみなみ会館キーホルダー。そして大特撮大怪獣うろ覚え大解説。3年間新聞に書いてきた資料性0の記事を一冊にまとめたもの。最後の最後についに発売! 思えばモノカキと名乗ってみなみ会館でキャスト社さんとであって、最後に本を出してもらえるのも何かの縁か。思えば4年前の出会いから、怪獣会話の片隅でちょこちょこお仕事をいただけるようになった。

 大みそかの年越し上映『ル・アーヴルの靴みがき』の際、みなみ会館からもらったお年玉は5円玉。ご縁がありますようにとの意味だけど、いままでもたくさんのご縁がここであった。そしてこれからもあるだろう、と思う。

 数々のサイン会が行われてきたラスベガス、最後のサイン会が自分だとは思ってもいなかった。
  


  

 怪獣トークも終わり、最後の時がゆっくりと、いや時間通りに進んで行く。最後の上映作品はシークレットながらも、満員御礼。時間からしてそれほど長い作品ではないし、意外な作品とのうわさがあったので、『コマンドー』か? と予想。そんなわけはない。いよいよ最後の上映。会場は左右はおろか中央の通路にまで人が座る超満員。
 
この光景を見るのもこれでお終いか。吉田館長からの最後のあいさつ。最後にいつもの上映前の案内を壇上から。そして始まった映画は……?


『コマンドー』! ではなかった。『イリュージョニスト』フランスのアニメ映画である。
老魔術師と少女の旅。魔術師を本物だと信じる少女。しかし、時代は変わり、魔術師たちの居場所もなくなってきた。台詞の少ないドラマに、美しく緻密な風景。

 テレビや映画に娯楽の主流を奪われ、仲間の芸人が次々と職を失う中、ついに主人公も『魔法使いはいない』と書置きを残し、少女の前から姿を消す。時代の移り変わりを描いた切ないエンディング。でもかすかに希望はある。田舎者だった少女はすっかり都会に染まり、新しい出会いを見つけた。魔術師だって絶望しているわけではない、いつかきっと……そんな含みが見られた。

 フィルム上映だったけど、CGが効果的に使われている。アナログとデジタルの融合、これもまた時代の移ろいか。居場所を追われるように去っていく者たちの姿はみなみ会館にオーバーラップするものがあるけど、それでも終わりではない。カウリスマキの映画じゃないけど『希望のかなた』である。

 もうこのトイレの張り紙を見るのも、この階段を下りるのも、あのネオンを見るのも最後。
空にはみなみ会館55年のさよならを見届けるように満月が輝いていた。

 人気のいない映画館はがらんとして一層寂しさが募る。でも終わりじゃない。また京都のどこかで会いましょう。その時はまたよろしくお願いします。素敵な出会いの場所を作ってくださった、京都みなみ会館に感謝。本当にありがとうございました。

  

拍手[12回]

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これを書いてる時点で残りあと二日となってしまった京都みなみ会館。今週からは『さよなら興業』と銘打ってみなみ会館ゆかりの作品、人気作品を連続上映。行けるのは今日しかない、と昨日、春の陽気もあって、バイクで京都へ。


 そういえば4年前、今に至るすべての源流となった『地球防衛軍』上映の際も軽い気持ちでバイクで向かったことを思い出した。高速を使わないならバイクの方がすいすいと京都に行ける。この道もあの道も、通いなれた道を通るのもこれが最後かもしれない。油小路通りを走り、いつもの某診療所の角を曲がる。すると裏道からみなみ会館へ。老婦人の陶器製人形を飾ってあったけど、いつの間にかなくなっており、それ以来『ババアの家』と勝手によび、勝手に怪談話をでっちあげていたあの家もこれで見納めか。

 昨日見たのは『太陽を盗んだ男』『黒蜥蜴』『江戸川乱歩全集恐怖奇形人間』の和製カルト映画。本当はそのあと『鉄男』『狂い咲きサンダーロード』と続き、まるでオールナイト興行のような濃いラインナップで、学生時代を思いだす。確か『奇形人間』を初めて見たのもみなみ会館だった。奇形人間で始まり、奇形人間で終わる、俺のみなみ会館。


『太陽を盗んだ男』は劇場で見るのは初めて。平凡な理科教師、ジュリーが原発からプルトニウムを奪い、原爆を製造、国家に脅迫を仕掛ける。今までの邦画になかったタイプのサスペンス超大作だが、主人公が原爆を作ってみたものの、特にこれと言った目的もなくいたずらレベルで脅迫を仕掛けるのが面白い。やるせない男と、それに同調する女の共犯関係。80年代に差し掛かる前年、大作映画の波に乗って生まれたような突然変異。ゲリラ撮影で都心部でのパニック描写、カーチェイス等やりたい放題。実直で真面目そうな刑事、菅原文太も終盤に進むにつれてヒートアップ。ラストの対決では完全に実録路線の顔に戻っておりました。『お前が殺していいのは、お前だけだ!』の言葉通り、無気力な青年はただ暇をつぶしたかっただけかもしれない。しかしその手段が原爆製造だから迷惑な話である。劇中で『ウルトラマンレオ』最終回が流れるのでみなみ会館でレオ最終回が流れるのはこれで2度目。みなみで菅原文太を見るのはこれが最初?

