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 作家馬場卓也のおもちゃと怪獣と仕事の三つ巴生活!  男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい! てな訳でよろしく
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 先週は誕生日で新世界東映へ。そして今週も新世界。最近の新世界東映は攻めたラインナップが多くて困ってしまうのですよ。



 今回は『忍者武芸帖百地三太夫』『殺人拳2』の千葉真一、真田広之師弟コンビの二本立て。いつからこうしたひねったラインナップを考えるようになったのか、ブレーンが変わったのかな、今までは『まだあるのかよ!』とばかりに任侠映画ばかりだったのに。



 『百地三太夫』は一族を殺された忍びの若者が、成長して秘術を身につけ敵を討つ、という時代劇。いわゆる仇討ちものなんてこの世にはごまんとあるわけですが、この作品の目玉は何と言っても真田広之、80年代のニュースターですよ。かっこいいし、アクションもできるし、歌もうまい。ヒロユキブームで、いつもはおっさんばかりの東映の直営館が女性ファンでいっぱいになったとか、ならないとか。




 『殺人拳』でもおなじみ極真カラテの石橋雅史と野際陽子夫婦に生まれた子供が成長すると真田広之になり、目指す敵は千葉真一というJACファミリー映画。




 とにかくこの頃の真田広之のアクションはキレッキレであり、後ろ回し蹴りが特に美しい。以降のアクションものでも大刀を持たず、小刀等短い得物で戦うのは、彼の体の動きの美しさを見せたいためなんだろうか。一族郎党を滅ぼされ、明国に渡ったという設定で、忍術に加えカンフーも披露するなど、ポストジャッキーチェンを狙った節もあり、のちに『ラッシュアワー3』で共演するとは思ってもみなかった。いやしかし、あの頃では遅かった。




 伏見城天守閣からのダイビングや、ワイヤーアクション、空中サーカスなどアクションも森ダックさん、義賊石川五右衛門が実は五名からなるユニット名だったとか、史実の隙間に大ボラを吹いて納得させる手腕はさすが東映、さすがトラック野郎の鈴木則文監督。時代劇映画が作りにくい状況でも『アイドル映画』という隠れ蓑を使えば、面白いものが作れたのですよ。時代劇アクションであると同時にこれは真田広之のアイドル映画、劇中では主題歌や、珍妙なダンスも披露するし、女性ファンへのサービスなのか、露出も多いよ。惜しむらくは、真田広之はアクション映画で『これ!』という作品がないんですよ、個人的な話ですが。何か一本、これぞ、というものを発表して演技派に転向してもらいたかったな、とは思います。



 そんな真田広之をサポートするのは明国からやってきて女必殺拳を披露する志穂美悦子に、ジャッキー映画の師匠ポジションのような丹波哲郎、そして、木々を渡り、するすると昇降する蜘蛛一族の佐藤允! ガハハと笑って頼もしいことこの上ない。ワイヤー一本で、まさに雲のように動き回るアクションは『スパイダーマン』で培ったノウハウが生かされているのでは、と思います。個人的には先週の『狼やくざ』に続き千葉真一、佐藤允特集なのです。そして週末のみなみ会館超大R『太平洋の翼』『青島要塞爆撃命令』の佐藤允映画祭へと続くのです。




 悪役に扮した千葉真一のふてぶてしくも出世欲に目がくらむ役どころも面白い。自ら作ったと称する凄腕の聾と唖の忍び二人を従え、人間タワー戦法や三位一体の攻撃を仕掛けてくるなど、ユニークなアイデアと戦術で愛弟子のデビュー作に花を添えています。




 そして『殺人拳2』。『カァアーーーコォオー、カッ』という、あの独特の息吹と構えで、千葉真一を全米の人気者に仕立て上げたストリートファイターシリーズ第二弾。相変わらず金次第でどんな汚い仕事を引き受ける空手殺し屋剣琢磨。今回もマフィアの依頼で裏切り者を消したのはいいけど、結局はマフィアと対立し、これを壊滅してしまう。




 東映カラテ映画に出てくる悪い武術家集団はヤクザと一緒で、マフィアはヤクザよりも非情で恐ろしく巨大な組織なのである。本物武術家と片言外国人の玉石混交もまた東映カラテ映画の魅力なのかもしれない。


 
 先月の『ザ・カラテ』シリーズに続き、正武館の鈴木館長も登場。千葉真一とは反目しつつもお互いを信頼しあう間柄、今回は鈴木館長がマフィアに狙われることになってしまい、千葉ちゃんの怒りに火が付いた。



 前回倒したはずの石橋雅史が再登場。千葉ちゃんを後一歩のところまで追い込みますが、千葉ちゃんはパートナーの看病とバナナ一本で見事復活。今回、うとうとしてしまい、『サウナで山城新伍のアドリブに本気で笑ってしまう紅白パンツの千葉ちゃん』を見逃したのは残念。



 ラスト、多分おそらくマフィアのボスだろうガイジンをタンクローリーの上に追い詰め、運転手もろとも爆破! 炎に照らされた千葉ちゃんの不敵な笑顔が印象的です。『やりすぎたかな』と思ってたかもしれませんが。


 
 個人的にはバタバタしている日が続いているのですが、映画館でいる時が一番心落ち着きますね、いやな現実を忘れてしまえるからです。何をそんなにバタバタしているのか、それはまたいずれ。熱い二本を見た後、映画館を出ると、やけに肌寒かった、もうすぐ冬ですな。


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プロフィール
HN:
馬場卓也
性別:
非公開
職業:
作家
趣味:
怪獣
自己紹介:
作家。一応作家。
CS放送のシナリオ公募で佳作入選。
『SHUFFLE! アンソロジーノベル』
でデビュー。
『School days 君といる、空』で長編デビュー。(ともにJIVE )

『真田十勇姫!』(ソフトバンクGA文庫)
シリーズほか、チョコチョコと。
ラノベ、ゲームシナリオ等々、何でもやりますのでお仕事お願いします。
 怪獣とかチャンバラが好きやねんけど、女の子率高いなあ。


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