『黒蜥蜴』は20年ほど前のリバイバルで見て以来。己の欲望と美の追求のために犯罪を重ねる女賊黒蜥蜴と名探偵明智小五郎の対決。趣味と欲望のために他人が理解できない理論で犯罪を重ね、ユニークな部下を大勢持つ黒蜥蜴はバットマンの悪役みたい。そんな自分の唯一の理解者である明智とは心惹かれ合うものがあるものの、敵と味方であるという立場上、本音を言えないという関係。誘拐されまくる松岡きっこがキュートで、全裸の松岡を箱に詰め新幹線で輸送するという、日常の中に潜む異変は乱歩らしさがよく出ている気がする。ろくに乱歩読んでないけど。冨田勲の楽曲が一瞬キャプテンウルトラに聞こえそうになる、深作欣二の松竹映画。

『奇形人間』はそのカルト的人気から、学生時代は上映されれば必ず見ていたような珍妙な味わいの作品。それが今じゃ普通に販売されてるから世の中変わったね。これも乱歩。『パノラマ島奇譚』に乱歩作品の美味しい所をミックスした構成。自分そっくりの他人に成りすますのは『双生児』だったかな。ひょっとしたら真っ当な乱歩的倒錯サスペンスになりそうなところを、土方巽が全部ぶち壊し、グロというか、奇天烈な見世物が延々続く秘宝館のような映画。奇形人間の島に上陸し、珍妙なショーを散々見せつけられる主人公たちが『それ、どこがおもろいの?』とばかりに辛そうな顔をしているのが分かる。有名なラストの『おかーさーん』ではどこの上映でも爆笑が巻き起こるのだが、今回は起きず。初見の人が多くて、呆気にとられたのかも。今回は三本とも上映終了後に自然と拍手が巻き起こっていた。あの拍手は作品の面白さもあるけど、みなみ会館への感謝の証だったように思える。

 もうあの角を曲がることもない……いや、最終日には数々のイベントが行われたみなみ会館一階でババジラジオやります。みなみ会館はおやすみだけど、一階の元パチンコ屋ラスベガスとはこれでお別れ。いつも通りダラダラとやります。



 






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 終わるんだけど、まだまだ終わらない京都みなみ会館。先週のオールナイトに続いて、先日は爆音上映枠での『キングコング対ゴジラ』デジタルリマスター版上映。今回は超SDX枠ではないが、この場所で上映する最後の怪獣映画。


 駐車場から、映画館の音が漏れて聞こえる。それほどまでに爆音というのはすさまじいものか。階段を上ると骸骨がお出迎え。これはカナザワ映画祭のギミック上映に使われたもの。この日は満員御礼、ロビーには人があふれかえり、熱気がすごい。



 超SDXのキャスト社の物販も少々。もうロビーで怪獣グッズを売る光景もしばらく見れないのか。


 怪獣映画のストロングスタイル、プロレスを意識した日米怪獣対決にエコノミックアニマルと言われていた日本のサラリーマンのドタバタをミックスすることで全2作とがらりと作風が変わりつつも、以降の作品に大きな影響を与え、怪獣対決もののフォーマットを築いた『キンゴジ』については、さんざん語られてきたので、ストーリーに関してはここでは割愛。とにかくデジタルリマスター版は奇麗、美麗で華麗。完全版DVD、ブルーレイは発売されているものの、記憶に残っているのは、16ミリプリントをつぎはぎしてところどころ色味がおかしいVHS版なので、その淀みないつながり方に驚いてしまう。『昭和の色』というか、当時の色合いがそのまま出ている、という印象。そして何よりも爆音ですよ。オープニングの♪ドンドンドンドンという太鼓の音で場内の空気がびりびりと揺れる。足の裏から振動が来る。爆音はただ音が大きいというだけでなく、背景の細かな音も拾って引き延ばしてくれているので、とにかく情報量が多い。ゴジラとコングが吼えるたびに空気がしびれる、伊福部メロディは足から来る。何もないシーンでも足元がぶるぶると揺れるので、すげえと思ったら、隣の人の貧乏ゆすりだった。どこまで足広げてるんだ。わかっていてもクライマックスの富士山対決はゾクゾクとし、最後には爆音にも負けない大拍手。

 もうここで怪獣映画が見れないのか、としんみりしたのは帰宅してから。とにかく上映中は興奮しっぱなしの爆音上映でした。もし次があるなら佐藤勝サウンドが炸裂しまくる『ゴジラ対メカゴジラ』か、とにかく騒々しい『ゴジラファイナルウォーズ』を爆音で見てみたい。

 外の掲示板にはもう、次の映画のポスターはなかった。そして映画館の思いでのボールペンとブロマイドセット。終わるけど、まだ終わらない。最終日まで、みなみ会館にお世話になります。

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 いよいよその日がやってきた。京都みなみ会館、現場では最後の超大怪獣大特撮大全集SDXオールナイト。『連合艦隊』『ゴジラ』『シン・ゴジラ』の会議だらけのヘビー級3本立て。いずれも戦争、怪獣という国難を前にした群像劇で、3本ともそれぞれ共通項があるような、ないような。

 

 最後にふさわしいゲストは、『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督。


 本当は中野昭慶監督と昭和、平成Wゴジラ監督の予定でしたが、中野監督の体調不良につき、今回の来場は中止になりましたが、みなみ会館再開の際はぜひ来ていただきたいものです。


 3年間ほぼ毎月書いてきたうろ覚え新聞も今回でいったんお休み。なのでここでの思い出に、入場時に新聞を配らせていただきました。最後まであきらめずにやろう。


 みなみ会館のお向かいで火事が起こり、救急車や消防車がたくさん駆けつけるという中行われた樋口監督トークショーは捧腹絶倒、その後のサイン会もスムーズに進み、いよいよ『連合艦隊』へ。大スクリーンで見る戦艦大和の最後はかなりの迫力でした。『84ゴジラ』では映写トラブルもありましたが、それすらもイベントに変えちゃうお客様の温かさ。ちょっと時間も押して『シン・ゴジラ』が終わった頃には朝の9時。オールナイトというより、ちょっとしたモーニングショーでした。

 バタバタしながらもなんとか終了、終わってしまえばなんだか寂しくなるものです。もう、ここで怪獣映画とか怪獣物販に触れることはないのか……。思えば4年間、ここでたくさんの怪獣映画を見た、というより遊ばせてもらったなという印象。映画館のロビーで怪獣のおもちゃを売ってる、まるで祭りみたいだ! とはしゃいでいた4年前。

 今回も物販は充実、男子トイレの行列もいつものこと。その中で異彩を放つ、みなみ会館の隠し武器『吉田館長ブロマイドくじ』! あの樋口監督も『今日最大の衝撃!』と仰ってました。普通映画館の館長のブロマイドなんか売れないよねえ。でも完売。

 オールナイトを終えたお客様が帰る中、もういっそこのまま残ってしまえと怪獣の次は時代劇。この場所では最後の市川雷蔵映画祭『眠狂四郎女地獄』へ。大映時代劇をスクリーンで見れる、しかもみなみ会館で! いつも見たいみたいと思いながらもかなわなかったので、このチャンスに見ておこうと思いました。


 旅の途中、お家騒動に巻き込まれる狂四郎。二人の剣客、次々と繰り出される罠に大ピンチ。いつもはウェットな作風ですが今回はかなりドライ。ライバルキャラが二人も登場し狂四郎に勝負を挑んだり、どこか座頭市っぽい印象。女地獄というよりも男地獄。そして毎度のことながら、狂四郎は罠にはまりすぎ。うとうとと、まさに眠りにつきかける中、何とか見終わり、その足で職場へ。もちろん、その日は仕事になりませんでした。

  超SDXはこれでおやすみですが、みなみ会館にはまた行きそう。それに別枠で、週末には爆音キングコング対ゴジラが。最後の日まで、お世話になります。

 

 

拍手[2回]

なぜか勝手にネットが閉じてしまい、何度も書き直してしまう状態に。コピーしておけばよかった。なので、もうグダグダ書かない、簡略して描きます。


  ウルトラ大全集の翌日、昨日は再び京都で『劇場版ウルトラマンジード・つなぐぜ!願い!!』と『希望のかなた』を見る。『映画』という共通項しか見当たらない二本だ。


 『ジード』は沖縄を舞台にジード、オーブ、ゼロにジャグラス・ジャグラーが、人工生命ギルバリスと激突! 坂本監督らしく、巨大戦も等身大戦でも肉弾アクション満載、ウルトラマンは全フォーム披露にウルトメィトフォースゼロの久々の登場と、盛りだくさんな内容。ウルトラ映画というより、それぞれの見せ場を均等に作った『スター映画』なんだなと実感。沖縄の青空の下守護神グクルシーサーとギャラクトロンの激突は『ゴジラ対メカゴジラ』を、ゲスト出演のジャッキーちゃんのくだりは『笑拳』を彷彿とさせ、ウルトラ以外の見せ場も短い尺の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれておりました。

 くよくよしていた主人公のリクが、仲間の愚痴をこぼしながら回復するのが斬新。公開三日目なのにパンフ売り切れで、改めてウルトラ人気の高さを思い知りました。


 続いてみなみ会館で『希望のかなた』。戦火から逃れてきた難民の青年をなんとなくかくまい、なんとなく彼のために尽力するレストランのオーナー&従業員。昨年の作品だけど、90年代からカウリスマキはぶれない。酒、たばこ、バンド、異邦人、それに犬。どこかとぼけたキャラクター達。ぼけてるのか真面目なのか、ドラマなのかコントなのかわからないのでとりあえず観客が心の中で突っ込むフィンランド新喜劇。新しいけどどこか古臭さを感じさせる作風は、築55年のみなみ会館にはぴったり。今度からこんな素敵な作品群をどこで見ればいいのか。みなみ会館再開の暁にはぜひとも新作含めてカウリスマキ作品を上映してもらいたいものです。






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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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